物語はこう。
「激しい豪雨が降り続く夜、人里離れた一軒のモーテル。管理人ラリーがくつろいでいるところへ、ひとりの男が飛び込んでくる。彼、ジョージは息子ティミーを伴い、交通事故で大ケガをした妻アリスを運び込む。救助を要請しようとするが電話は不通だった。アリスをはねたのは女優キャロラインの運転手で元警官のエド。彼は病院へ向け車を走らせるが、途中で立ち往生し、やむなくモーテルへ引き返すことに…。ある時、ある一室で、既に死刑判決の下った事件について再審理が行われようとしている。ポイントとなっているのは、その事件の連続殺人犯である囚人が書いた日記だった」(Yahoo映画より)
連続殺人ものの動機もネタもここまで来たかという感じだ。
以下、ネタバレです。
まず舞台となったモーテルの惨劇。
これはマルコムという多重人格者(解離性同一障害者)の頭の中の出来事だった。
彼はおそらく医学者に催眠療法をかけられたのだろう。
催眠療法の中で彼の11の人格が一同に介する夢を見させられた。
目的は11の人格の中に潜む「殺人者の人格」を探し当て抹殺すること。
「殺人者の人格」を抹殺できれば、マルコムは以後、殺人を犯さないだろうというわけだ。
そして人格のひとつである元刑事のエドは殺人者の人格を追う。
発想としては面白いが、見ている方は肩すかしを喰った感じを受ける。
いわゆる夢オチだからだ。
殺人者の人格を抹殺するという目的を持った夢ではあるが、「今まで描いてきたことは夢でした」ではイマイチ納得が出来ない。見ている方は、死体がどうして消えてなくなったか?など事件の理由を知りたくて見ているのだから。
出来れば現実の中に刑事エドを登場させて、自分の中の様々な人格や悪と対峙、葛藤させてほしかった。
物語自体の大きな流れはこんな感じだが、ディティルはいい。
洗濯乾燥機の中で回転している切り取られたキャロラインの首。→単純に怖い。
冷凍庫に何かを隠しているらしいモーテルの管理人ラリー。→今まで普通の人間に見えていた人物が闇の側面を見せる。
逃走したつもりが道に迷い、結局元のモーテルに戻ってしまった囚人メイン。→設定された夢の中の出来事だったことを物語る伏線。
10・9・8・7……モーテルの部屋番号順に殺されていく人物たち。→連続殺人事件にはこういった演出が必要。
アメリカの地名を模した人物たちの名前と同じ誕生日。→多重人格を物語る伏線。
実は他にいた「殺人者の人格」→ラストのどんでん返しはお決まりだが。
最後にヒッチコックの「サイコ」から始まった人間の心の闇をモチーフにした作品は今後も作られていくだろう。
何しろドラマは人間の心を描くものであるし、作家はありきたりの人間像でなく、心の闇からとらえ直した人間像を描かなくてはならないと思うからだ。
「激しい豪雨が降り続く夜、人里離れた一軒のモーテル。管理人ラリーがくつろいでいるところへ、ひとりの男が飛び込んでくる。彼、ジョージは息子ティミーを伴い、交通事故で大ケガをした妻アリスを運び込む。救助を要請しようとするが電話は不通だった。アリスをはねたのは女優キャロラインの運転手で元警官のエド。彼は病院へ向け車を走らせるが、途中で立ち往生し、やむなくモーテルへ引き返すことに…。ある時、ある一室で、既に死刑判決の下った事件について再審理が行われようとしている。ポイントとなっているのは、その事件の連続殺人犯である囚人が書いた日記だった」(Yahoo映画より)
連続殺人ものの動機もネタもここまで来たかという感じだ。
以下、ネタバレです。
まず舞台となったモーテルの惨劇。
これはマルコムという多重人格者(解離性同一障害者)の頭の中の出来事だった。
彼はおそらく医学者に催眠療法をかけられたのだろう。
催眠療法の中で彼の11の人格が一同に介する夢を見させられた。
目的は11の人格の中に潜む「殺人者の人格」を探し当て抹殺すること。
「殺人者の人格」を抹殺できれば、マルコムは以後、殺人を犯さないだろうというわけだ。
そして人格のひとつである元刑事のエドは殺人者の人格を追う。
発想としては面白いが、見ている方は肩すかしを喰った感じを受ける。
いわゆる夢オチだからだ。
殺人者の人格を抹殺するという目的を持った夢ではあるが、「今まで描いてきたことは夢でした」ではイマイチ納得が出来ない。見ている方は、死体がどうして消えてなくなったか?など事件の理由を知りたくて見ているのだから。
出来れば現実の中に刑事エドを登場させて、自分の中の様々な人格や悪と対峙、葛藤させてほしかった。
物語自体の大きな流れはこんな感じだが、ディティルはいい。
洗濯乾燥機の中で回転している切り取られたキャロラインの首。→単純に怖い。
冷凍庫に何かを隠しているらしいモーテルの管理人ラリー。→今まで普通の人間に見えていた人物が闇の側面を見せる。
逃走したつもりが道に迷い、結局元のモーテルに戻ってしまった囚人メイン。→設定された夢の中の出来事だったことを物語る伏線。
10・9・8・7……モーテルの部屋番号順に殺されていく人物たち。→連続殺人事件にはこういった演出が必要。
アメリカの地名を模した人物たちの名前と同じ誕生日。→多重人格を物語る伏線。
実は他にいた「殺人者の人格」→ラストのどんでん返しはお決まりだが。
最後にヒッチコックの「サイコ」から始まった人間の心の闇をモチーフにした作品は今後も作られていくだろう。
何しろドラマは人間の心を描くものであるし、作家はありきたりの人間像でなく、心の闇からとらえ直した人間像を描かなくてはならないと思うからだ。