まことに自由は貴重なものであるII非常に貴重なものである。
それゆえ配給されなければならないのである。
ニコライ・レーニン
It is true that liberty is precious, precious that it must be rationed.
シドニー・ウエフブとビアトリス・ウエッブ共著の『ソヴィエト共産主
義、新しい文明?』の中にレーニ ンの言葉として引用されている。
so・・・that~ 「ひじょうに・・・だから~」と 因果関係の相関構文。
ration は「配給する」。配給された自由という言葉はここからはじまる。
【近年の記録的高温、原因は温室効果ガス】
やっとと言うべきか、米国の科学者などが参加する研究グループが、2000年以降記録的な期間にわた
って高温が続いている原因が、ほぼ確実に人間の活動による温暖化であり、太陽の熱出量変化や火山噴火
による日光遮断など自然の変動が原因である確率はほとんどないとの研究結果を発表(The Likelihood of
Recent Record Warmth, Michael E. Mann et, al. Nature Scientific Reports 6, Article number: 19831 (2016))。
研究報告によると、最近見られる記録的な気温傾向が、人間の引き起こした温暖化なしに発生していた確
率は極端に低いと指摘。またリポートは、2000─2014年までの15年間のうち13年が記録的高
温だったとし、その確率は770分の1、人間による影響のない状態なら1万分の1と推定。国連世界気
象機関(WMO)は25日、2015年がそれまでをはるかに上回る記録的な高温だったとする英米から
のデータを確認。強いエルニーニョ現象で太平洋の海面温度が上昇し暑さが助長されていたとする。同機
関によると、エルニーニョ現象は今後数カ月で終息するが、人為的に引き起こされる気候変動は今後数十
年続くと予測している。
【再エネ百パーセント時代:米テキサス州の「太陽光百%プラン」】
日本では4月から電力小売りが全面自由化され、一般家庭の電気利用者が初めて電力を「選択」できるよ
うになる。米国では電力自由化は国レベルではなく、州レベルで決められ実行される。米国の中で最も電
力自由化が進むといわれるテキサス州で、地域の太陽光発電を百%使った地産地消を促進する電力料金プ
ランが初めて登場した(「米テキサス州の電力会社が「地元の太陽光百%プラン」 メガソーラー, 日経テ
クノロジーオンライン, Jan 27, 2016)。
テキサス州は電力の消費量が全米で最も多く、約378テラワット時――英国やスペインに匹敵――でそ
の石油・ガス火力、さらに風力発電でまかなわれる。02年に電力自由化が実施移行。従来、発電と送配
電設備を所有していた大手電力会社を分割し、発電会社と送配電会社に分離した。電力小売りの自由化が
進むなか、送配電事業は引き続き規制の下に置かれる。地域の太陽光発電を百%使った電力プランの提供
者はTXU Energy社(小売電気事業者)――発電、送配電、そして小売りを一貫して手掛ける地域独占の大
手電力会社を自由化に伴いカンパニー制に移行し、Energy Future Holding Corp.という新しいホールディン
グ・カンパニー(持ち株会社)の下に発電事業会社、送配電事業会社、小売事業会社の3社に分離――で
ある。このプランは「ソーラーアドバンテージ36」と呼ばれ、契約期間は36カ月(3年)、気になる
電気料金は、月々2千キロワット時消費する家庭の場合、1キロワット時当たり平均12.9米セント(日
本円に換算して約15.2円相当)。
因みに、米国エネルギー省(DOE)のエネルギー情報課(US Energy Information Administration)によると、
15年10月のテキサス州家庭用電気料金の平均単価は11.41米セントで、米国平均の12.73米セ
