平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

わるいやつら 第六章

2007年02月25日 | 推理・サスペンスドラマ
 第六章では殺人を犯した人間のリアクションが描かれる。

 殺人を犯した人間はどの様な行動を取るか?
★アリバイ工作をする。
 戸谷(上川隆也)はチセ(余貴美子)に豊美(米倉涼子)を殺したことをほのめかす。
「その先を言わせるな」「チセには関係のないことだ」
 自分の口から明言しないところが戸谷の頭の良さ。またうまいせりふだ。
★犯行現場に戻る。
 豊美のコーヒーカップや病院の二階の窓から豊美を見たという話を聞いて不安になる戸谷は犯行現場に行く。
★イメージを見る。
 これも犯行の不安ゆえ。
 戸谷の中には地面から出ている豊美の網タイツの足がちらついている。
★犯行の証拠を隠す。
 犯行時に豊美につけられた手の傷にバンドエイドを貼る。
 また、豊美が殺されたのではないかと言う婦長や若い医師の口止めをする。
 婦長には先代にお世話になったことを思い出させ、病院の名に傷がつくようなことは言うなと言う。若い医師には豊美に片想いだったことを告げ、言えば君が疑われると脅す。
 
 この様に戸谷のリアクションで描かれた第六章。
 こういう描写を丹念に描いてくれると嬉しい。
 犯罪を犯すというのは不安なもので割りに合わないものであることがわかる。
 不安や罪の意識にとらわれて、結局は人格破綻していく。
 また今回描かれたリアクションのいずれかが犯行のほころびとなって戸谷に返って来るだろう。
 犯人は放っておけば不安になり、何らかのリアクションを起こす。
 そのリアクションでミスを犯す。
 推理ドラマの王道だ。

 また今回、映像的にも面白かった。
 今回はほとんどが戸谷の視点で描かれた。
 上川さん出ずっぱりである。
 戸谷視点オンリーだと見ている者はすべて戸谷に感情移入できる。
 そしてラストが衝撃的になる。
 今回はラストだけが戸谷視点でなかった。
 駅のホームで走り去る戸谷を乗せた列車を見送る豊美とチセ。
 このふたりがなぜ?
 ここでは見る者は豊美とチセに感情移入することはない。
 衝撃と疑問だけが残る。
 そして映像づくりとしてはこれでいい。
 視聴者は想像を膨らませ、次回に期待するからである。

 さて次回からは復讐編。
 いよいよ面白くなって来た。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする