極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

平和ぼけを考える。

2021年04月19日 | 時事書評



彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救っ
たと伝えられる "招き猫”と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え
(戦国時代の軍団編成の一種で、あらゆる武具を朱塗りにした部隊編
成のこと)の兜(かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ。

 

                                     

17 陽 貨  よ う か
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「性、相近し、習、相達し」(2)
「鶏を割くにいずくんぞ牛刀を用いん」(4)
「道に聴きて塗に説くは、徳をこれ棄つるなり」(14)
「ただ、女子と小人とは養い難しとなす」(25)
「年四十にして悪まるるは、それ終わらんのみ」(26)
--------------------------------------------------------------
14 ききかじったことを右から左へ受け売りして得意がる。これで
は徳は身につかない。(孔子)

★「道聴塗説どうちょうとせつ」という成語は、ここから出たものである。

子日、道徳而塗説、徳之棄也。
子曰く、道に聴きて塗に説くは、徳をこれ棄つるなり。
Confucius said, "If you teach something to others before you
understand it, you will spoil your virtue."



 

【男子厨房の世界:俵おにぎり型枠考】
1.「瓶詰グルメの世界」&「再現ふりかけの世界」
2.「グリーンガーリックのキシュの世界」
男子厨房に立つ。といっても息子二人とも自炊、料理はできる。「継
続は力なり!」であるが、やりはじめると、アイデアがニュートリノ
に降り注ぐではないか。例えば百均の俵おにぎりの型枠ごそれである。
中を中空にし、自由におかずが詰められるようできる。それこそ、「
マッコの知らない世界」ではないが、「いぶりがっことチーズのオイ
ル漬」をはじめとして国内は「ご飯のお供」があふれている。中国産
などの得体の知れない輸入品にたよることはない。米あまり日本だ。
輸出で儲けたいけたい人は世界各国の消費地で製造・販売すればいい
だけだ。しかも「フードロス」「ゼロウエスト」「ベストヘルスフー
ド「地産地消」「RE100」「サーキュラルエコノミー」「カーボン
ニュートラル」「ローカルSDGs」とカタカナ事業のオン・パレード
である。

 

 
 

ちょっとお値段高めになるもしれないが、品質主義のポスト・ケイン
ズ環境派政策推進で実現できるだろうと楽観 ^^;。

  

【ポストエネルギー革命序論 281:アフターコロナ時代 91】
現代社会のリスク、エネルギー以外も「分散の時代」

 

● 環境リスク本位制時代を切り開く

環境にやさしいエネルギーの実現は、経済成長と環境や健康面への配
慮を両立させる社会につなげる。発電やエネルギー創出時の環境への
影響は、大気汚染などの健康被害にもつながり、また人命にかかわる
気候変動の要因にもなる。候変動を2℃以内に抑えるため、2040年ま
でに再生可能エネルギーを全体の6割にしつつ炭素回収・貯蔵(CCS)
技術で全体の6%を回収しなければならないという調査結果もあり、
エネルギーの創出だけでなく、つくられたエネルギーを蓄電する技術
や、回収・貯蔵技術も関わる。現在、再生可能エネルギーを効率的に
使用する蓄電技術の実用化や、有機薄膜太陽電池開発など、従来のエ
ネルギー創出とは違ったアプローチで環境・健康面に配慮したエネル
ギー創出が世界で進んでいる。





 世界の新規コロナ感染、週間ベースで最多更新

世界で過去1週間に新型コロナウイルスに新たに感染した人は520万
人を超えた。コロナのパンデミック(世界的大流行)が始まって以降
では週間ベースで最多となった。対応が不十分な国の多くで感染が加
している。(世界の新規コロナ感染、週間ベースで最多更新-途上国
中心に急増、Bloomberg、2021.4.19)

米国は感染抑制を目指しワクチン接種を進めているが、数日前には世
界のコロナ死者数が300万人を突破するなど懸念される傾向が見られ
ている。米ジョンズ・ホプキンズ大学のデータによれば、感染件数は
前の週と比べて12%増加。パンデミックの終わりが見えてきたとの希
望に疑問を投げ掛けている。従来の週間ベースの最多は昨年12月半ば
に記録していた。米英などでは感染率が鈍化しているが、途上国の間
ではインドやブラジルを中心に急増している。世界の死者数の増加も
再び勢いづいている。過去1週間の1日当たりの死者数は平均で約1
万2000人と、3月14日終了週の8600人余りを上回った。

