「森山大道 写真展 『衝撃的、たわむれ』」 東京工芸大学 写大ギャラリー

東京工芸大学 写大ギャラリー
「森山大道 写真展 『衝撃的、たわむれ』」 
2021/3/22~5/31



東京工芸大学 写大ギャラリーで開催中の「森山大道 写真展 『衝撃的、たわむれ』」を見てきました。

1923年に設立された小西写真学校に遡り、日本で最も古い歴史を有する写真教育機関の東京工芸大学には、国内外の著名な写真家の作品が数多く所蔵されてきました。

そのうち重要とされる森山大道のコレクションの一端を紹介するのが「森山大道 写真展 『衝撃的、たわむれ』」で、1960年代から70年代の初期作を中心とする約60点のモノクロームの作品が公開されていました。

今回の写真展で興味深いのは、同じネガから複数にプリントされた写真や、同じ被写体でありながら別のカットよりプリントした写真が展示されていることでした。よって一見、同一の風景や人物が写されているようでありながら、トリミングや構図などが微妙に異なっていて、新たなイメージを生み出していました。

それら森山によれば「気分でやっていて」、「暗室の中での自分の体質とか生理みたいなもの」(*)としていましたが、一枚一枚の違いを追っていくと、森山が写真のイメージを生み出すための思考実験に立ち合っているかのようでした。*「」内は展示リーフレットのインタビュー記事、「写真との邂逅は、自分でも説明ができぬエタイの知れないもの」より。


写大ギャラリーに森山の初期のヴィンテージ・プリントが所蔵される切っ掛けとして挙げられるのが、1976年に同ギャラリーを設立した細江英公によって行われた「森山大道寫眞展」でした。

そこで細江は展示終了後、森山の活動初期の雑誌や写真集の原稿のためのプリントを購入することを提案し、写大ギャラリーが一括して購入することになりました。当時、原稿のためのプリントは処分されることも少なくなかったそうですが、結果的に約900点もの作品を所蔵するまでに至りました。中にはアシスタント時代の森山が撮影した現存する最も古い写真もあり、解説に「細江の先見の明」と記されていた通り、大変に貴重なコレクションと言えるのかもしれません。



さて私自身、東京工芸大学写大ギャラリーへ初めて行きました。同大学に最も近い駅は、東京メトロ丸ノ内線、及び都営大江戸線の中野坂上です。1番出口より地上に出ると、青梅街道と山手通りの交差点があり、周囲は高層ビルに囲まれていました。



そして山手通りに沿って南へ歩き、成願寺を過ぎて右へ折れた小道へ進むと、キャンパスの建物が姿を現しました。駅からは歩いて7~8分程度で、一帯は家やマンションなどが密集する住宅地でした。



ギャラリーは一番手前の5号館(芸術情報館)に位置していて、エントランスから階段を上がるとカメラの展示ブースがあり、その先がギャラリーのスペースになっていました。



新型コロナウイルス感染症対策に伴い、ギャラリー内の人数は5人に制限されている他、会場内の来館者カードに連絡先を記入する必要がありました。



日曜日はお休みです。5月31日まで開催されています。

「森山大道 写真展 『衝撃的、たわむれ』」 東京工芸大学 写大ギャラリー@ShadaiGallery
会期:2021年3月22日(月)~5月31日(月)
休館:日曜日。 
時間:10:00~18:00。但し土曜は17時で閉館。
料金:無料。
住所:中野区本町2-4-7 5号館(芸術情報館)2F
交通:東京メトロ丸ノ内線・都営大江戸線中野坂上駅1番出口より徒歩7分。
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