『創立80周年記念 常盤山文庫の名宝』 東京国立博物館 東洋館8室

東京国立博物館 東洋館8室
『創立80周年記念 常盤山文庫の名宝』
2023/8/29~10/22


『創立80周年記念 常盤山文庫の名宝』展示風景

初代理事長の菅原通濟(すがはらみちなり)が古美術の蒐集をはじめた1943年を創立とする、公益財団法人常盤山文庫の80周年を記念した展覧会が、東京国立博物館東洋館8室にて開かれています。


『寧上人宛上堂偈』 退耕徳寧筆 中国 南宋時代・景定3年(1262)

国宝2件、重要文化財21件からなる常盤山文庫コレクションは、日本と中国の禅僧の墨跡と中国宋・元時代の絵画を中心に、中国陶磁や漆工などの工芸からなっていて、2018年より多くが東京国立博物館へと順次寄託されました。


右:『彫漆雲文水注』 中国 南宋時代・12~13世紀

長い把手と鶴首状の注口を持つ『彫漆雲文水注』とは南宋時代の作品で、朱と黒漆を交互に塗り重ねた漆の層に渦巻きの雲文を彫り込んでいました。陶磁ではなく彫漆で雲文を表現した珍しい水注といえるかもしれません。


『拾得図』 虎巌浄伏賛 中国 元時代・13~14世紀

南宋から元時代に活動した虎巌浄伏の賛を伴う『拾得図』は、同じ虎巌の賛のある静嘉堂文庫美術館の『寒山図』と対幅の作品で、素早い筆致を用いて腰を曲げて立つ拾得の様子を巧みに描いていました。


『龍図』 李えき筆 中国 明時代・15~16世紀

一方で放胆な筆使いにて風雨を起こす龍を頭部をダイナミックに描いた『龍図』(明時代)も力作ではないでしょうか。


『柿本人麻呂像』 伝詫磨栄賀筆、性海霊見賛 南北朝~室町時代・14世紀

このほか、川端康成旧蔵の美しい『青磁盤』(南宋時代)や、東福寺などで活動した禅僧が賛を寄せた『柿本人麻呂像』(南北朝〜室町時代)なども印象に残りました。


会場は東洋館4階の8室です。総合文化展(常設展)チケットで観覧できます。

撮影も可能でした。10月22日まで開催されています。

『創立80周年記念 常盤山文庫の名宝』 東京国立博物館 東洋館8室(@TNM_PR
会期:2023年8月29日(火) ~10月22日(日)
休館:月曜日、9月19日(火)、10月10日(火)。ただし9月18日(月・祝)、10月9日(月・祝)は開館。
時間:9:30~17:00
 *入館は閉館の30分前まで。
料金:一般1000円、大学生500円。
 *総合文化展料金。
住所:台東区上野公園13-9
交通:JR線上野駅公園口・鶯谷駅南口より徒歩10分。東京メトロ銀座線・日比谷線上野駅、京成電鉄京成上野駅より徒歩15分。
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