都内近郊の美術館や博物館を巡り歩く週末。展覧会の感想などを書いています。
はろるど
「志村信裕展|游動」 KAAT神奈川芸術劇場
KAAT神奈川芸術劇場・中スタジオ
「志村信裕展|游動」
2021/9/9~10/8
KAAT神奈川芸術劇場の中スタジオにて開催中の「志村信裕展|游動」を見てきました。
現代アーティストの志村信裕は、身近な日用品や風景を題材にした映像インスタレーションで知られ、これまでにも国内の展覧会などで作品を発表してきました。
その志村が劇場のスタジオにて行なっているのが「游動」と題した個展で、暗がりの会場には8点のインスタレーションが展開していました。
「Dance」 2021年
まず入口正面のカーテンに映されたのが、木漏れ日をモチーフとした「Dance」で、白く丸みを帯びた光のみがカーテンそのものを揺らすように煌めいていました。
「Dance」 2021年
そして後ろにまわっても同様に木漏れ日が映されていて、時折行き来する人の姿も影絵のように捉えていました。
「瑠璃の夢」 2021年
古い木のフレームを用いた「瑠璃の夢」とは、窓ガラスにクラゲの群れを映した作品で、無数のクラゲがのんびりと揺らめく光景を見ることができました。その青く光る様子は真夜中の海面のようで、ガラス窓を通して海の奥深くへと誘われていく錯覚にとらわれました。
「静夜思」 2021年
一転して展示室の中央に目を向けると、表面がざらついているようなガラスの球体が置かれていて、その上の天井には海の波を捉えた映像が映されていました。
そして波には月明かりが反映しているのか白く瞬いているようで、幻想的な光景を築き上げていました。またあたかも上下に反転するかのように、海面が天井に映されているのも不思議な感覚を与えられるかもしれません。
「Blue Hour」 2021年
青い照明が映された「Blue Hour」は、観客の動きにあわせて光や水の動きが変化するインスタレーションで、座る場所を変えたり、人が入れ替わるたびに、異なった水の流れが生み出されていました。
「光の曝書(星野立子の句集)」 2021年
星野立子の句集に緑色の木漏れ日を映した「光の曝書」も魅惑的ではなかったでしょうか。星野は高浜虚子の次女で、虚子に師事しては「玉藻」を創刊するなどして活動しました。
スタジオの壁の鏡面も効果的だったかもしれません。そこには作品の光や映像、さらに人の影がおぼろげに映り込んでいて、展示空間を全体を取り込むとともに、それぞれまさに游動、自由に動いては新たな物語を紡いでいるようにも思えました。
10月8日まで開催されています。
「志村信裕展|游動」 KAAT神奈川芸術劇場・中スタジオ(@kaatjp)
会期:2021年9月9日(木)~10月8日(金)
休館:月曜日(祝日の場合翌火曜日)
時間:10:00~18:00
料金:一般800円、学生・65歳以上500円、高校生以下無料。
住所:横浜市中区山下町281
交通:みなとみらい線日本大通り駅3番出口より徒歩約5分。JR線関内、石川町両駅より徒歩約15分。
「志村信裕展|游動」
2021/9/9~10/8
KAAT神奈川芸術劇場の中スタジオにて開催中の「志村信裕展|游動」を見てきました。
現代アーティストの志村信裕は、身近な日用品や風景を題材にした映像インスタレーションで知られ、これまでにも国内の展覧会などで作品を発表してきました。
その志村が劇場のスタジオにて行なっているのが「游動」と題した個展で、暗がりの会場には8点のインスタレーションが展開していました。
「Dance」 2021年
まず入口正面のカーテンに映されたのが、木漏れ日をモチーフとした「Dance」で、白く丸みを帯びた光のみがカーテンそのものを揺らすように煌めいていました。
「Dance」 2021年
そして後ろにまわっても同様に木漏れ日が映されていて、時折行き来する人の姿も影絵のように捉えていました。
「瑠璃の夢」 2021年
古い木のフレームを用いた「瑠璃の夢」とは、窓ガラスにクラゲの群れを映した作品で、無数のクラゲがのんびりと揺らめく光景を見ることができました。その青く光る様子は真夜中の海面のようで、ガラス窓を通して海の奥深くへと誘われていく錯覚にとらわれました。
「静夜思」 2021年
一転して展示室の中央に目を向けると、表面がざらついているようなガラスの球体が置かれていて、その上の天井には海の波を捉えた映像が映されていました。
そして波には月明かりが反映しているのか白く瞬いているようで、幻想的な光景を築き上げていました。またあたかも上下に反転するかのように、海面が天井に映されているのも不思議な感覚を与えられるかもしれません。
「Blue Hour」 2021年
青い照明が映された「Blue Hour」は、観客の動きにあわせて光や水の動きが変化するインスタレーションで、座る場所を変えたり、人が入れ替わるたびに、異なった水の流れが生み出されていました。
「光の曝書(星野立子の句集)」 2021年
星野立子の句集に緑色の木漏れ日を映した「光の曝書」も魅惑的ではなかったでしょうか。星野は高浜虚子の次女で、虚子に師事しては「玉藻」を創刊するなどして活動しました。
スタジオの壁の鏡面も効果的だったかもしれません。そこには作品の光や映像、さらに人の影がおぼろげに映り込んでいて、展示空間を全体を取り込むとともに、それぞれまさに游動、自由に動いては新たな物語を紡いでいるようにも思えました。
【トレーラー公開!】#KAAT EXHIBITION 2021「#志村信裕展|#游動」トレーラーを公開しました。是非ご覧ください。 https://t.co/Sq5fCWTcip
— KAAT神奈川芸術劇場 (@kaatjp) September 21, 2021
10月8日まで開催されています。
「志村信裕展|游動」 KAAT神奈川芸術劇場・中スタジオ(@kaatjp)
会期:2021年9月9日(木)~10月8日(金)
休館:月曜日(祝日の場合翌火曜日)
時間:10:00~18:00
料金:一般800円、学生・65歳以上500円、高校生以下無料。
住所:横浜市中区山下町281
交通:みなとみらい線日本大通り駅3番出口より徒歩約5分。JR線関内、石川町両駅より徒歩約15分。
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