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現在の金融恐慌に対する処方箋

2009-01-08 18:21:19 | オルタナティブ通信
現在の金融恐慌に対する処方箋



書物短評 : C.P.キンドルバーガー 「熱狂、恐慌、崩壊 金融恐慌の歴史」 日本経済新聞社


 碩学キンドルバーガーの恐慌論である。人類が過去に経験した金融恐慌の全てを網羅し、経済学の全知識を総動員し、その原因・対応策を検討している。2009年現在、人類が突入しつつある100年に1度と言われる金融恐慌への処方箋を考える上で、キンドルバーガーの研究は最も信用できる見識を持っている。

しかし、一読して、恐慌と言っても千差万別であり、定型的な決定打となる対策は存在しない事が分かる。熱があれば解熱剤、セキが出ればセキ止め、といった1つ1つの現象への個別対策の「積み重ね」しか、キンドルバーガーにして、提出出来ていない。

これは、現在までの全人類の経済学知識を総動員しても、恐慌の「真の原因」が解明出来ていない事を明確に示している。

 市場経済、貨幣と言うものの「本質的な暴力性」の爆発として恐慌が存在する事、それは経済学では分析出来ず、人類学、哲学の仕事になる事をも、本書は逆説的に示している。

この点に関しては、拙稿「厚生労働省元事務次官テロに続いて、全てのフリーターはテロに向かって激走する」を参照。

http://alternativereport1.seesaa.net/article/110375514.html
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