『日本近現代ガラスの源流』 富山市ガラス美術館

富山市ガラス美術館
『日本近現代ガラスの源流』 
2023/7/8~10/9


小谷眞三 作品展示風景

明治以降、日本の近現代ガラスの芸術の流れを辿る展覧会が、富山市ガラス美術館にて開かれています。

それが『日本近現代ガラスの源流』で、会場では1870年代以降、約100年の間に活動したガラス作家の作品やデザイン、また関連資料などが公開されていました。


岩城滝次郎『金赤色被切子鉢』 1914年

まず冒頭では日本の近代ガラス産業の黎明期に関わった作家らの作品が並んでいて、1883年に独立した岩城滝次郎の切子鉢をはじめ、当時の官展などで度々入選を果たした岡本一太郎の酒瓶などに目を引かれました。


「氷コップ」 作品展示風景 大正〜昭和初期

「氷コップ」とは、明治から昭和初期にかけて数多く作られたかき氷用の器で、水玉文や乳白色による文様といったデザインも印象に残りました。


岩田藤七『三彩鉢』 1968年

昭和初期の同時期に工房を構えた岩田藤七と各務鑛三は、近現代のガラス芸術を切り開いた先駆者的存在とされていて、展示ではふたりの作風をあわせ見ながら器などを紹介していました。


淡島雅吉『花器・マーバロン』 1966年頃

第二次世界大戦後、1950年代に入ると現代的な工芸やデザインのあり方を志向する作家たちが現れ、さまざまなグループを結成すると、旺盛に作品を発表しました。


佐藤潤四郎、カガミクリスタル製作『手吹きウイスキーボトル』 1964年

そして1960年代にガラス会社に勤めるデザイナーがプロダクトと美術工芸の両面で活動すると、1972年には立場を超えたガラスの作家団体として「日本ガラス工芸協会」が設立されました。


舩木倭帆 作品展示風景 制作年不詳

ラストではそれぞれ自らの窯を築き、自らガラスを制作することを先駆的に行なった舩木倭帆や小谷眞三の作品も展示されていて、ともに瀟洒ともいえるような酒器やコップ、香水瓶などに身惚れました。


岩田久利『花器 赤鬼』 1970年 ほか

一部を除き、撮影も可能でした。10月9日まで開催されています。

『日本近現代ガラスの源流』 富山市ガラス美術館
会期:2023年7月8日(土)~ 10月9日(月・祝)
休館:第1・3水曜日(ただし8/16(水)は開場、8/23(水)は閉場)
時間:9:30~18:00
 *金・土曜日は午後8時まで。
 *入館は閉館の30分前まで。 
料金:一般1200(1000)円、大学生1000(800)円、高校生以下無料。
 *( )内は20名以上の団体。
 *本展観覧券で常設展も観覧可。
場所:富山市西町5番1号
交通:富山駅から市内電車環状線にて約12分「グランドプラザ前」下車、徒歩約2分。富山駅から市内電車南富山駅前行きにて約12分「西町」下車、徒歩約1分。
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