 WHO「1週間当たりの新規感染者数が過去最多に」対策呼びかける

世界保健機関は、世界の新型コロナウイルスの1週間当たりの新たな
感染者が8週連続で増加し、520万人を超えてこれまでで最も多くなっ
たことを明らかにし、感染リスクを減らすため、各国にさらなる対策
を呼びかけた。
WHOのテドロス事務局長は19日の定例の記者会見で、1週間当たりの世
界の新たな感染者について「8週連続で増えて520万人を超え、これま
でで最も多くなった」と述べた。また、死者の数についても9か月で
100万人だったのが、その後は、4か月で200万人、3か月で300万人に
まで増え、増加のペースが急速なことに懸念を示す。テドロス事務局
長は、25歳から59歳までの比較的若い年齢層で感染や重症化するケー
スが世界的に増えているとしたうえで、背景には変異ウイルスの広が
りや、対面での接触が増えてきていることなどがあげられるとしてい
ます。新型コロナウイルス対策の技術責任者を務めるバンケルコフ氏
は、人ごみを避けるなどの感染対策が引き続き重要だとしたうえで、
「各国の政府は在宅勤務をサポートし、人々が自宅にとどまることが
できるようにする必要がある」と述べ、感染リスクを減らすため、各
国にさらなる対策を呼びかけた。

【ウイルス解体新書  ⑬】

          

第1章 ウイルスの現象学
第4節 研究手段の変遷
すでに述べたように、ウイルスの存在は病気を目印として見出されて
きた。だが、病気があるからと言って、ウイルスの存在が容易に確認
できたわけではなかった。むしろ、感染症研究の歴史において人類が
ウイルスの存在を知ったのは、ついこの間と言ってもよいと山内氏は
表現する。
ジェンナーが種痘を最初に試みたのは、1796年である。当時、ウイル
スの概念はまだ生まれていなかったが、伝染性の病原体が存在するこ
とははっきり認識されていた。約90年後、パスツールは狂犬病のワク
チンを間発したが、その頃は「細菌の狩人の時代」であり、やはりそ
の正体はわかっていなかった。
Edward Jenner
だが、ウイルスの存在を知らずとも、ジェンナーの天然痘ワクチンや
パスツールの狂犬病ワクチンはつい最近まで世界中で使用され、天然
痘や狂犬病から人類を守っいる。細菌感染が疑われる病気では、細菌
を寒天培養基の中で純粋に培養し、そこから得られた細菌が実際に実
験動物で同じ病気を起こすことを証明するという方法で原因解明が行
われてきた。細菌学から出発したウイルス学の領域でも、原因ウイル
スの分離が19世紀末から始まった。最初にウイルスの分離に成功した
のは、ウシの口蹄疫という病気である(前述参照)。
病気の水疱から採取した液体を健康な子ウシに接種すると口蹄疫に特
徴的な皮膚の病変が数日で出現することから、病原体(ウイルス)の
存在が初めて確認。自然宿主の動物を用いたこと、感染後、数日とい
う短期間に起こる急性伝染病であったことが、分離に成功した要因で
ある。その後、数多くのウイルスが分離されたが、そのほとんどは重
症の、しかも急性に経過する伝染病においてであった。最初はマウス
やモルモットなどの実験動物に、患者または発病した家畜などからの
材料を接種し病気を再現することで、ウイルスの分離は確認された。
つまり、動物の発病がウイルスの存在の指標となる。見方を変えれば、
ウイルス分離の試みは、ウイルスを増殖させる手段の開発そのもので
ある。自然宿主でしか増えないウイルスを実験室で扱えるよう飼いな
らす試みであり。その開発----それは、自然宿主でしか増えないウイ
ルスを実験室で扱えるよう飼いならす試み----でもある。☈
--------------------------------------------------------------


