「相棒」第16話「イエスタデー」は、脳の記憶の話。
人間は、認めたくない過度のストレス体験をすると脳の防衛本能が働き、その出来事の記憶が抹消されるという。
それを素材にしたドラマ。
狭間(林泰文)は昨日の記憶をなくしている。
目が覚めると、ワイシャツ姿。
見慣れぬナイフがあり、スーツのポケットには俳句鑑賞会のチケット、コインロッカーの鍵。
鞄は何かで濡れた痕。コートのボタンが取れている。
折しも昨日、狭間の会社で現金3000万円が強奪される事件が起こり、情況から狭間が疑われることに。
右京(水谷豊)と薫(寺脇康文)は狭間とともに昨日の記憶を取り戻そうとする。
以上が物語の前半。
推理ドラマは、現場に残された物や事象から犯人の行動を類推していくドラマだが、これはその変型。
犯人とおぼしき人物の失われた記憶を追っていく。
その記憶を追う行為が犯人に結びつく。
さて記憶を追った右京たちが得た狭間の行動は次の様なものだった。
★憧れの康江(遊井亮子)と偶然同じバスで出勤して嬉しい狭間。
★途中、元同僚の宇田川(北原雅樹)を偶然見かけて途中下車。
★レストランで会話。この時、ウェイトレスに鞄にスープをかけられた。
濡れた鞄はこれが原因だった。
★宇田川の行動を不審に思い、尾行。宇田川と同じく会社の先輩であった国分(関貴昭)が会社のお金を強奪するのを目撃する。
★犯行を見られ、口封じのため狭間に渡されるお金500万円。
巻き込まれる狭間。「これでおまえも共犯だ」と強請られる。
お金をコインロッカーに隠す狭間と宇田川。コインロッカーの鍵はこれが原因だった。
これで犯人が宇田川と国分であることがわかるわけだが、ここで国分が死体で発見される。
そして狭間は記憶を取り戻して、自分が「国分を殺した」と自供する。
しかし、それは狭間が憧れの女性・康江をかばっての行為だった。
康江はビデオを撮られ国分に脅迫されていた女性だった。国分の部屋に呼ばれた狭間は偶然、死んでいる国分のそばに立っている康江を見てしまったのだ。
狭間は康江をかばって、自分が殺したとウソを言ってしまう。
そして、康江が殺人を犯したことは狭間にとってショックな出来事。
認めたくない出来事だったために、脳がその記憶を抹消してしまった。
慌てて階段を駆け下り、その時にコートのボタンが取れた。
それが事の顛末だった。
逮捕される康江。
しかし国分を殺した犯人は康江ではなく、実は他にいる。
これはネタバレになるので書かないが、犯人が狭間→康江→真犯人と次々と変わっていくのがいい。普通は康江が犯人で終わってもいいのだが、さらに新しい犯人を用意する所など、さすがは「相棒」だ。
そしてラストがいい。
真犯人は逮捕され、狭間と康江はもとの生活に戻る。
一件落着。
しかし、狭間は「まだ解決していないことがある」と言う。
スーツのポケットにあった「俳句鑑賞会」のチケットだ。
これをなぜ、狭間は持っていたのか?
実はこれは「日曜日にいっしょに行かないか」と康江に誘われ、渡されていたものだった。
狭間はそれを思い出し「一番大事なことを忘れてしまった」と康江に謝る。
康江は許し、いっしょに歩いていく。
ここまででも十分におしゃれだが、最後の右京のせりふが気が利いている。
「彼にとって今日が一番忘れられない日になるでしょう」
見事なオチ。
「記憶」というモチーフで全体が一貫しているのもいい。
良質な短編小説を読むような感じだ。
人間は、認めたくない過度のストレス体験をすると脳の防衛本能が働き、その出来事の記憶が抹消されるという。
それを素材にしたドラマ。
狭間(林泰文)は昨日の記憶をなくしている。
目が覚めると、ワイシャツ姿。
見慣れぬナイフがあり、スーツのポケットには俳句鑑賞会のチケット、コインロッカーの鍵。
鞄は何かで濡れた痕。コートのボタンが取れている。
折しも昨日、狭間の会社で現金3000万円が強奪される事件が起こり、情況から狭間が疑われることに。
右京(水谷豊)と薫(寺脇康文)は狭間とともに昨日の記憶を取り戻そうとする。
以上が物語の前半。
推理ドラマは、現場に残された物や事象から犯人の行動を類推していくドラマだが、これはその変型。
犯人とおぼしき人物の失われた記憶を追っていく。
その記憶を追う行為が犯人に結びつく。
さて記憶を追った右京たちが得た狭間の行動は次の様なものだった。
★憧れの康江(遊井亮子)と偶然同じバスで出勤して嬉しい狭間。
★途中、元同僚の宇田川(北原雅樹)を偶然見かけて途中下車。
★レストランで会話。この時、ウェイトレスに鞄にスープをかけられた。
濡れた鞄はこれが原因だった。
★宇田川の行動を不審に思い、尾行。宇田川と同じく会社の先輩であった国分(関貴昭)が会社のお金を強奪するのを目撃する。
★犯行を見られ、口封じのため狭間に渡されるお金500万円。
巻き込まれる狭間。「これでおまえも共犯だ」と強請られる。
お金をコインロッカーに隠す狭間と宇田川。コインロッカーの鍵はこれが原因だった。
これで犯人が宇田川と国分であることがわかるわけだが、ここで国分が死体で発見される。
そして狭間は記憶を取り戻して、自分が「国分を殺した」と自供する。
しかし、それは狭間が憧れの女性・康江をかばっての行為だった。
康江はビデオを撮られ国分に脅迫されていた女性だった。国分の部屋に呼ばれた狭間は偶然、死んでいる国分のそばに立っている康江を見てしまったのだ。
狭間は康江をかばって、自分が殺したとウソを言ってしまう。
そして、康江が殺人を犯したことは狭間にとってショックな出来事。
認めたくない出来事だったために、脳がその記憶を抹消してしまった。
慌てて階段を駆け下り、その時にコートのボタンが取れた。
それが事の顛末だった。
逮捕される康江。
しかし国分を殺した犯人は康江ではなく、実は他にいる。
これはネタバレになるので書かないが、犯人が狭間→康江→真犯人と次々と変わっていくのがいい。普通は康江が犯人で終わってもいいのだが、さらに新しい犯人を用意する所など、さすがは「相棒」だ。
そしてラストがいい。
真犯人は逮捕され、狭間と康江はもとの生活に戻る。
一件落着。
しかし、狭間は「まだ解決していないことがある」と言う。
スーツのポケットにあった「俳句鑑賞会」のチケットだ。
これをなぜ、狭間は持っていたのか?
実はこれは「日曜日にいっしょに行かないか」と康江に誘われ、渡されていたものだった。
狭間はそれを思い出し「一番大事なことを忘れてしまった」と康江に謝る。
康江は許し、いっしょに歩いていく。
ここまででも十分におしゃれだが、最後の右京のせりふが気が利いている。
「彼にとって今日が一番忘れられない日になるでしょう」
見事なオチ。
「記憶」というモチーフで全体が一貫しているのもいい。
良質な短編小説を読むような感じだ。