A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

4-D mode1@高円寺HIGH 2012.9.15 (sat)

2012年09月17日 00時31分44秒 | 素晴らしき変態音楽


<~4-D mode1 presents 30th Anniversary Konnektion~>
“Der Karneval der Nacht(夜のカーニバル)vol.3″
New Album Release Party!!

1980年代初頭に関西から登場したテクノポップ・ユニット4-D。当時はEP-4、Be-2、EVA-1、D-Dayなどローマ字・数字の名前のバンドがいくつかおり紛らわしかったが、4-Dはソノシートをレコード店やライヴハウス、ブティックなどで無料配布するという戦略で知られていた。全部で8枚あるらしいが私は1枚だけフリーペーパーの付録で入手したのみである。当時はインターネットやSNSがないので、配布状況の情報がなく、どこで手に入るのかわからなかった。音はEP-4に似たエレクトロ・ファンクだった。何となく孤立した存在で他のバンドとの交流は余りなく関西を中心に独自の活動をしていた記憶がある。1985年解散直前にテレグラフから透明セルロイドの特殊ジャケットのLPをリリースした。

このブログで「Vanity Records特集」をしたとき4-Dの情報にもアクセスした。2004年に20年ぶりに小西健司氏、横川理彦氏、成田忍氏の3人のオリジナル・メンバーで再結成して新作もリリースしている。 横川氏は2006年7月に灰野さんとの共演を観たがヴァイオリン中心のドローンっぽい演奏だったと記録にある。横川氏と小西氏はP-Modelに参加したので、テクポップ・ファンに名を知られているようだ。再結成に合わせて「Die Rekonstruktion」という80年代全音源のコンピレーションCDがリリースされている。再結成および新作リリースは一部のメディア/ファンの間では話題になったようでネット上にいくつかニュースやインタビューが上がっている。再結成時の小西氏のインタビューが判りやすい。



友人から今回の4-Dのデビュー30周年記念ライヴの誘いがあり、初めて彼らのステージを観に行った。私の中ではEP-4やタコに比べてミステリアスでマニアックなバンドというイメージがあったので、どんな客層なのか興味があった。7割くらいの入り。同世代の懐かし系ファンと若いファンと半々。女性の姿が多いのが意外だった。

左から横川氏、小西氏、成田氏。ゲスト・ドラマーはイトケン氏。ステージ上のスクリーンにはニューアルバム「in -胤-」のロゴが映写されている。開演時間になると幾何学模様の映像とエレクトロ音響が流れ、4-Dワールドの始まりだ。メンバーは皆50代半ばだが現役バリバリの存在感がある。デジタル・ビートとシンセ音が鳴り響く。特にヒット曲がある訳ではないので、コンピCDではどの曲も同じように聴こえたが、ライヴで観るとかなりヴァラエティ豊かなサウンドでロックのグルーヴがあり身体が反応する。特に横川氏はヴァイオリン、シンセ、ヴォーカルと大活躍。新作からのナンバーではゲスト参加したドイツ系アメリカ人女性シンガー、サブリナ嬢が2曲参加。モヒカン頭に革ジャンのパンクなファッションでエンヤのような澄んだ歌声を聴かせるのが面白かった。

演奏が進むにつれ観客もヒートアップし、両手を振り上げダンス大会、黄色い歓声が上がる。小西氏は年の1/3はドイツに住んでおり、新作にはドイツでヴォーカルをレコーディングした曲もあるらしい。終盤には横川氏がノリまくりペットボトルの水を会場に巻き散らす。観客ばかりかPAや物販商品にも水がかかり被害を与え、アンコールのMCで横川氏は「スミマセンでした」と謝り、反省のために自ら頭から水を被っていた。2度のアンコールを含め100分に亘る演奏。彼らは10月に関西ツアーをし、年末の高円寺HIGHのカウントダウン・イベントに出演が決定した。



