都内近郊の美術館や博物館を巡り歩く週末。展覧会の感想などを書いています。
はろるど
「日本のパッケージ 縄文と弥生のデザイン遺伝子–複雑とシンプル」 印刷博物館
印刷博物館
「日本のパッケージ 縄文と弥生のデザイン遺伝子–複雑とシンプル」
2021/8/7~10/3
印刷博物館で開催中の「日本のパッケージ 縄文と弥生のデザイン遺伝子–複雑とシンプル」を見てきました。
日々の暮らしに必要な食べ物や飲み物、それに日用品のパッケージには、商品の魅力を伝えるためにさまざまなデザインが施されてきました。
そうした日本のパッケージデザインを縄文と弥生の土器のデザインに着目して紹介するのが「日本のパッケージ 縄文と弥生のデザイン遺伝子–複雑とシンプル」で、会場には大手メーカーの商品を中心に約140点のパッケージが展示されていました。
まず重要なのは縄文と弥生のデザインの性質で、前者を立体的、生命力、デコラティブ、呪術的、複雑、それに後者を平面的、理性的、ミニマル、機能的、シンプルと定義づけていました。
そこから日本のパッケージデザインの特徴として、美(うつくしい)、象(シンボル)、欲(シズル)、愛(かわいい)、用(つかう)の5つのテーマを掲げていて、それぞれに縄文と弥生的な性質を当てはめてパッケージを分類していました。いわば縄文と弥生が展示の縦軸とすれば、5つのテーマは横軸に相当するといえるかもしれません。
まず美のテーマでは三和種類のいいちこや資生堂のオードパルファムといったガラス瓶を展示していて、いいちこをシンプルでかつ計算されたバランスであるから弥生、そしてオードパルファムをデコラティブであり生命力のある模様が描かれていることから縄文と位置付けていました。
また欲、つまり人間の本能や欲望に訴えるデザインでは、まるちゃんの赤いきつねを縄文的、明治のおいしい牛乳を弥生としていました。うどん屋の暖簾のような筆文字に縄文的な躍動感が見出されるのかもしれません。
2つのパッケージともスーパーなどで見かけないことはないほどに定番的な商品ですが、これらを縄文と弥生の観点から見るという発想そのものからして目新しいのではないでしょうか。
さらに機能性や実用性を伴うデザインである用のテーマでは、カップヌードルを縄文、キッコーマンの卓上醤油瓶を弥生として紹介していました。確かにカップヌードルのデコラティブな飾り文字は、縄文土器の縄目を連想させるかもしれません。
会場では「縄文・弥生のどちらが好きでしたか?」と題し、気に入った方にシールで投票できるコーナーが設置されていて、私が見た段階では明らかに縄文が人気を集めていました。
また入口では以前、目黒区美術館にて公開され話題を集めた、日本の伝統パッケージの展示も行われていました。
何が縄文で弥生的であるのかについては議論があるかもしれませんが、ごく一般的な日用品のパッケージの見方に変化をもたらす展覧会と言えるかもしれません。
今までパッケージに縄文や弥生的な要素を意識したことがなかっただけに、展示品自体は見慣れたものでありながら、まれな鑑賞体験を得ることができました。
オンラインでの日時指定制が導入されました。事前にWEBから入場のための整理券を予約する必要があります。
観覧は無料です。(常設展は有料)10月3日まで開催されています。
「日本のパッケージ 縄文と弥生のデザイン遺伝子–複雑とシンプル」 印刷博物館(@PrintingMuseumT)
会期:2021年8月7日(土) ~10月3日(日)
休館:月曜日。但し9月20日は開館。9月21日(火)。
時間:10:00~18:00
料金:無料。*印刷博物館常設展に入場する際は入場料が必要。
住所:文京区水道1-3-3 トッパン小石川本社ビル
交通:東京メトロ有楽町線江戸川橋駅4番出口より徒歩約8分。
「日本のパッケージ 縄文と弥生のデザイン遺伝子–複雑とシンプル」
2021/8/7~10/3
印刷博物館で開催中の「日本のパッケージ 縄文と弥生のデザイン遺伝子–複雑とシンプル」を見てきました。
