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大曲、その後で…

2015-09-30 23:42:00 | 雑事つれづれ

▲浄土ヶ浜の海を撮ろうとするともれなくカモメもしくはウミネコがアングルに入ってくる遊覧船

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 すっかり間が空いてしまったが(ホント、1カ月以上だよ。10月だよ)、大曲の小ネタ。というか、こっちの方が波乱万丈っぽい。


 今年は盛岡の宿しか取れなかったので、花火終了後は新幹線移動。その新幹線も本当の最終0:30しか取れなかった。なのでボーっと無駄に大曲で時間をつぶす。幸い、花火庵が12時まで開放されていたからそこで待機。
 この施設、地元のシルバー系おばちゃんが仕切っている。シルバー系は夜は早く朝も早いからきっと市の職員関係者がいるんだろうって思って行ったら、見覚えのあるおばちゃんがスタンバっていた。
 さすが花火の町、夜はお手ものもということか…。
 マジで12時に閉めるまでいた模様。

 12時少し前にここを辞して、駅に向かう。そういえばラーメン屋さんあったよなぁと「○ぼすけ」に行くと、ざっと20名ぐらいが並んでいる。並ぶ気力は無く、おとなしくJRの待機列に並ぶ。


▲昼花火中の雨に、煙竜の粉が混ざってピンクの雨が降る

 ふと気づけば、なんだか酔っ払いが絡んでいる。どうやらJR職員に間違ったことを教えられたらしい。それで怒っているのだが、その怒りで行列を無視して脇入りさせろと言っている。警察も出動して、その酔っ払いを囲む。
 改めてJR及び警官の忍耐強さに括目する。
 小突いたり手を出すのはあくまで酔っ払い。攻められる側は、まったく手を出さない。そうか、こうやって最終的に公務執行妨害でしょっ引くのねーという実例を目の当たりにした。
 そんな楽しいショーも、新幹線の時間が来たことで終了となる。

 0.30の新幹線に乗り込んでみれば、なんと半分ぐらい座席が空いている。そういえば、盛岡方面の立ち席特急券待機が異常に少なかった(秋田側はとぐろ状態)。そうか、盛岡側は、立ち席特急券で早く帰るのがセオリーなのか…。確かに早く宿に着く方がいいものなぁ…。

 そうやって約1時間後に盛岡に着くと、お風呂に入る暇もなかった(午前2時終了)orz



 
 そして朝。本日の出発は7:40の都市間バス。
 朝ごはんを食べる前に不要な荷物を自宅に送ろうと黒猫の手配をしにフロントに行ったら、すでに朝食会場が長蛇の列。あわてて並んで第1弾の朝食にありつく。


 駅前のバスターミナルへ。ここから宮古行のバスに乗る。
 バスは盛岡市内で何カ所か人を拾って幹線道路を東進。その過程で石割桜を見る。もちろん桜は咲いていないが、その圧倒的な生命力の一端を感じることができたのは思わぬ収穫であった。

 前夜は2時過ぎに寝て5時起床。そりゃ最前列とはいえ、バスの揺れは心地よく、あっという間に白川夜船。気が付けば山中を走っていた。このルート、途中山田線と並走するのよね。山田線は日本一の秘境線とのことでその大自然におけるか弱さが注目されるが、まさにそんな感じ。雨も降っていないのに霧でバス車体がしっぽり濡れる。
 で、気が付いた。
 ん?
 ちょっと待て! いくらなんでも早すぎだろ!! まだ8月だぜ!
 この状況に、新潟より北にある東北の真髄の一端を見たような気がした。さすが「みちのおく」だ。

 ひょっとして紅葉始まってる??????



 明らかに赤く色付いた葉っぱがちらほらしているんだよね。春紅葉とは言うけれどこの時は8月下旬、どう見てもそれとは異なる。自分の中で、これは紅葉の始まりではないかという結論を勝手に引きずり出して決着し、再び夢の世界へ…。


 そして宮古駅到着!


▲JR宮古駅前。8月後半にすぎないのに、色付き始める木


▲JRの右隣に三陸鉄道の宮古駅がある


 あいにくの雨の宮古。駅広場の木が紅葉し始めている宮古。JRの駅舎とさんてつの駅舎が並ぶ宮古…。

 ここで約3時間の時間がある。天気は良くないが、浄土ヶ浜方面へ。
 宮古の駅は海から少し離れている。バスが道を下って海に出るかと思った瞬間、左の坂道に入っていく。


▲宮古の津波被災地はまだこんな感じが多い。ここは、かさ上げは終わっている模様

 その先には工事中の衝立が立つ平地があった。おそらく津波でさらわれたところだ。建物が何もないところをバスはジグザクと走っていく。おそらく元々の道のラインを走っているのだろう。
 周囲の平地には区割りがされており、やがてここに再び家々が建つようだ。すでに真新しい家が何軒か建っていた。

 そこから坂道に入って、広い駐車場へ。浄土ヶ浜ビジターセンターだ。

 こんな高台から海岸まで降りるんだ~。どうしよっかなぁ。とはいえ、ほかにやることもないしとりあえず乗り場へ行ってみる。



▲雨の浄土ヶ浜。遊覧船乗り場は結構下

 風が結構しっかりとしていて、入江とはいえ、うねりが見える。これはさっぱ船で青の洞窟は無理だろうと、遊覧船に向かう。
 窓口で切符を買って、売出し中の18歳のかわいいガイドさんにもぎってもらって乗船。
 ガイドさん→https://www.facebook.com/jodo.yuransen/photos/a.285573038178612.64443.263847003684549/885434044859172/?type=1&theater
 
 実物の方がかわいいかも。




▲出港と同時にカモメとウミネコに取り囲まれる

 入り江を出ると結構な強風に吹かれてダイナミックな運航となる。
 そんな中、ねこパン100円が販売される。ウミネコ専用パンである(要は鳥に有害な塩とか脂質とかを取り除いたものと思われる)。目の前の子どもがそれをちぎって船を追いかけるウミネコ&カモメにばらまく。




▲ピンが合わないのはお許しを。スマホの限界さ


▲きれいな海を撮ろうと思ったのだが、めっちゃ羽ばたいている


 ただし、船の推進力と、折からの強風なかなか思うようなところに投げられない。むしろ風に押し返されてくる。
 すると船内に散らばるパンくずを求めて、ウミネコ連が船内侵入開始。それをデッキブラシで排除する船員さんと、ものすごい抗争が勃発!
 お子様かわいいおばあちゃんは次から次へとねこパンを補充し、終始このお子様がばらまき放題であった。

 すぐ後ろの私はシャッターチャンスがたくさんでよかったけれどね(とはいえ、スマホ撮影)



▲口紅をつけているのがウミネコっす


▲カモメ(前)とウミネコ(後)


▲カモメよりウミネコの方が目つきが悪いw


 風は波を立たせその波が岩に打ち付けられる。潮吹き穴からのこの日はしょっちゅう潮が上がっていた。
 いい具合に船が前後に左右にと揺れ、20度以上は傾いていたんじゃないか!? さっきまで究極のはしゃぎ具合だったお子様も、さすがにぐったりと気持ち悪くなっている始末。温度差ありすぎでしょ! 君!




▲潮吹き穴から吹き上がっている!


 帰りしな、宮古の「青の洞窟」の入り口を案内される。
 この波では今日は完全に無理っぽいな…。イタリアには行けないけれど、宮古なら多分また来れる。多分、きっと…。


▲素敵な地層



 船を降りて、バスの時間まで時間をつぶす。
「はっけー&ぬっきぃ」方言自販機に翻弄される。


▲自動販売機の方言であったかいのか冷たいのかが分からなくなる事案発生


 バスで宮古の駅に戻り、地元系スーパーに飛び込み、昼飯を調達。
 イカのお寿司(あれ、これなんかの標語だっけ?)を買ったが、もうひとつ目に留まってしまった。これは買うしかないでしょ!ってあわててかごに入れてさんてつ宮古駅に駆け込む。



▲一両編成のさんてつ北リアス線に乗車


 ここから長―い乗り鉄の始まり~! って、なんで満員なの!? お寿司食べられないじゃん!! それに何でこの電車オサレなのさ!!



▲オサレな内装に慄く

 とボー然。とりあえず、空いている席に座らせてもらい、かさかさとスーパーの袋の音をさせながら、お寿司をもぐもぐ食べる。
 だってもう1時過ぎているんですよ!おなかペコなんですよ!! 
 お向かいのご婦人の視線が痛いけれど、空腹には勝てん。よく噛まないでイカのお寿司をごっくんする。

 そうこうしているうちに出発進行! っていきなりトンネルですか!?