図1 十数日齢の正常な成育をした場合の有精卵の構造を説明する模
式図と有精卵の非破壊検査装置の一実施例の概略構成を示す模式図

【概要】有精卵の生死およびその発育状態を、非破壊にて、検査員の
判断基準により近く、かつ、確実に判定すること。有精卵内部に光を
照射して卵内部のカラー画像撮像し、検査領域内の、血管の有無、
太さ、分布状態などの血管情報内部色情報などを計測し、あるいは
気室境界付近濃度分布情報に基づいて、気室から胎児にかけての
度変化
を計測することにより気室境界付近の濃度分布情報を計測し、
それに基づいて正常卵などを判定する有精卵の検査法または装置。好
ましくはL*a*b*表色系の色情報に基づいて卵殻斑点状の模様
を除去した後実施する。撮像方向を90度づつ変更して撮像する。
光性
を有する構造内に有精卵を配置しカラーCCDカメラで撮像する。 

--------------------------------------------------------------
☈ウイルスの研究は、動物で始まったが数多くの動物を用いることは
困難で、①動物ウイルスに対する感受性に個体差がある、②ウイルス
によりすでに感染(抗体を持っており、症状を示さない)動物も混じ
る場合があり実験成績は不安定だった。この欠点を補うものとして登
場したが、③動物の代わりに孵化鶏卵を用いる方法----1931年に、米
国のウッドラフとグッドパスチャーにより発表され、その後、ウイル
ス研究の重要な手段となる。彼らが用いた鶏痘ウイルスは、ヒトの天
然痘ウイルスに相当するニワトリのウイルス。ニワトリの卵は21日で
孵化するが、その途中、12日前後になると、卵の殼の膜の下に漿尿膜
がはっきりしてくる。これはニワトリ胎児(胚)を包む膜で、血管に
富んだ組織である(図1参照)。この膜の上に鶏痘ウイルスを加える
と2~3日でウイルス感染した場所の組織が増殖したウイルスの作用
で盛り上がり、斑点として見えてくる。

この斑点の数は接種材料の中に含まれるウイルスの量を反映している。
こうして、それまでは実験動物を使って行っていたウイルス研究に、
卵という単純な宿主が利用できるようになった。孵化鶏卵を用いる方
法は、その後いろいろと改善され、多くのウイルスで利用されるよう
になった。現在でもインフルエンザウイルスの分離やインフルエンザ
ワクチンの製造には、孵化鶏卵が用いられている、内山氏が北里研究
所に入って最初に行ったのは天然痘ワクチンの耐熱性の改善であった。
そしてそれと並行して、耐熱性の鶏痘ワクチンの開発研究も行った。
そこでは、この孵化鶏卵が重要な実験手段であった。なおこの孵化鶏
卵の方法はウイルス研究には非常に役立ったが、あまりにも便利であ
ったため、ウイルス増殖をほかの組織で試みる努力がなされず、その
ために培養細胞の実験系が生まれるのが遅れたともみなされている。

        
John Franklin Enders

培養細胞でのウイルス研究の造を開いたのは、米国のジョン・エンダ
ースである。1949年、彼はヒトの胎児の腎臓などの細胞培養でポリオ
ウイルスを増殖させることに成功し、ウイルス感染細胞の破壊を指標
として、ウイルスの量の測定が可能であると発表した。
続いて1954年には、同じ方法で麻疹患者から麻疹ウイルスを分離。エ
ンダースが分離した麻疹ウイルスがもとになって、その数年後、麻疹
ワクチンが開発された。エンダースは、組織培養によるポリオウイル
スの研究に対して、1954年にノーベル賞が与えられた。ここで初めて、
動物や孵化鶏卵ではなく、試験管内の培養細胞でウイルスを研究でき
るようになった一方、細菌を宿主とするウイルス(バクテリオファー
ジ。通常ファ-ジと呼ばれる)の定量法はすでに開発され、広く利用
されていた。ファトシは細菌を破使千るため、全面に細凶が増殖して
いるシャーレにファージのサンプルを接種すると、ファージの増えた
部分では細菌が破壊されて穴(プラーク)があく。このプラークの数
から、バクテリオファージの量を測定するという方法であった。

