極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

ネオシリコンワールド

2012年01月19日 | ネオコンバーテック

 





【続・
マルチエキシトンな僕たち

デジタル革命は、結局のところは、原子レベルの制御に行き着き、空間的にはナノ、
時間的には、ピコ、フェムトまで極小化させ、量子効果利用技術を発展させた。それ
が(1)量子サイズ効果であり(2)中間バンド(3)フォノン相互作用の遅延(=
キャリヤエネルギー緩和時間の増大)の3つの利用技術というわけだ。ここで登場す
るのがネオシリコンだ。言うまでもなくこれは、粒子内での電子の局在化と粒子間の
相互作用により、電子輸送、光放出、電子放出特性において、従来の単結晶やアモル
ファスを超える新物性が期待できる第3のシリコン材料と位置づけられたもので、デ
ジタルプラズマプロセスやラジカル窒化などユニークな材料制御技術により「ネオシ
リコン」の機能の明確化が進んだ(小田俊理→ナノシリコンの粒径制御は8±1nmをす
でに実現し、1,2個のドットによる単電子トンネル特性や隣接ドットによる影響を観
測、さらにプラズマパルス条件と酸化条件の最適化で、粒径3~4nm を目指す。ナノシ
リコンの周囲に形成される酸化膜からのストレス効果により酸化の自己停止機構が発
生し、ナノシリコン粒径を精度良く制御することが出来ている。ここでのネオシリコ
ンの電子輸送特性は(1)ナノシリコンの製造技術(2)ナノ電極形成技術の組み合
わせで、種々のポイントコンタクト素子の電気特性を測定し、シリコンナノ構造およ
びナノ粒子間の特異な電子現象を観測。単電子メモリ、ロジック素子回路の検討も進
め、ネオシリコンからの電子放出特性により、平坦化技術で放出効率の向上に成功)。
つまりは、ナノ結晶シリコンの粒径と粒子間隔の原子スケール制御領域を「ネオシリ
コン」と呼んでいる。
 

 

最近、物質・材料研究機構(深田直樹グループ)で、現在主流となっているシリコン
太陽電池のシリコンナノ構造体を機能的に複合化させることで、接合面積を 100倍以
上にできる新構造の太陽電池材料を開発した。シリコン材料の削減による低コスト化
と変換効率向上を両立する、これまでにない新しい太陽電池材料として、5年後に実
用化する予定だと報じられた。今回開発したシリコン太陽電池材料は、ミクロの棒の
ようなナノワイヤ型のシリコンナノ構造体を多数直立させ、剣山のような形をしてい
る(上図参照)。この構造により、発電できる面積を増やすとともに、反射を低減さ
せ、吸収効率を増大させることで、シリコン材料を平らに積み重ねる従来の同面積の
構造に比べ、発電量を増大させることができる。このことはブログでも紹介したこと
だが(『アドホックな冒険』)、その製造プロセスと効果について彼らの新規考案が
提案されている(「シリコンナノ粒子/シリコンナノワイヤ複合材料、太陽電池、発
光デバイス、及び製造法
」)。

  製造プロセス概説図

【符号の説明】1 シリコン基板 2 マスク 3 金属ドット 4 金属膜 5 シリ
コンナノワイヤ 6 シリコンナノ粒子 7 テーパー構造を有するシリコンナノワイ
ヤ8 ITO膜 9 アルミニウム膜 10 アモルファスシリコン膜

つまり、シリコンナノ粒子は発光デバイスや太陽電池への応答が期待できるが、電極
と粒子間のキャリア注入効率/輸送効率が悪いため、この種のデバイス動作の効率を
上げることができなかったが上図のに示すように、基板上に立設されたシリコンナノ
ワイヤの周囲をシリコンナノ粒子で覆った新規な複合材料を提供することによって、
シリコンナノ粒子との間のキャリア注入効率/輸送効率を向上させることができるよ
うになる。その成立条件は(1)シリコンナノワイヤの周囲をシリコンナノ粒子で覆
ったシリコンナノ粒子/シリコンナノワイヤ複合材料(2)シリコンナノワイヤはシ
リコン基板上に立設(3)シリコン基板から成長したもので、(3)ボロン、リンな
どの不純物がドーピングされ(4)ワイヤの直径が5~100nmで、長さが1μm~50μm
であっても(5)ワイヤ同士の間隔が20~200nmであって(6)テーパー構造を有し、
(7)また、シリコンナノ粒子はボロン、リンなどの不純物がドーピングされて(8)
直径は1.5~3.0nmの範囲でつくられる。

 
図 疑似太陽光(AM1.5G)照射前後の短絡電流-開放電圧特性

上図のような高い変換効率は、シリコンナノワイヤの周囲にシリコンナノ粒子が密集
して一様に付着した新規機能性複合材料を利用することで初めて得られるもので、全
太陽光を無駄なく効果的に吸収させるシリコンナノ粒子の使用とシリコンナノ粒子内
で発生したキャリアがp型/n型シリコンナノワイヤを経由して両電極に効率よく伝
達されることで可能になるという。この分野の競合は苛烈となりそうだが、ここで勝
ち抜くことが世界の平和に貢献すると大仰だがそう思っている。



話は飛んで塩麹、神田明神、日本の発酵工学のはなし。この分野も世界に貢献できる
と踏んでいたが。これまでまとまって考えたことがなかったが、どっかでまとめにゃ
らと思っている。これも時間軸を考慮すると「発酵工学と世界貢献」に絞り込んでま
たブログ掲載してみよう。




【イタリア版食いしん坊万歳:タラの煮込みトマトト味、ナポリ風】

  Baccala in umido al pomodoro,alla napoletana

具材:水に浸けて柔らかくしたタラ:2kg、トマト 800g、黒オリーブ 180g、干し
ブドウ 60g、松の実 60g、ケッパー 40g、
ニンニク3片、揚げ用のオリーブ油、塩、
コショウ、小麦粉

作り方:この料理は伝統的なナポリ料理の中のタラ料理の一品。干しダラを3日間水
に浸けて柔らかくするが、流水につけるか、時折、冷水を取り換えると一層よい。次
に皮と骨を取りきれいにする。1切れ50gぐらいの大きさに切り、水気もよく切り小
麦粉をまぶし、たっぶりのオリーブ油を高温に熱して揚げる。その間にオリーブ油大
さじ4杯をキャセロール鍋で熟し、薄く切ったニンニク(または、そのままを潰した
もの。これはあとで取り出す)を炒め、そこに少しずつ裏ごししたトマト(または湯
かきして手で細かく潰したもの)、種を取り小さく切った黒オリーブ、ケッパー(小
さくなければみじん切り)、松の実、干しブドウ(ぬるま湯でもどす)、そこにコシ
ョウ、塩ひとつまみを入れてソースを作る。適当な大きさのパイ皿(オーブン皿)に
タラを並べ、ソースをかけてオーブンに入れる。

 

折角のクルージングもできの悪い船長のお陰でイメージダウンは避けられないこの間
の座礁事故だ。過剰サービス精神は単なる金儲け主義(=生活の安直化)のコインの
裏表ではないか。そんことを考えながら、料理も気持ちが入っていなければ直ぐバレ
てしまうねと台所に立つきみのうなじに接吻している。



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