 そう、さんてつの北リアス線は意外と内陸部を走るので、海が見えるポイントは思っている以上に少ないのであった。さらにトンネルを出ると、外の高湿度に、ガラスが曇る。車体の内側ではなく、外側が曇るのである。
 それって、いっくらガラスを拭いても外が見えないってことじゃない!? ということで、真っ白なガラスの向こうを妄想しつつ、電車は進む。



▲ネーミングだけで買ってしまったお寿司


 3駅ほどで、お向かいのおばさまが下車。というか、団体様だったの!? 地元の被災地復興ツアーらしい。とたんにガラーンとする車内。
 なんだ、それなら空いてからお寿司食べればよかった。ってさっき買ったもう一つの寿司(バラエイティ寿司ですよ!)を食べながら思う
 そして相変わらず、トンネルを出ると真っ白な車窓が続く(霧がかかっているわけではない)。

 そうこうしていると「昨日までの雨の影響で徐行します」というアナウンスが入る。


 
 え、ちょっと待って! 終点の久慈で数分しか乗り換え時間ないんですが…。



 いやいや、上越線なら10分の遅れを1時間の中でリカバリーしてくれた。きっとこのさんてつも頑張ってくれるはずだ!って最大限の期待の念を込める。だが時計は無情にも予定時間よりも徐々に遅れていることを示すのみ。15分近く遅れていることが判明した時点で、たまらず運転席に向かいダイサクくん(あまちゃんの役名であって、本当のダイサクではない)に話しかける。
 いわく、「久慈で接続してもらうよう、JRに連絡してあります。あとはJRさん次第なんで…」とのこと。乗り換え予定の八戸線は海沿いを走るローカル線。その1本を逃したら、次の電車は2時間後となる。

 そうなると、その先に予約してある新幹線の接続のままならず…。


 帰れるのか、私!?


 ここは、鉄道マンの意思を信じて黙って身を任せるしかない。と、ようやく曇りが取れたガラス窓から海を眺めながら思う。


▲数少ない海見ポイント


 そして久慈駅。

 おぉ、隣にちゃんとJRの駅がある。
 あるけれど、あれ、列車が止まっていない!?


 乗り換えの階段に走る乗客たち。そう、実はこのさんてつに乗っていた半数以上は実は運命共同体であった。約15名は、私と全く同じプランで動いていたわけである。

 そこにさんてつの女性職員さんがやってきて「こちらからは接続を待ってくださいってお願いしたんですが、JR側が間違って発車してしまったんです」とのたまう


 なんじゃそりゃー!!


 となると、JR側に行って説明を求めねば…と、速攻向かう。
 さんてつとの接続駅とはいえ、JR久慈駅はどうやら駅員が一人しかない駅のようだ。その駅員がなんだか電話をかけている。その電話を切った瞬間に「すみません、この先の新幹線の時間に間に合わないんですが―――!」って切符を見せて迫る!

 すると、「八戸までタクシーを手配しますから、それで移動してください。八戸まで行く人何人いますか~」との展開。ハイハイハイと手を挙げる人、約15名。
 八戸行と途中の田野畑行きも手配され。5台のタクシー隊が出発! 私は18きっぱーのおじさん2名と同乗した。


▲乗り換えトラブル騒動の中で、久慈と分かる写真はこれっきり。お土産すら買えず


 海を見ながら走る八戸線と同じようなルートを通るのかと思ったら、車道は結局一度も海を見ることなく八戸へorz 
 いつかまた八戸線に乗るプランを考えなくちゃ…。

 そして、車の方が早く着きますよと言っていたが、ほぼ電車と同着。まぁ、予定していた新幹線に間に合うし、土産買う時間もギリギリあったからいいか。

 久慈~八戸間は通常運賃1,320円だが、タクシーだと18,130円だった。それが八戸まで4台(田野畑は久慈~八戸のちょうど真ん中あたりにあるそうだ)。モチロン、JR負担。願わくば「間違って発車してしまった」八戸線の運転士さんが処分されませんように…。

 もう遅いか…


▲八戸駅の新幹線時刻表が見やすすぎる!


 それにしても、2週連続交通機関トラブルに巻き込まれた東北であった。