ウイルスを定量的に取り扱うという点では、ファージの分野のほうが
先行していたのである。この方法を、ダルベッコが培養細胞でのウイ
ルス感染に応用して、ウイルスの細胞破壊による細胞の穴(プラーク)
の数からウイルスを定量する方法を間発し、1992年に発表した。動物
や孵化鶏卵でのウイルスの量の測定に苦労していた私たちにとって、
この方法はまさに夢のような話であった。61年に米国カリフォルニア
大学に留学してからは、私自身もこの方法を用いるようになった。

動物から孵化鶏卵、そして培養細胞へとウイルス研究の舞台は変化し
ていったが、いずれにしてもウイルスの存在が細胞破壊の有無から、
すなわち細胞病原性の有無から推定されてきた点では共通している。
ウイルスの存在の確認やウイルスの量の測定など、ウイルスのいろい
ろな性状の研究はすべて、動物での病原性や細胞での病原性を目印に
行われてきたのである。細菌よりも小さなウイルス粒子を見るには、
電子顕微鏡で数万倍に拡大しなければならず、しかもウイルス粒子だ
けを精製するには繁雑な操作が必要とされる。そのため、電子顕微鏡
はウイルス粒子の形を調べる目的でもっぱら用いられ、ウイルスの量
の測定などには用いることはできなかった。ウイルスの研究は、ウイ
ルスが動物や細胞に病気を引き起こす能力という間接的な目印によっ
て行われてきたのである。ウイルス研究の手段は大きく進歩したが、
ウイルスそのものではなく、ウイルスの病気を起こす能力、すなわち
生物活性を目印として、間接的にウイルスの存在を理解してきたと言
え、1970年代前半に登場した組換えDNA技術によって、ウイルスの
いわば化学構造式とも言える遺伝子配列がわかるようになり、さらに
遺伝子配列からタンパク質構造も推定できるようになった。

物質としてのウイルスの性状の研究が進み始め、それまで病原性(生
物活性)が中心であったウイルス研究は、核酸やタンパク質といった
物質を中心とした内容へと変わっていった。21世紀に入ると、次世
代シークエンサーが広く用いられるようになり、ウイルスのゲノム(
全遺伝情報)が短期間でわかるようになった。ウイルス学の新しい時
代が始まったと言えよう。突然出現したウイルスの場合、新たなウイ
ルスであることを確認し、ウイルスを分離、解析する、というウイル
ス研究の過程を急いでたどる必要がある。数々の新型ウイルスに対し
て、人類がどう対応してきたかを考察する。



第5節 新型コロナワクチン接種後の奇妙な血栓症
ワクチンについては後ほど取り上げるとして、新型コロナワクチン接
種後の奇妙な血栓症新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミ
ックを抑えるためには世界中の人々がワクチンを接種は書かせないが、
一部の国では本格的に国民へのワクチン接種が進められている。とこ
ろが、現在、アストラゼネカ製のワクチンを接種した後に血栓ができ
るという副作用が疑われ、ワクチンと血栓の関連性について調査を進
めている。
EUでは多くの国が一時的に接種を中断しています。世界保健機関(WHO)
は2021年3月17日の声明で「現時点では、WHOはアストラゼネカ製ワク
チンの利点はリスクを上回っていると考えているが、予防接種の継続
を推奨していると述べ、アストラゼネカ製ワクチンの利用継続を要請
していいるが、その後もアストラゼネカ製ワクチンへの懸念は消え去
っておらず、イギリスでは17歳以下を対象にした臨床試験が停止され
たほか、4月にはデンマークが接種を完全に中止。現在、アストラゼ
ネカ製ワクチンが血栓症を引き起こすメカニズムとの関係を調査研究
中である。

欧州医薬品庁(EMA)は数週間のわたる調査の後、 4月7日に「アストラ
ゼネカ製ワクチンと血栓が関連している可能性がある」と発表。また、
医学誌のニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシンには、
アストラゼネカ製ワクチンと血栓症について調査した複数の研究が掲
載されています。アストラゼネカ製ワクチンとの関連が疑われる血栓
症は非常にまれな事例であり、EMAはレポートの中で「COVID-19の 予
防におけるワクチンの全体的な利点は副作用のリスクを上回ると公表
している。また、ウィーン医科大学の血液学者のSabine Eichinger氏
は、仮説は存在します。ウイルスベクター(遺伝物質を細胞に送るた
めのツール。ウイルスベクターにはレトロウイルス、レンチウイルス、
アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス、および単純ヘルペスウイルス
など複数の種類があり、細胞の遺伝子構造に核酸を送達に使用される)、
ワクチンの添加物か、製造プロセスの何かしらが原因なのかわかって
いないと説明。

