バーチャル・ツアーやニコニコ美術館で見る「ピーター・ドイグ展」

東京国立近代美術館
「ピーター・ドイグ展」
2020/2/26~6/14 *臨時休館中



新型コロナウイルス感染拡大に伴い、臨時休館中の東京国立近代美術館が、「ピーター・ドイグ展」の会場風景を、Facebookページ上で公開しています。

その名は「FB限定バーチャル・ツアー」で、4月11日を1日目とし、20日を10日目として、会場内を章を追って順に紹介していました。



ここで特徴的なのは、360度カメラで館内を撮影していることで、Facebook上では写真を動かすことも出来ました。また写真を拡大することも可能ですが、かなり引きのアングルであるため、細かなタッチなどを見ることは叶いませんでした。ただし会場内の大まかな雰囲気は分かるかもしれません。

それを補って余りあるのが、ニコニコ美術館で公開された「ピーター・ドイグ展」の解説動画で、休館中の3月18日の19時から生中継されましたが、現在もアーカイブとして閲覧することが出来ます。



休館中の東京国立近代美術館「ピーター・ドイグ展」から生中継【ニコニコ美術館】

ゲストに現代アーティストの五月女哲平さんをお迎えし、東京国立近代美術館の主任研究員の桝田倫広さんと、当時は企画課長で、4月から横浜美術館の館長に就任された蔵屋美香さんが作品を参照しながら、時に動画のコメントに反応しつつ、実に細かに解説されていました。

所要時間もゆうに2時間半に及んでいますが、おそらく実際のギャラリートークでもこれほどの長時間に渡って作品を紹介することはまずありません。時に冗談を交えつつも、蔵屋さんらの鋭い視点は、あたかもドイグの絵画を解剖していると思うほどでした。この他、設営の準備段階のエピソードなども興味深いものがありました。

さて「ピーター・ドイグ展」ですが、2月26日に無事開幕したものの、僅か3日目にして臨時休館となり、3月15日までの休館期間が現在まで延長され、開館出来ない状況が続いています。


「ガストホーフ・ツァ・ムルデンタールシュペレ」 2000〜2002年 シカゴ美術館

実のところ私自身、ドイグ展を大変に楽しみにしていたので、会期早々、2日目の2月28日に一度、見てきました。会場内の撮影も出来ました。


「赤い船(想像の少年たち)」 2004年 個人蔵

リアルな光景に心象風景が混じり合いつつ、複数の絵画によって物語が紡がれていくかのようで、「誰もが見たことがあるようで、誰も見たことのない景色」との指摘も誇張とは思えませんでした。それに幻想的でありながらも、時にオカルト的な場面がフラッシュバックするような、不思議な魅力も感じられました。いくつかの作品はまるで白昼夢を見ているかのようでした。


「花の家(そこで会いましょう)」 2007〜2009年 ニューヨーク近代美術館

また砂糖を結晶化したような絵具の質感や、キャンバスから滲み出てくるような色彩そのものの美しさにも強く惹かれました。こればかりは映像ではあまり良く分かりません。


再開館日は現在のところ未定ですが、当面の会期は6月14日までと予定されています。いつしか作品の前に立てることを心待ちにしつつ、WEB上で「ピータ・ドイグ展」を追いかけたいと思いました。

「ピーター・ドイグ展」 東京国立近代美術館@MOMAT60th) 
会期:2020年2月26日(水)~6月14日(日) *臨時休館中
休館:月曜日。但し3月30日、5月4日は開館。5月7日(木)。
時間:10:00~17:00
 *毎週金曜・土曜日は20時まで開館。
 *入館は閉館30分前まで
料金:一般1700(1500)円、大学生1100(900)円、高校生600(400)円。中学生以下無料。
 *( )内は20名以上の団体料金。
 *本展の観覧料で当日に限り、「MOMATコレクション」も観覧可。
場所:千代田区北の丸公園3-1
交通:東京メトロ東西線竹橋駅1b出口徒歩3分。
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