2020年12月に見たい展覧会【眠り/舟越桂/美の交流が生んだ6つの物語】

今年も残すところあと1ヶ月となりました。全国的に新型コロナウイルスの感染が再び拡大し、一部地域では外出や往来の自粛が求められていますが、関東の大半の美術館は感染症対策を行った上で開館しています。予約制を導入した美術館も珍しくなくなりました。

1年の締めくくりの月にはどのような展覧会が開催されているのでしょうか。12月に気になる展覧会をリストアップしてみました。

展覧会

・「根津美術館の国宝・重要文化財」 根津美術館(11/14~12/20)
・「STARS展:現代美術のスターたち―日本から世界へ」 森美術館(7/31~2021/1/3)
・「光―呼吸 時をすくう5人」 原美術館(9/19~2021/1/11)
・「だれも知らないレオ・レオーニ展」 板橋区立美術館(10/24~2021/1/11)
・「上田薫」 埼玉県立近代美術館(11/14~2021/1/11)
・「生命の庭―8人の現代作家が見つけた小宇宙」 東京都庭園美術館(10/17~2021/1/12)
・「1894 Visions ルドン、ロートレック展」 三菱一号館美術館(10/24~2021/1/17)
・「大山エンリコイサム展 夜光雲」 神奈川県民ホールギャラリー(12/14~2021/1/23)
・「本城直季 (un)real utopia」 市原湖畔美術館(11/7~2021/1/24)
・「東郷青児 蔵出しコレクション~異国の旅と記憶~」 SOMPO美術館(11/11~2021/1/24)
・「芳年 激動の時代を生きた鬼才浮世絵師」 うらわ美術館(11/18~2021/1/24)
・「ベルナール・ビュフェ回顧展 私が生きた時代」 Bunkamuraザ・ミュージアム(11/21~2021/1/24)
・「東山魁夷と四季の日本画」 山種美術館(11/21~2021/1/24)
・「138億光年 宇宙の旅」 東京都写真美術館(11/21~2021/1/24)
・「国宝の名刀 日向正宗と武将の美」 三井記念美術館(11/21~2021/1/27)
・「生きている東京」 ワタリウム美術館(9/5~2021/1/31)
・「舟越桂 私の中にある泉」 渋谷区立松濤美術館(12/5~2021/1/31)
・「河鍋暁斎の底力」 東京ステーションギャラリー(11/28~2021/2/7)
・「桑久保徹 A Calendar for Painters without Time Sense. 12/12」 茅ヶ崎市美術館(12/12~2021/2/7)
・「MOTアニュアル2020 透明な力たち/石岡瑛子 血が、汗が、涙がデザインできるか」 東京都現代美術館(11/14~2021/2/14)
・「眠り展:アートと生きること」 東京国立近代美術館(11/25~2021/2/23)
・「美を結ぶ。美をひらく。美の交流が生んだ6つの物語」 サントリー美術館(12/16~2021/2/28)
・「米谷健+ジュリア展 だから私は救われたい」 角川武蔵野ミュージアム(11/6~2021/3/7)
・「Connections―海を越える憧れ、日本とフランスの150年」 ポーラ美術館(11/14~2021/4/4)
・「国立ベルリン・エジプト博物館所蔵 古代エジプト展 天地創造の神話」 江戸東京博物館(11/21~2021/4/4)

ギャラリー

・「第14回 shiseido art egg 藤田クレア展」 資生堂ギャラリー(11/27~12/20)
・「Creation Project 2020 160人のクリエイターと大垣の職人がつくるヒノキ枡」 クリエイションギャラリーG8(12/1~12/25)
・「内藤礼」 タカ・イシイギャラリー(11/27~12/26)
・「内海 聖史 : squid」 アートフロントギャラリー(11/27~12/27)
・「榎忠 RPM-1200」 ANOMALY(12/5~2021/1/16)
・「工藤麻紀子 空気に生まれかわる」 小山登美夫ギャラリー(12/11~2021/1/16)
・「石岡瑛子 グラフィックデザインはサバイブできるか(前期:広告・キャンペーン)」 ギンザ・グラフィック・ギャラリー(12/4~2021/1/23)
・「ダグ・エイケン New Ocean:thaw」 エスパス ルイ・ヴィトン東京(11/13~2021/2/7)

まずは人間が生きるために欠かせない「眠り」をテーマにした展覧会です。東京国立近代美術館にて「眠り展:アートと生きること」が開かれています。



「眠り展:アートと生きること」@東京国立近代美術館(11/25~2021/2/23)

これはゴヤを案内役に、ルーベンスやエルンスト、それに森村泰昌や塩田千春などの作品を「眠りのかたち」から読み解くもので、国内の6つの国立美術館のコレクションから33作家、約120点の作品が展示されます。


微睡みを文字に表したようなチラシデザインからして個性的ですが、トラフ建築設計事務所の会場構成なども見どころとなるかもしれません。なお本展は「陰影礼讃」(2010年)、「No Museum,No Life?ーこれからの美術館事典」(2015年)に続く、国立美術館の合同企画展の第3弾でもあります。

続いて現代の彫刻の展覧会です。渋谷区立松涛美術館にて「舟越桂 私の中にある泉」が行われます。



「舟越桂 私の中にある泉」@渋谷区立松濤美術館(12/5~2021/1/31)

1951年に生まれた舟越桂は、大学院在学中に聖母子像の制作依頼を受けたことを切っ掛けに木彫を作りはじめ、主に楠の人物彫像で高く評価されてきました。


その舟越の1980年代以降の木彫を中心にしたのが「私の中にある泉」と題した個展で、ドローイングや版画の他、制作の際のメモや自作のおもちゃなどを通して、作家の内面を探っていきます。舟越桂の作品は近年、例えば東京都美術館の「木々の対話」(2016年)などでもまとめて公開されましたが、都内の美術館の個展としては久々の機会ではないでしょうか。

続いて定評のあるリニューアル・オープン記念展の第3弾です。サントリー美術館にて「美を結ぶ。美をひらく。美の交流が生んだ6つの物語」が開催されます。



「美を結ぶ。美をひらく。美の交流が生んだ6つの物語」@サントリー美術館(12/16~2021/2/28)


これは古伊万里、鍋島、紅型、和ガラス、浮世絵、ガレの6つのコレクションを公開するもので、洋の東西の「交流」に着目し、互いの文化との影響関係などを紐解いていきます。第1弾、第2弾のリニューアル展と比べると工芸が多くなることが予想されますが、立体展示にも定評のある同館だけに、また魅惑的な内容となりそうです。

個人的に11月は色々と用事が重なり、思ったように展覧会を見て回ることができませんでした。また夏から秋にかけて遠方の美術館などを幾つか回りましたが、この冬は近場の展示を中心に見ていくつもりです。

それでは今月もどうぞ宜しくお願いします。
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