ントを下回っている。また、自由化されたテキサス州の電気料金の内訳は、主に基本料金(月額固定)と
従量制の電気利用料(料金単価×使用量)、送配電使用料金(月額固定の基本料金と従量制の使用単価か
らなる)と、税金を含む他の料金で構成。送配電使用料金に多少の変動はあるが「ソーラーアドバンテー
ジ36」は発電に関わる料金は3年間固定され、発電基本料金(月額)は9.95米ドル、発電電気料金単
価は7.9米セント/キロワット時。さらに、このプランは地元の大規模太陽光発電所から賄われ『環境価
値』の購入に関する契約を結び、太陽光発電システムを設置できないが、太陽光発電に興味のある顧客が
対象になり、このニーズに応えるだけの資源(太陽光発電)は整っている。
これに対して、日本では、経産省が「電力小売りの指針」で、太陽光電力の時間的な「移転」を認めず(
参考図)、そのため「太陽光百パーセント」と表示するには、太陽光の電力を貯めておき、夜間や雨天に
放電する蓄電池が必要となり、テキサス州が太陽光電力から「環境価値」を分離して流通させることで、
蓄電池なしでも「太陽光百パーセント」が可能になっている。
さらに、TXU Energy社は、「地元の太陽光百%プラン」以外にも太陽光発電に関連したサービスを提供。
太陽光発電システムの設置販売で、このサービスは15年11月に、米SunPower社――世界最高の変換効
率を誇ったバックコンタクト方式の太陽光パネルの製造・供給で知られる世界的メーカー――とのパート
ナーシップを組み、サービスは「SunPower社によるTXUソーラー」と呼ばれ、ダラスとフォートウォース
地域(テキサス北部)在住の特定の顧客――南か南西向きの屋根付きの一軒家を持つことが条件に提供さ
れる――にシステム購入用のファイナンスオプションも用意し、加えて、小売電気事業者ながら、太陽光
発電での余剰電力をも購入する特徴をもつ。
このケースから、電力自由化という点では、米国より遅れているようだ。
【最新ナノ電子工学 2016:最新太陽電池国内特許】
● フォトデバイス検査方法: 特開2016-007105
多接合型太陽電池のように、深さ方向において吸収波長領域が異なるフォトデバイスにおいて、各吸収波
長領域に対応した波長の励起光を照射することにより、特定の深さ部分から電磁波を発生させることがで
き、各吸収波長領域に対応した連続光の波長を照射することにで、特定の深さの部分を起電力が発生状態
を再現し、深さ方向の各部分の状態を変化させて電磁波計測を行うことで、フォトデバイスを多角的に検
査できる下図のような検査装置が新規に提案されている。
● ペロブスカイト型太陽電池の製造方法: 特開2016-009737
従来より長期安定性に、生産性にも優れたペロブスカイト型太陽電池の効果が発揮される製造方法の新規
提案――透明導電膜基板上に、電子輸送層を設けた第一電極、電子輸送層上に設けられた多孔質層、多孔
質層上に設けられたペロブスカイト化合物層、この層上に設けられたホール輸送層、ホール輸送層上に第
二電極を具備したペロブスカイト型太陽電池の製造方法―――で、ハロゲン化アルキルアミン、金属ハロ
ゲン化物の溶液を、多孔質層上にスプレーして下記一般式(1)にて表されるペロブスカイト化合物層を
多孔質層上に形成する工程を特徴とする(下図クリック)。、
XαYβMγ ・・・一般式(1)
(式中、Xはハロゲン原子、Yはアルキルアミン化合物、Mは金属を含み、α:β:γの比率が3:1:1
であり、β及びγは1より大きい整数を表す)
なお、この特許での、長期安定性の評価について表記されていないのでここはクエスチョンである。また、
前者の技術も評価実施データの記載はないが、多接合一体の型高効率太陽電池の開発研究には欠かせない
ものであろう。
昼から、好天気に恵まれ、長曽根沼地殻の荒神山の2つの小規模ソーラーパークを視察後、キャッスルロ
ードで、BGMにフランス・ギャルの「夢見るシャンソン人形」を聴きながらシックな湯飲みに点てられ
た"ほうじ茶ラテ@和結"を戴き帰ってきた。