また、 Eichinger氏は、アストラゼネカ製ワクチンの接種後に発生す
る血栓症において、血液を凝固させる血小板が減少する一方で血小板
を活性化させる抗体が生成されて血液凝固が促される」という奇妙な
現象が見られることや、一般的に血栓ができやすい足ではなく脳や腹
部にも血栓が現れることに気付きました。これは、抗凝血薬であるヘ
パリン(heparin) ----抗凝固薬の一つであり、血栓塞栓症播種性血
管内凝固症候群
(DIC) の治療、人工透析体外循環での凝固防止など
に用いる----を投与された人がまれに発症する「ヘパリン起因性血小
板減少症(HIT)」と類似している。

さらに、 Eichinger氏は、アストラゼネカ製ワクチンの接種後に発生
する血栓症において、「血液を凝固させる血小板が減少する一方で血
小板を活性化させる抗体が生成されて血液凝固が促される」という奇
妙な現象が見られることや、一般的に血栓ができやすい足ではなく脳
や腹部にも血栓が現れることに気付きました。これは、抗凝血薬であ
るヘパリンを投与された人がまれに発症する「ヘパリン起因性血小板
減少症(HIT)」と類似しているという。

ところで、EMAが 収集したアストラゼネカ製ワクチンの接種後に血栓
症を発症した人々の事例の中には、ヘパリンを投与されていないのに
HITと同じ特徴を持つものがあった。EMAはアストラゼネカに対し、血
液凝固に対するワクチンの効果を測定する実験や臨床試験からのデー
タを評価し、血栓症の危険因子に関する追加の情報収集している。ア
ストラゼネカ製ワクチンの接種後に起きる血栓症は男性よりも女性に
多いのは、医療従事者に対して優先的にワクチンを接種するという方
針を採用しているため、アストラゼネカ製ワクチンの接種を受けた人
には男性より女性が多く含まれていることによると言う。
ワクチン接種に伴う血栓症について調べるため、EMAはオランダのエ
ラスムス・ロッテルダム大学やユトレヒト大学が主導する学術コンソ
ーシアムを支援しています。コンソーシアムのプロジェクトでは、ア
ストラゼネカ製ワクチンの接種後に血栓ができた人々の潜在的な症例
を探すほか、ワクチンの投与量と血栓症のリスクについて調べる実験
なども実施する予定。そこで、van Gorp氏の研究チームが重大な焦点
としているのが、アストラゼネカ製ワクチンと血栓症の関連が本当に
存在するのかどうかである。すでに大勢の人々がワクチン接種を行っ
ているため、ワクチンの副作用と疑われている事象が本当にワクチン
によって引き起こされたのかどうかを確かめるのは非常に難しい課題
であるという。

