【世界初の全カーボン集積回路】
ちょっとこのニュースを取り上げには遅れててしまったが、名古屋大学は量子光エレクトロニクス
研究グループが「世界初の全カーボン集積回路を開発し、加熱成形可能な電子デバイスを実現する
扉を開けた。大きくは有機エレクトロニクス領域に当たるのだが、7月26日、3g/m2と世界最軽量、
2μmと世界最薄であると同時に、くしゃくしゃに折り曲げても動作する超薄型有機LEDの開発
(東大大学院工学系研究科の染谷隆夫教授、関谷毅准教授らによるもの。オーストリアのヨハネス・
ケプラー大学のSiegfried Bauer教授、Niyazi Serdar Sariciftci 教授のグループと共同で行われた)に(
『有機薄膜エレクトロニクスとネオコン』)、あるいは、新エネルギー・産業技術総合開発機構に
よる7月23日の「電流を100倍流せる、カーボンナノチューブと銅の複合材料を開発」に続いての
成果公表だ。
この研究成果の特徴は、最近、有機材料やカーボンナノチューブを半導体層に用いた柔軟性をもつ
フレキシプルデバイスの研究が盛んに行われており、湾曲可能なディスプレイなどが開発されつつ
ある。より柔軟で究極的には伸縮も可能な電子デバイスの実現には、半導体層のみならず、電極・配
線材料や絶縁材料についても伸縮性を持たせることが不可欠、従来から用いられている金属膜や酸
化膜などの無機材料は伸縮性を持たない。この研究では、電極や配線についてもカーポンナノテュ
ーブ薄膜により形成するとともに、絶縁材料についても従来の酸化膜に代えてアクリル樹脂を用い
ることにより、透明で極めて柔軟な全カーボン集積回路を実現(上図)。今回、実現した集積回路は
リング発振器や各種論理ゲート、メモリ(SRAM)が含まれている。なお、660 nmという厚いアクリ
ル樹脂をゲート絶縁膜に用いているにもかかわらず、ナノ構造への"電界集中効果"を利用し、5Vと
いう低電圧での集積回路の動作を実現。第二に従来、フラスチック上に作製される薄膜トランジスタ
の移動度は0.01~50 cm2/Vs程度だった。以前、この研究グルーフは、長尺かつ清浄なカーボンナノ
チューブ薄膜をフラスチック上に形成する技術を開発し、600 cm2/vs を超える移動度の薄膜トランジ
スタを実現したが、カーボンナノテューブ薄膜の成膜技術について最適化を進め、移動度1,027cm2/Vs
を実現。この移動度は単結晶シリコン用いたMOSFETより高く、プラスチック基板上の薄膜トランジ
スタとしては驚異的な値となった。第三に、実現した全力ーボン集積回路において用いられた材料
はカーボンナノチューブ薄膜またはブラスチックであり、柔軟性に加えて、極めて高い伸張性を持ち、
さらに、熱成型技術により任意の形状に成型することも可能。その実証例として、ドーム形状に熱成
型し、薄膜トランジスタや集積回路の動作を確認、。ドーム形状に成型した場合、トランジスタや配
線は2軸方向に伸張されるが、CNT薄膜に亀裂や剥離などの問題は起きなかった。全力ーボン薄膜ト
ランジスタの場合、2軸方向に18%の伸張か施された場合においても正常に動作。集積回路でも7.2
%の伸張まで正常動作を確認している。
尚、試作デバイスは、ポリエチレンナフタレート樹脂フィルム上に回路を従来標準のフォトリソグラ
フィ、電子ビーム蒸着法、リフトオフ法で形成。なお、カーボンナノチューブ回路は触媒化学気相成
長法で増殖成形しソース/ドレイン電極の相互接続を転写法にて基板フィルムに移動させ、フォトリ
ソグラフィおよび酸素プラズマエッチングプロセスでパターニングしている(参照には上図クリック)。
このように、ここ数年の有機エレクトロニクス(半導体、太陽電池、発光素子)の進歩は半端じゃな
く早い。これを実用化させるためにの、プリンタブルな製造プラットフォームの構築が前提とされて
いる。これは、ナノリソグラフィ、ナノインプリント、粒子集積技術などの「ネオコーバーテック」
の骨太の事業開発の中核製造技術技術とオーバーラップする。
立山登山の帰りの土産にと、株式会社 あいば食品製の『ほたるいかピリッ辛』 を買って試食して
みる。ホタルイカ古くから食用とされ、佃煮、酢味噌和え、沖漬け、素干し、足だけを刺身にした竜
宮そうめんなどがある。古くより食されてきた食材だが、地元では決して生では食べなかった。ま
た腐敗が非常に早く進むため、冷蔵技術と高速の輸送手段が発達するまでは産地以外への輸送は困難
だったといわれていたが、ホタルの発光物質は、発光反応の全容が未解明であるが「セレンテラジン
ジサルファイト化合物(coelenterazine disulfate、二硫化セレンテラジン化合物、ルシフェリンの一種)
によると考えられている。アデノシン三リン酸(ATP)とマグネシウム(Mg)が大きく関与し「発光
反応の最適温度は、5℃でホタルイカの生息適温と対応している」などが解明されているというが、
食品としての評価はわからない(薬?毒?効能?)。世界にはホタルイカの仲間が40種類ほど生息し
ていて、日本近海では日本海全域と太平洋側の一部に分布し、特に富山県の滑川市で多く水揚げされ
る。普段は200~700mの深海に生息し。晩春から初夏までが産卵期で、一回あたり数千個から一万個
の卵を産む。交尾と産卵は同時ではないという。
それで食べてみた感想は?最大の特徴は唐辛子などの香辛料の辛さでの「ピリッ」ではなく、実はホ
タルイカの目玉が「ゴリッ」という食感が最大の特徴だ。これは世界にひとつしかない食感だ。^^;