[9/17追記:4-D official siteより]
<Set List>
登場 胤~HeyHeyYo
1、konversation analyse
2、ヒメノカリス
--MC--
3、Big house
4、何かインプロ92bpmスタート
5、Requiem (+サブリナ)
-MC-- 
6、Totentanz (+サブリナ)
7、Dysfunktion
8、ADP(成田バージョン)
--MC--
9、Kudan
10、-17℃
11、shaku
12、Angerstrasse
***************
Encore
13、Very

Encore2
14、ADP(小西バージョン)

会場には80年代の同期のバンド仲間の姿も多く見られ、ちょっとした80'sニューウェイヴ同窓会的なニュアンスもあった。

デビュー当時からジャケット・アートワークに拘りのあった彼らは再結成後リリースのCDはさらに輪をかけて凝りまくっている。六角型だったり、穴あき紙ジャケだったり、新作「in -胤-」も「KATANAジャケット仕様」と称した歪み菱形にカラー歌詞カード3枚封入の豪華版。写真では判らないが上下で厚さが違うという凝り様。音の方も最新テクノロジーを活かした進化型エレポップが素晴らしい。


若手バンドの
リスペクト
4-Dはテクノの王者

mode1が本体だが昔のようにmode0、mode2など別ユニットでの活動も期待したい。

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3 コメント

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Unknown (一読者)
2012-09-17 21:12:32
まさか、このブログで4-Dの名前を目にするとは思いませんでした! レポート、感謝いたします。

が、当時を知る者として、

>何となく孤立した存在で他のバンドとの交流は余りなく関西を中心に独自の活動をしていた記憶がある。

という部分には若干異論があるので、失礼ながらちょっと書かせていただきます。

当時4-Dはメトロファルスと仲が良く、彼らの主催する「パラダイス・キッチン」というイベントによく出演してました。それから、小西氏は元INUの北田昌宏氏と特に親交が深かったので、その縁で、北田氏がサウンド・ディレクションを務めた町田町蔵の「至福団」に、小西・横川の両氏が参加する、といったこともありました。

私もテクノに特に詳しいわけじゃないので、自分の見知った範囲での話に限られてしまいますが、しかし、成田氏と横川氏は元々フュージョン系のセッションミュージシャンだし、他のバンドとの交流がなかったということはないと思います。
でも、確かに当時インディーズでテクノをやってるバンドというのはあまりなかったので、そういう意味では孤立した存在だったかもしれませんね。

なんか揚げ足取りみたいになってすいません。ブログ自体はいつも楽しみに読ませてもらってます。これからも、楽しい記事を期待してます!
返信する
おお! (地球外生物のうさぎマリオ)
2012-09-17 22:36:14
おお!小西健司氏といえば、横浜国大でDADAのステージを観たことがあります!
何か、ファンタジックでヘヴィーな、とてつもないサウンドを奏でておられました!もう30年も前ですが、印象深いです!

それにしても、客席にD-DAYの皆さんが!
D-DAYといえば、バブルの頃(プッ)、儚げで美しいサウンドを奏でておられましたので、これまた好きでしたわ。
あのサウンドが、パンクとは全く逆のアプローチで、この繁栄が泡沫ではかないものでしかない、ということを表現していたとすれば、その確固たる視座は、YMOと同じくらい評価されてしかるべきではないでしょうか(お兄ちゃん、何がいいたいんや)!
返信する
孤高 (miro)
2012-09-18 14:11:51
一読者さん
貴重なコメントありがとうございました。確かにメンバー3人の経歴を見ればいろんなバンドと交流があったことは一目瞭然ですね。ただ当時4-Dに関しては情報が余りなく、私の印象としては孤立というか孤高の存在でした。
また他の方との交流が復活して欲しいですね。
今後ともなにとぞよろしくお願いします。

マリオさん
そうそうライヴにはDADAの片割れの方(泉陸奥彦さん?)もいらっしゃっていたようです。
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