▲片貝まつり奉納煙火:四尺玉「昇天銀竜黄金すだれ小割浮模様」
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9月9・10日と片貝花火。
今年も平日をものともせずに行ってきた。台風の進路にひやひやさせられたが、開けてみれば両日とも晴れ。秋の天の川の下、澄み切った空気に尺玉が花開いた。
9日は、各駅停車で小千谷に向かう。いきなり湘南新宿ラインが遅延で焦ったが、無事乗継できてよかった。車中で、「あまりよくわからないけれど片貝花火に来たんです~」っていう女性2名と遭遇する。確かに、あそこの案内ってあんまり親切じゃないんだよな…。
で、小千谷駅で結構な人が下りる。皆、ほとんどが片貝花火が目的のようだった。「あんまり親切じゃない」がいきなり炸裂。駅員がバス停がわからない…。ホテルまでの所要時間が分からない…。ハイハイ、にわかに観光案内人となりましたよ。地元ですから。
いったん実家に入って、近くのスーパーでお迎えを待つ。
案内された場所は桟敷のすぐ横の畑の斜面。へぇ、こんなところで見るんだぁ~。いつも帰りの足が気になって(実家に帰る方向にはバスが1本しかない)、あまり奥に踏み入ったことがなかったので、想定外にいい場所に静かに驚く。
ほどなく、花火が打ちあがる。
ここの花火は奉納内容を逐一読み上げるから、インターバルが長い。そののんびり差がここの魅力ともいえるが、その分ケツが長く、4尺の打ち上げは午後10時である。都会だったらクレームが来そうだ。だけど、この辺りん衆(しょ)はそれが当たり前だからね。
花火の打ち上げそのものはせっかちで、追い打ちなんてどうしても重なるように開いてしまう。同時打ちも、同じところに重ねなくてもなぁって思うけれど、それは見方を変えれば片貝煙火の技術の確かさの証明でもある。
二尺の打ち上げを見て、大玉の打ち上げ箇所がずいぶん右後方に移動したことを知る。昨年の玉皮事件の影響である。
後方に下がることで、山のピークの向こうに下がってしまっているから、近くで打ち上げられる尺と同じぐらいの高さで開いてしまう。何とももったいない。でも開発時の爆風は、尺では感じられないものなので、やはり三尺・四尺は目だけでなく、五感で楽しむものだと実感。そのためには近くで見なきゃね。
〆の四尺は例年通りの黄金すだれ。開き始めは盆の崩れが気になったが、開き切ってしまえばそれなりに見える。三尺はそれほど崩れなかっただけに、この壁は大きいものなんだろう。
▲三尺玉(9日の1発目)
打ち上げ位置がよくわかっておらず、フレームアウト。
翌日は、ウチに泊まった子のご両親も緊急参戦ってことなので、当日桟敷席購入に向かう。桟敷発売まででに昼花火が始まり、桟敷席に入り込んで見る(日中は誰でも出入りできるのだよ)。
▲真昼の三尺玉(10日)
いったん小千谷市街に戻ってへぎそばを食べ、東京からやってきた友人のご両親ともミート。シャトルバスで片貝に戻る。
シャトルバスから桟敷席って意外と距離があるんだけれど、ショートカットを使うよりもちゃんと片貝を見ていただきたくて、王道コースを案内する。そして浅原神社前で別れて、昨日の場所へ。
途中、花火奉納に来ていた藤井フミヤとすれ違うも気付けず、激しく後悔(笑)。
本日も粛々と花火が奉納されていく。
今年は、八重芯物もポツポツ含まれていたが、やはり錦冠全盛である。錦菊とはこう上げるんだよとか、錦冠はこれじゃなきゃっといったものが続々上がる。和火系大柳火もたくさん上がる。これは依頼者が指定することが多いそうで、片貝の人々の通ぶりがうかがえる。
そうそう、フミヤの尺5発同時も大柳火だった。
だけど、この花火は撮る設定が全然違ってね、いつ上がるかわからないのが最大の難点である。曲導で少しだけ見分けられるのだが、明るい銀菊と同じ曲導を使うから、最後は賭けである。
▲和火系大柳火
そして四尺。10日は二段咲千輪である。
前日同様、咲き始めは「ん?」って思ったが、その後の千輪の幅いっぱいの広がりに大満腹である(10日分はフィルムでの撮影なので、ブツは後日)
▲三尺玉(9日の2発目)
直前の華雷の煙が左前に来てまるでシミみたいだ…。