平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

花より男子2 第6話

2007年02月10日 | 学園・青春ドラマ
 揺れ動く道明寺 (松本潤)との関係。
 つくし (井上真央) の出した結論とは「遅すぎたんだよ。みんなを傷つけてまで幸せになれない」。
 もらった土星のネックレスを返す。
 つくしには花沢類 (小栗旬) や 滋 (加藤夏希) 、道明寺グループ100万人のことが頭にある。
 しかし、言葉はウソつきだ。
 ネックレスが川に投げ捨てられ焦る。川の中に拾いに行く。
 この行動の方がつくしの本音。
 うまい。
 建前と本音の両方から人物を描くと人物は魅力的になる。本音を言葉でなく行動で示すと、見る人に伝わってくる。
 一方、道明寺。
「ふざけんなよ!!俺ってそんなもんかよ!俺は牧野以外ありえねーんだ!!」
 他人のことを気にして別れようとするつくしに「俺ってそんなもんかよ!」と怒る。
 これは道明寺の本音。
 本音をストレートに強くぶつける時、ドラマは最高に盛り上がる。
 恥も外聞もなくプライドもかなぐり捨てて本音をぶつける時、人は心を動かす。ドラマの作劇とはいかにこの本音をぶつける瞬間を作り出すかだ。
 それまでは葛藤、プライドなどでウジウジ悩む。
 今回はつくしに「別れる」という強い意思をぶつけられて本音が爆発した。

 それにしてもこの作品、脇役の配置が実にうまい。
 道明寺のニューヨークでの出来事をつくしに話した秘書の西田 (デビット伊東)。「つくしといる時が坊ちゃんが人間らしくなる時だ」とも話した。
 道明寺の姉・椿 (松嶋菜々子) は絶妙のタイミングで入って来て、つくしと道明寺を応援する。今回は自分の過去の後悔を話し、つくしを道明寺の家に住まわせた。それまで住んでいたオンボロアパートもそうだが、同じ屋根の下に住むというのはドラマを作りやすい。ふたりの距離を縮めやすい。(つくしがいっしょに住むと聞いてベッドで大喜びする道明寺はかわいい)
 弟の進 (冨浦智嗣) もいい味を出している。
 道明寺とは男同士の連帯。陰ながら道明寺を応援する。
 脇役で泣けるのは滋。
 道明寺の前では明るく元気にふるまっているが、じつはナイーブ。
 道明寺のために焼いたクッキーを渡せない。自分で食べる。それでもがんばってバレンタインデーにはチョコレートを渡す。実にけなげ。
 類はつくしに受け入れられずに一歩引いてしまった様だが(バイオリンの弦が切れた)、滋はなおもがんばる。
 類と滋、このふたりのキャラが対照的に描かれているのも、この作品に深味を出している。
 この様に絶妙な配置と描き込みで魅力的な「花より男子2」の脇キャラ。
 次回以降は使用人頭の タマ (佐々木すみ江) がふたりを結びつける重要な脇役になりそうだ。


★追記
 川の中でネックレスを拾った後のつくしの行動はいかにもつくしらしい。
 メイド姿でこう言う。
「働かせて下さい。今は理由がほしいの。ここで道明寺と住む理由が。これが私の精一杯の道明寺に対する気持ちです」
 こんな行動を誰が予想するだろうか?
 これだからつくしは主人公になる。
「やっぱり道明寺のことを考え直してみるよ」といった当たり前のリアクションでは主人公になれない。

コメント (2)
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