日々の暮らしに必要な食べ物や飲み物、それに日用品のパッケージには、商品の魅力を伝えるためにさまざまなデザインが施されてきました。
そうした日本のパッケージデザインを縄文と弥生の土器のデザインに着目して紹介するのが「日本のパッケージ 縄文と弥生のデザイン遺伝子–複雑とシンプル」で、会場には大手メーカーの商品を中心に約140点のパッケージが展示されていました。
まず重要なのは縄文と弥生のデザインの性質で、前者を立体的、生命力、デコラティブ、呪術的、複雑、それに後者を平面的、理性的、ミニマル、機能的、シンプルと定義づけていました。
そこから日本のパッケージデザインの特徴として、美(うつくしい)、象(シンボル)、欲(シズル)、愛(かわいい)、用(つかう)の5つのテーマを掲げていて、それぞれに縄文と弥生的な性質を当てはめてパッケージを分類していました。いわば縄文と弥生が展示の縦軸とすれば、5つのテーマは横軸に相当するといえるかもしれません。
まず美のテーマでは三和種類のいいちこや資生堂のオードパルファムといったガラス瓶を展示していて、いいちこをシンプルでかつ計算されたバランスであるから弥生、そしてオードパルファムをデコラティブであり生命力のある模様が描かれていることから縄文と位置付けていました。
また欲、つまり人間の本能や欲望に訴えるデザインでは、まるちゃんの赤いきつねを縄文的、明治のおいしい牛乳を弥生としていました。うどん屋の暖簾のような筆文字に縄文的な躍動感が見出されるのかもしれません。
2つのパッケージともスーパーなどで見かけないことはないほどに定番的な商品ですが、これらを縄文と弥生の観点から見るという発想そのものからして目新しいのではないでしょうか。
さらに機能性や実用性を伴うデザインである用のテーマでは、カップヌードルを縄文、キッコーマンの卓上醤油瓶を弥生として紹介していました。確かにカップヌードルのデコラティブな飾り文字は、縄文土器の縄目を連想させるかもしれません。
会場では「縄文・弥生のどちらが好きでしたか?」と題し、気に入った方にシールで投票できるコーナーが設置されていて、私が見た段階では明らかに縄文が人気を集めていました。
また入口では以前、目黒区美術館にて公開され話題を集めた、日本の伝統パッケージの展示も行われていました。
何が縄文で弥生的であるのかについては議論があるかもしれませんが、ごく一般的な日用品のパッケージの見方に変化をもたらす展覧会と言えるかもしれません。
今までパッケージに縄文や弥生的な要素を意識したことがなかっただけに、展示品自体は見慣れたものでありながら、まれな鑑賞体験を得ることができました。
【 #縄文 or #弥生 】8月から開催してきた #日本のパッケージ展 。展示の最後に置いてあるアンケートは、縄文がリードしているものの、弥生が追い上げてきました。会期も残り3週間です。#縄文と弥生のデザイン遺伝子 #複雑とシンプル #印刷博物館 #printingmuseumtokyo https://t.co/fZXHuFxA8E pic.twitter.com/7Qnd64p8O4
— 印刷博物館 PrintingMuseum (@PrintingMuseumT) September 14, 2021
オンラインでの日時指定制が導入されました。事前にWEBから入場のための整理券を予約する必要があります。
観覧は無料です。(常設展は有料)10月3日まで開催されています。
「日本のパッケージ 縄文と弥生のデザイン遺伝子–複雑とシンプル」 印刷博物館(@PrintingMuseumT)
会期:2021年8月7日(土) ~10月3日(日)
休館:月曜日。但し9月20日は開館。9月21日(火)。
時間:10:00~18:00
料金:無料。*印刷博物館常設展に入場する際は入場料が必要。
住所:文京区水道1-3-3 トッパン小石川本社ビル
交通:東京メトロ有楽町線江戸川橋駅4番出口より徒歩約8分。
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