山手線で品川へ出て、品川から京急に乗って金沢八景を目指します。先行のエアポート急行を見送り、続いてくる快特は“短い”8両編成でした。混み合うかと思っていましたが、意外に空いていました。来た電車は2100形。ドレミミファ音のインバータ車です。泉岳寺始発なので、先頭のかぶりつき席は空いてませんでしたが、その後ろからかぶりつきを楽しみます。さすがに京急快特は関東屈指の俊足ランナーとあってかぶりつく人が多いです。ファンもさることながら素人もかぶりつきにくるケースも多く、スピード狂が多いようです。品川を出るとJR各線を跨ぐ鉄橋を渡り、きついS字カーブがあるので、徐行運転が続きます。北品川を通過するところでノッチが全開に入れられ軽く加速します。もっとも鮫洲での制限があるのと同 駅での普通待避があるので、120km/hまで加速することはありません。本領を発揮するのは鮫洲を通過してから。直線が続く高架線を120km/h近い速度でかっ飛ばします。京急蒲田付近では高架工事が行われていますが、下り線はまだ地上のままです。直上高架方式で高架工事が行われているので見通しがあまりよくないところをレースでもしているかのように小気味よく走り抜けます。京急蒲田手前で先行するエアポート急行に当たったのか、YG点滅信号を見て少し減速して、一定の速度を保ちながら京急蒲田に到着しました。快特はかつては京急蒲田は通過していましたが、空港連絡強化により停車するようになりました。このため東横間(品横?)の所要時分は延びましたが、今後さらに重要度を増すことになるので、快特の停車はやむを得ないと思われます。京急蒲田を発車すると快特の走りは益々本領を発揮していきます。京急蒲田~横浜間は120km/h運転を連発する区間です。京急川崎まであっと言う間に到着します。京急の電車の加速のよさにはいつも感服する次第です。JR西日本の新快速も東京からの帰りにいつも京都から高槻まで乗るので、その速さにいつも改めて舌を巻く次第ですが、如何せん加速に関しては京急に比べて緩やかです。阪急の高速域での伸びに対しても新快速は負けているのではないかと言うほど加速度があまりよくない印象です。それでも力でねじ伏せるスピードを持っているのはやはり伝家の宝刀130km/h運転のなせる業なのでしょう。京急の場合は、最初の加速が阪神、高速域では阪急に似た伸びを見せ、阪神と阪急を合わせたような関西私鉄最強クラスの走りをする印象です。おそらく阪神も本気の走りをすれば、京急並みに走れるはずなんでしょうが、如何せんATSの頭打ち速度が106km/hという中途半端なところで設定されているのが惜しいところです。
京急川崎を過ぎるとさらに快特はスピードを上げていきます。高架線でMAXの120km/hに持っていき、高架線を下りてもまさにコーナーを攻めるレーシングカーのように高速度を保ったままカーブに進入していきます。カントの見直しなどが行われているのと線路軌間がJRよりも広い標準軌なので、乗り心地は悪くありません。加減速の揺れはあってもカーブでの揺れはJR西の新快速よりも少ないように思います。快特優先のダイヤのため、普通の待避は多く、待避時間もある程度長く取ってあるので、快特は列車密度が高い割にスムーズに走ります。YG点滅も鮫洲付近と京急蒲田付近で見られただけで、京急蒲田~横浜間ではYG点滅は見られませんでした。横浜までもあっと言う間に到着。JR東海道線も近年やる気の走りを見せるようにはなって来ていますが、JR特有の間延びした走りは速くなっても変わりません。それに比べて小気味よく加減速する京急は乗っていて非常に楽しい電車です。電車の醍醐味を味わえる感じがします。そういったことがかぶりつく人が多い要因なんでしょう。