平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

重版出来!~三蔵山龍、成田メロンヌ、東江絹、中田伯……みんな苦闘して作品を描いている

2016年05月10日 | 職業ドラマ
『重版出来!』はクリエイターのリアルが描かれていて面白い。

・ベテランで作品は安定しているが、感性が古いと言われてしまった三蔵山龍(小日向文世)。
・とんがった作品のため、連載打ち切りになったイケメン漫画家・成田メロンヌ(要潤)。
・カノジョが出ていったショックで描けなくなる高畑一寸(滝藤賢一)。
・絵は上手いが、ストーリーがイマイチの新人・東江絹(高月彩良)。
・絵は下手だが、抜群のストーリーとセンスを持つ新人・中田伯(永山絢斗)。

 みんな、悩んで、苦しんで、創作しているんですね。
 自分に欠けているものを補いながら必死に描いている。
 作品を通して何かを伝えたいという気持ちも人一倍。

 僕が注目する作家は、新人の東江絹と中田伯かな?
 絵は上手いがストーリーがイマイチな東江は中田に聞く。
「どうしたら、そんなにすらすらネームを作れるんですか?」
 これに対して中田は、
「自分の頭の中に浮かぶ情景をただ紙に描いているだけ。どうして、そんなことに悩むの?」
 中田は〝天才肌〟なんですね。
 一方、東江は絵が上手くて器用だけど、センスは普通の人。
 だからベストセラーのタイアップで早くデビューできたが、便利屋で終わる可能性がある。
 一方、天才・中田の方は、絵はイマイチだが、最終的には大ヒット作を生みそう。
『進撃の巨人』の諌山創さんみたいに。

 この作品、最初は、新人編集者・黒沢心(黒木華)の成長物語かと思っていましたが、同時にクリエイターたちの成長物語でもあるんですね。
 この点が面白いし、新しい。
 黒沢心は自分が成長しながら、新人も作品も育てていくのだろう。

 その他のリアルとしては、現実の書店が出てくるところ。
 三省堂、山下書店、くまざわ書店、文教堂書店、神田のコミック高岡……、これらでしっかりロケされている。
 僕はわりと都内の本屋巡りをするので、見ていて、「あ、あそこ、三省堂のフロアだよね」「おおっ、あの書店で撮ったのか!」と気づいたりする。
 さまざまな現実の書店で撮られているので、作品のリアリティがハンパでない。

 というわけで、『重版出来!』、面白いですわ。
 最初は単なるスポ根職業ものか、と思って観るのをやめようと思ってたんですけど。

コメント (2)
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