また、ボストン州のブリガム・アンド・ウィメンズ病院の心臓専門医
であるBehnood Bikdeli氏は、「データを収集する中で血栓症について
戒するのはいいこが、問題事例の絶対数や発生率は驚くほど低いと解
説。ワクチンと血栓症についての関連性が取り沙汰されるにつれ、ワ
クチン接種を受けていない人と比較してワクチン接種を受けた人の報
告率が高くなり、結果として全体的な発症率を見誤る可能性もあると
指摘する。さらに、カナダ・マックマスター大学の 血液学者の John
Kelton-氏は、HITにおける血小板の活性化は連鎖的で血小板が活性化
は火口にマッチを置くようなもの、より多くの血小板を動員し、活性
化されると爆発して血栓を生成する。HITは山火事のようなものであり、
自己永続化する。過去には、病原体の感染や膝の手術、ヘパリンと類
似した薬剤による治療など、非常にまれであるもののヘパリン治療を
行っていない患者で HITが発症する事例も報告されている。同研究チ
ームは、ワクチン接種者の体で HITに似た症状を引き起こす要因特定
に取り組んでおり、患者のサンプル数が少なく、優れた動物モデルも
ないが研究が難しいものの、免疫系と血液凝固との関係はワクチン開
発につながる。新型コロナウイルスの変異株を入手し、新たなワクチ
ンを開発なる。最も広く接種が行われているファイザーやモデルナ製
のワクチンは人工的に複製したmRNAを用いる「mRNAワクチン」だがが、
アストラゼネカ製ワクチンは人体に無害な改変ウイルス(ベクターウイ
ルス) を使って新型コロナウイルスの遺伝子を送達するベクターウイ
ルスワクチン。アストラゼネカ製ワクチンと同様にベクターウイルス
ワクチンであるジョンソン・エンド・ジョンソン製ワクチンも、接種
後に血栓症となった事例が複数確認されており、アメリカ当局はジョ
ンソン・エンド・ジョンソン製ワクチンの接種を一時停止するように
勧告している。(新型コロナワクチンの接種後に報告される奇妙な血
栓症に対する専門家の意見は?、GIGAZINE、2021.4.20.7:00)

注.アストラゼネカ製のワクチン:アストラゼネカ製は遺伝子組み換
え技術を使う。弱毒化したチンパンジーの風邪のウイルスに、新型コ
ロナウイルスの遺伝情報を組み込んでつくる。ファイザー製とモデル
ナ製は、大規模な臨床試験(治験)で発症を防ぐ効果はいずれも90%
を超えた一方、アストラゼネカ製は平均70%と報告された。治験で示
された効果は他のワクチンにやや劣るが、アストラゼネカ製の強みは
扱いやすさと価格にある。壊れやすい RNAを使うファイザー製とモデ
ルナ製は超低温での輸送・保管が必要になるが、アストラゼネカ製は
2~8℃と普通の冷蔵庫の温度でよい。1回あたりの価格は約3ポン
ド(約 450円)で、ファイザー製やモデルナ製の10分の1から数分
の1程度とされる。
【関連資料】
①How could a COVID vaccine cause blood clots? Scientists race
 to investigate
②WHOがアストラゼネカ製ワクチンの利用継続を各国に要請、「メリッ
 トがリスクを上回る」と指摘、GIGAZINE
③米 J&Jワクチン接種の一時停止求める “血栓症”の複数報告で、
 新型コロナ ワクチン(世界)、NHKニュース

注.ヘパリンの作用機序:アンチトロンビンを活性化し、抗凝血作用
能の賦活を通して凝固系を抑制する(APTTを延長する)。アンチトロ
ンビンIIIはトロンビン、第Xa因子(第X因子の活性型)およびその他
のセリンプロテアーゼを、その活性セリン部位と結合することで阻害
する。ヘパリンはこのアンチトロンビンⅢと結合し、構造を変化させ
て阻害作用を活性化する。トロンビンはヘパリン-
アンチトロンビン
Ⅲ複合体に対し、第Xa因子よりも高い親和性を有する。トロンビンの
阻害には、アンチトロンビンⅢおよびトロンビンの両分子がヘパリン
に結合している必要があるが、第Xa因子の阻害では、ヘパリンと第Xa
因子の結合は必要でなく、ヘパリンとアンチトロンビンⅢの結合だけ
でよい。低分子量ヘパリン (LMWH, Low Molecular Weight Heparin)
は出血の副作用が少なく、近年使用頻度が増えてきている。低分子量
ヘパリンは、糖鎖が短いためアンチトロンビンⅢとは結合できるが、
トロンビンとは結合できないことから、トロンビンの作用を阻害せず、
アンチトロンビンⅢとヘパリンの結合のみでよい第Xa因子の作用は阻
害する。(出典:Wikipedia.jp)
「何故、血栓が生じるのか」は重要なテーマ。最新情報が入り次第、
掲載する。

                         この項つづく


風蕭々と碧い時代:

● 今夜の寸評:平和ぼけを考える。
平和ぼけ(自己愛)は惰眠ではない、未来を開拓する(隣人愛)大切
な経験となる。





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