今回はキャラクターの立て方について
八千の武田軍が囲む海ノ口城で山本勘助(内野聖陽)が策を出す。
「いくさをするにしてはいささかきれいすぎる様でござる」
「この先で敵が穴を掘っている」
勘助の策が当たり、武田軍は攻め落とせない。
これだけでも十分かっこよく、キャラとして立っているのだが、ドラマ作家はさらにこんなふうに演出する。
信虎(仲代達矢)らに語らせるのだ。
「あの城には何者がいるのだ?」
板垣信方(千葉真一)は武田晴信(市川亀治郎)にこう語る。
「あの城には軍師がいるようでござる」
城主・平賀源心(菅田俊)の娘にも語らせる。
「勘助殿のおかげで城が救われました」
敵・味方を含めた他人に評価させる。
これでキャラが立ってくる。
人は人の間にあって、評価されるのが喜びであるからだ。
今までくすぶっていた勘助が評価されて、視聴者は心から感情移入できる。
そして晴信。
作家はここで晴信もキャラとして立てた。
雪が来て退却することになった武田軍。
晴信は殿(しんがり)を買って出る。
敵の追撃はないと判断している信虎は見当外れのことを言い出した晴信を叱り、おとしめる。
作劇上はここで晴信の他人の評価をマイナスにすることが大切だ。
ここでマイナスにするからプラスに転じた時、晴信のキャラが立つ。
果たして晴信は引き返し、300の兵で海ノ口城を落とした。
これで勘助、晴信、両方が輝いた。
視聴者はこのふたりが手を組んだら、どんなにすごくなるんだろうと期待する。
これがこの話数の仕掛けだ。
勘助も晴信が引き返してくることを読んで進言したが、これで勘助のすごさもさらに伝わる。
この様に勘助、晴信をしっかり描いた今回。
やはり主役がしっかり描かれると面白い。
だが戦略物としては面白いが、感情面ではいささか物足りない。
今回描かれた人物たちの感情は次の3点。
★自分の策が当たって目を輝かせる勘助の「喜び」
★父親に疎まれおとしめられた晴信の「悲しみ」
★城を落とされ母を失った平賀源心の娘の「悲しみ」
もっとあざとく感情の起伏が描かれてもいい気がする。
八千の武田軍が囲む海ノ口城で山本勘助(内野聖陽)が策を出す。
「いくさをするにしてはいささかきれいすぎる様でござる」
「この先で敵が穴を掘っている」
勘助の策が当たり、武田軍は攻め落とせない。
これだけでも十分かっこよく、キャラとして立っているのだが、ドラマ作家はさらにこんなふうに演出する。
信虎(仲代達矢)らに語らせるのだ。
「あの城には何者がいるのだ?」
板垣信方(千葉真一)は武田晴信(市川亀治郎)にこう語る。
「あの城には軍師がいるようでござる」
城主・平賀源心(菅田俊)の娘にも語らせる。
「勘助殿のおかげで城が救われました」
敵・味方を含めた他人に評価させる。
これでキャラが立ってくる。
人は人の間にあって、評価されるのが喜びであるからだ。
今までくすぶっていた勘助が評価されて、視聴者は心から感情移入できる。
そして晴信。
作家はここで晴信もキャラとして立てた。
雪が来て退却することになった武田軍。
晴信は殿(しんがり)を買って出る。
敵の追撃はないと判断している信虎は見当外れのことを言い出した晴信を叱り、おとしめる。
作劇上はここで晴信の他人の評価をマイナスにすることが大切だ。
ここでマイナスにするからプラスに転じた時、晴信のキャラが立つ。
果たして晴信は引き返し、300の兵で海ノ口城を落とした。
これで勘助、晴信、両方が輝いた。
視聴者はこのふたりが手を組んだら、どんなにすごくなるんだろうと期待する。
これがこの話数の仕掛けだ。
勘助も晴信が引き返してくることを読んで進言したが、これで勘助のすごさもさらに伝わる。
この様に勘助、晴信をしっかり描いた今回。
やはり主役がしっかり描かれると面白い。
だが戦略物としては面白いが、感情面ではいささか物足りない。
今回描かれた人物たちの感情は次の3点。
★自分の策が当たって目を輝かせる勘助の「喜び」
★父親に疎まれおとしめられた晴信の「悲しみ」
★城を落とされ母を失った平賀源心の娘の「悲しみ」
もっとあざとく感情の起伏が描かれてもいい気がする。