2020年を振り返るシリーズ、5回目は山野草編です。峰の原高原では、春から秋にかけて、たくさんの山野草が咲きますが、その多くが絶滅の危機に瀕しています。最大の理由は、生息地である“草原”が激減しているからです。昔から、日本では、国土の20%くらいが草原でした。洪水や山火事、土砂崩れなどの自然災害でつくられる草原と、採草地、牧場、里山など、人為的に維持される草原があったからです。しかし、今は自然災害が抑制され、草原に経済的価値がなくなった結果、その面積がついに国土の1%を切ってしまいました。
峰の原高原は、かつて、ふもとの村々の採草地であり、その後、その一部がスキー場になったので、現在も辛うじて草原が残っています。その場所で、命を繋いでいる貴重な山野草たちです。
↑雪融け後、まだ茶色い草原で咲き始めるエンゴサク。
↑これは、ちょっと面白い写真。銅葉のヤグルマソウの間から伸びているのは、ショウジョバカマのシードヘッド。
↑アマドコロはナルコユリととてもよく似ています。
↑峰の原高原には、ベニバナイチヤクソウの国内最大級の群落があります。
↑林床でひっそりと咲くフタリシズカ。
↑本州ではこの辺りにしか生息していないカラフトイバラ。氷河期の生き残りと言われています。
↑グラデーションがきれいなクガイソウ。ベロニカの原種です。
↑イブキジャコウソウはタイムの近似種。
↑一日花のユウスゲは、初夏に咲き始めます。
↑8月下旬、草原の山野草は最盛期を迎えます。この写真には、ヤマハギ、ワレモコウ、マツムシソウ、ハンゴンソウなどが写っています。
↑マツムシソウの蜜を吸うクジャクチョウ。
↑毒草として知られるヤマトリカブト。
↑アザミによく似ていますが、これはタムラソウという花。
↑今年はあまり見かけなかったカワラナデシコ。後ろの黄色い花はアキノキリンソウ。
↑絶滅危惧種に指定されているキキョウ。NHK大河ドラマの主人公、明智光秀の家紋がキキョウです。
↑リンドウは、長野県の花に指定されています。
↑春先の若芽は食用として用いられるイタドリ。
↑シソ科の花、イヌタデ。
↑オミナエシとワレモコウの共演。
↑10月上旬の草原。ヤマハハコは、花が終わっても萼が白く残るので、とても長い間楽しめます。