野球でいう”OPS"とは、出塁率と長打率とを足し合わせた値で、打撃能力を図る指標で、最近、取り上げられるようになってきました。
しかし、打撃能力以外の打者の攻撃能力としての走力能力は加味されていません。
出塁率にも長打率にも走力能力が含まれているのですが、それだけを評価出来るものがありません。
つまり、内野安打にしても2塁打や3塁打も走力能力が必要なのですが、OPSには含まれていないということです。
俊足打者の場合は、OPSではなく、走塁能力を考慮した総合攻撃指数RC27という指標があり、この方が走力を反映しやすいようです。
ということは、打者全ての攻撃面をあらわす指標は一つでは表せないようです。
出塁率と長打率の和で算出されるにしても、「長打はないが出塁率が高い」打者と「出塁率は低いが当たれば大きい」打者なのか、打者のタイプを区分出来るものでもなさそうです。
過去の水彩画
2008年作 ”カラス” 昆陽池にて F6号
OPSの数値が高い程良いのですが、メジャーでは、7 ランクに区分されています。
Aランク 0.9以上 Excellent
Bランク 0.8334~0.8999 Very Good
Cランク 0.7667~0.8333 Good
Dランク 0.7000~0.7666 Average 平均値
Eランク 0.6334~0.6999 Fair
Fランク 0.5667~0.6333 Poor
Gランク ~0.5666 Very Poor
4000打席以上 12球団時代では
1、 王 貞治 1.1044 2、 カブレラ 0.9826
3、長嶋茂雄 0.9795 4、 松井秀喜 0.9557
5、落合博満 0.9433 6、 イチロー 0.9403
7、張本 勲 0.9396 8、 小笠原道大 0.9175
9、T ローズ 0.9053 10、松中信彦 0.9051
2011年 セ・リーグ 球団別
打率 出塁率 長打率 OPS
中日 0.228 0.298 0.330 0.629
ヤクルト 0.244 0.312 0.343 0.657
巨人 0.243 0.298 0.354 0.653
阪神 0.255 0.307 0.354 0.663
広島 0.245 0.305 0.324 0.631
横浜 0.239 0.298 0.333 0.631
以上から 阪神が打率、長打率、OPSともトップ、出塁率は2位でありながら、勝率では4位という結果に終りました。
この原因は、何なんでしょうか?
数字では表せられない試合の構成、作戦、采配が微妙に絡み合っているのではないでしょうか?
この数字(個人の成績も)を読む力(読解力)が、首脳陣には要求されるのではないでしょうか?