Shutaro Noguchi "LOVE SUPER TERRANEAN"
Feeding Tube Records LP:FTR381
1. African Flower
2. Midnight Sun
3. Snowman "H"
4. Fowl Parade
Chris MartiAn-drums
Axel Cooper-bass
Hank Paradis-rhodes/moog/novation
Dane Waters-additional voice/vocal
Leigh Viner-flute
Shutaro Noguchi-vocal/guitar/bass/rhodes/arturia
recorded by Jim Marlowe / Shutaro Noguchi
mixed by Shutaro Noguchi
mastered by Carl Saff
artwork by Kenichiro Nagao
ケンタッキーに海はないが、地球の愛は届くはず。
ケンタッキー州ルイビル在住の日本人男性ヴォーカリスト/ギタリストShutaro Noguchi(のぐちしゅうたろう)のソロ・アルバム。千葉県出身、高校卒業後渡米し、アラバマ州マッスル・ショールズの大学で学んだ後2010年にルイビルへ移り音楽活動を続けている。地元のバンドやソロで活動し、2014年にソロ・アルバム『sun sai gai 2』、2016年『Back of The Horse EP』(Cassette)、2017年『AFRICAN FLOWER / RIVER DAGGER』(Split Cassette)等をリリース。2018年6月29日にマサチューセッツのFeeding Tube Recordsからリリースしたソロ・アルバムが本作である。全曲Noguchiの日本語オリジナル曲で、ルイビルのミュージシャンからなるバンド編成で2015〜2017年にレコーディングされた。漫画家・長尾謙一郎によるジャケットにアメリカっぽさは余り感じられないが、内容はアメリカに60年代から継承されるアシッド/サイケデリック・ロックの渇いた空気に日本的な情感の雨が水蒸気となって立ち上る独特の浮遊感が印象的。
A1『アフリカの花』:静寂な演奏が徐々に熱を帯び、サイケデリック・ギターの嵐へと至るドラマティックな長尺チューン。A2『ミッドナイト・サン』:フルートと幻想的なコーラスが印象的なアップテンポのインストナンバー。レトロなシンセサイザーが近未来SF映画のサントラを思わせる。終盤のアコースティック・ギターがとてもロマンチック。
B1『スノーマン「H」』:リリカルな弾き語りで幕を開け、ドライヴするバンドサウンドに発展する。優しい歌声は彼の人柄を反映している。
B2『フォウル・パレード』:ベーシストのアクセル・クーパーとの共作ナンバー。スローバラードがテンポチェンジしたあとの80年代風のシンセサイザーのリフが面白い。
注:Noguchi氏からの指摘でB1,2のコーラスはデイン・ウォーターズではなくNoguchi氏本人の声であるとのこと。ウォーターズはA1,2のみに参加している。【2018.7.8 9:46加筆】
全体を通してちょっと懐かしい日常風景と心象を綴ったパーソナルな歌詞が自然に響く風通しのいいアシッド風味が心地よい。レーベルの解説には「PSFのサイケ・コンピレーション(『Tokyo Flashback』)を思わせる」と書いてある。筆者が知ったのは、今年6月のシンシナティでのNo Response Festivalの主催者からの紹介だったが、過去のライヴ歴を見ると2014年に来日し、 スズキジュンゾ、秋山徹次、ヒゴヒロシ等と共演している。アメリカに住むNoguchiの心のルーツは日本の地下音楽にあるに違いない。
限定250枚だがP-Vineが輸入しているらしいので日本で購入可能と思われる。
Official Site
bandcamp
アメリカの
風に吹かれて
サイケデリック
Shutaro Noguchi (03/18/16) II