憲法について、作家の島田雅彦さんが次のようなことを書いていた。
『日本が自国のことのみならず、他国の戦後復興、人道支援にも貢献し、「世界の赤十字」たらんとしてきたことで獲得できた世界的信用は大きな財産である。
外国人が日本人に対して抱く好印象もまた、平和主義を貫いてきたことに由来するだろう。
「優しい日本人」のイメージはおそらく、現行憲法によってもたらされたに違いない。
それを「平和ぼけ」と自嘲する人は改憲してでも「世界の警察」の片棒を担ぎたくてしょうがないようだが、そうすれば戦後日本が積み上げてきた信用は全て失われる。
彼らはその損失を計算したことがあるだろうか?』
「世界の赤十字」なのか?
「世界の警察」なのか?
安倍首相は、落ちてきたアメリカの力を補うために、日本が「世界の警察」の一翼を担えるようにしようと思っているようですが、さあ、どちらを選びます?
少なくとも、この国民投票にかけるべき重要な問題を、ひとつの内閣が勝手に決めてはいけないと思う。
でも、昨年、安倍晋三という人は、これをやってしまったんですよね。
自民党の憲法草案の前文にはこんな記述がある。
『日本国民は、国と郷土を誇りと気概を持って自ら守り、基本的人権を尊重するとともに、和を尊び、家族や社会全体が互いに助け合って国家を形成する。
我々は、自由と規律を重んじ、美しい国土と自然環境を守りつつ、教育や科学技術を振興し、活力ある経済活動を通じて国を成長させる。
日本国民は、良き伝統と我々の国家を末永く子孫に継承するために、ここに、この憲法を制定する』
まさに<国><国><国>である。
要するに、『日本国民は国の繁栄のためにがんばれ~』って言っている。
基本的人権に関しては、『基本的人権を尊重するとともに』と軽く触れられているだけ(笑)
ああ、気持ち悪い。
この発想の根本には、
「国民は自分の権利ばかりを主張して、公のためを考える気持ちを忘れている」
というものがあるらしい。
果たしてそうか?
大震災の時の振る舞いでもわかるとおり、<公>を大切にする国民性は現在でも失われていない。
人権については、自民党の憲法草案のQ&Aで次のように説明されている。
「人権規定も我が国の歴史、文化、伝統を踏まえたものであることも必要だと考えます。
現行憲法の規定の中には、西欧の天賦人権説に基づいて規定されていると思われるものが散見されることから、こうした規定は改める必要があると考えました」
何と、人権は生まれながらにあるものという『天賦人権説』を否定しているのだ。
憲法学者の小林節さんは、これについて次のように言い換えて説明している。
「お前らには生まれつきの権利なんかないのだ。国家様に尽くした奴にだけ権利を渡してやっているんだ、勘違いするな」
こんな気持ち悪い憲法が自民党から出てきた原因を、小林節教授は次のように分析している。
『現在、自民党内で憲法について集中的に考えている議員たちのほとんどが、戦前日本のエスタブリッシュメント層、保守支配層の子孫とその取り巻きであるという事実です』
確かに安倍晋三自民党総裁はA級戦犯・岸信介の孫、高村正彦自民党副総裁は特高警察の息子。
戦前の妖怪が復活しつつありますなぁ。
つーか、21世紀にこれかよ!? とツッコミを入れたくなる。
※参照記事
寄稿 憲法という経典 島田雅彦(朝日新聞)
人権否定、戦前回帰の自民党・憲法改定草案はなぜ生まれたのか?(リテラ)
『日本が自国のことのみならず、他国の戦後復興、人道支援にも貢献し、「世界の赤十字」たらんとしてきたことで獲得できた世界的信用は大きな財産である。
外国人が日本人に対して抱く好印象もまた、平和主義を貫いてきたことに由来するだろう。
「優しい日本人」のイメージはおそらく、現行憲法によってもたらされたに違いない。
それを「平和ぼけ」と自嘲する人は改憲してでも「世界の警察」の片棒を担ぎたくてしょうがないようだが、そうすれば戦後日本が積み上げてきた信用は全て失われる。
彼らはその損失を計算したことがあるだろうか?』
「世界の赤十字」なのか?
「世界の警察」なのか?
安倍首相は、落ちてきたアメリカの力を補うために、日本が「世界の警察」の一翼を担えるようにしようと思っているようですが、さあ、どちらを選びます?
少なくとも、この国民投票にかけるべき重要な問題を、ひとつの内閣が勝手に決めてはいけないと思う。
でも、昨年、安倍晋三という人は、これをやってしまったんですよね。
自民党の憲法草案の前文にはこんな記述がある。
『日本国民は、国と郷土を誇りと気概を持って自ら守り、基本的人権を尊重するとともに、和を尊び、家族や社会全体が互いに助け合って国家を形成する。
我々は、自由と規律を重んじ、美しい国土と自然環境を守りつつ、教育や科学技術を振興し、活力ある経済活動を通じて国を成長させる。
日本国民は、良き伝統と我々の国家を末永く子孫に継承するために、ここに、この憲法を制定する』
まさに<国><国><国>である。
要するに、『日本国民は国の繁栄のためにがんばれ~』って言っている。
基本的人権に関しては、『基本的人権を尊重するとともに』と軽く触れられているだけ(笑)
ああ、気持ち悪い。
この発想の根本には、
「国民は自分の権利ばかりを主張して、公のためを考える気持ちを忘れている」
というものがあるらしい。
果たしてそうか?
大震災の時の振る舞いでもわかるとおり、<公>を大切にする国民性は現在でも失われていない。
人権については、自民党の憲法草案のQ&Aで次のように説明されている。
「人権規定も我が国の歴史、文化、伝統を踏まえたものであることも必要だと考えます。
現行憲法の規定の中には、西欧の天賦人権説に基づいて規定されていると思われるものが散見されることから、こうした規定は改める必要があると考えました」
何と、人権は生まれながらにあるものという『天賦人権説』を否定しているのだ。
憲法学者の小林節さんは、これについて次のように言い換えて説明している。
「お前らには生まれつきの権利なんかないのだ。国家様に尽くした奴にだけ権利を渡してやっているんだ、勘違いするな」
こんな気持ち悪い憲法が自民党から出てきた原因を、小林節教授は次のように分析している。
『現在、自民党内で憲法について集中的に考えている議員たちのほとんどが、戦前日本のエスタブリッシュメント層、保守支配層の子孫とその取り巻きであるという事実です』
確かに安倍晋三自民党総裁はA級戦犯・岸信介の孫、高村正彦自民党副総裁は特高警察の息子。
戦前の妖怪が復活しつつありますなぁ。
つーか、21世紀にこれかよ!? とツッコミを入れたくなる。
※参照記事
寄稿 憲法という経典 島田雅彦(朝日新聞)
人権否定、戦前回帰の自民党・憲法改定草案はなぜ生まれたのか?(リテラ)