『ピカソのセラミック-モダンに触れる』 ヨックモックミュージアム

ヨックモックミュージアム
『ピカソのセラミック-モダンに触れる』 
2022/10/25~2023/9/24



ヨックモックミュージアムで開催中の『ピカソのセラミック-モダンに触れる』を見てきました。

第二次世界大戦後、60歳を超えたピカソは、パリから南フランスへと拠点を移すと、同地の陶器職人らと協働しながらセラミックの作品の制作をはじめました。

そうしたピカソのセラミックをモダンの観点から読み解くのが『ピカソのセラミック-モダンに触れる』で、キュビスム的なデザインからメタモルフォーズ、さらにダンスを表した作品などが展示されていました。



まず冒頭ではキュビスム的な静物やモチーフをカモフラージュしたようなセラミックが並んでいて、まるで魚を皿に並べた様子を描いたような作品に目を奪われました。



それらはどこか古代の遺物を思い起こさせるプリミティブな雰囲気をたたえていて、魚のかわいらしい表現にも心を引かれました。



メタモルフォーズ的なセラミックも面白いかもしれません。そのうち地中海を泳ぐ魚を4面に配した作品からは、あたかも魚が水の中でぐるぐると回遊する光景が浮かび上がっていて、ピカソの遊び心も垣間見ることができました。



『仮面をつけた顔』はピカソの意図かどうかは別に、セラミック制作の際に生じるひび割れが作品に面白い効果をあげていて、コミカルな仮面の表情にも魅力を感じました。



ピカソがマティスを参照し、踊り子をデフォルメしたようなダンスのセラミックも楽しいのではないでしょうか。ピカソが踊り子をいわば記号化し、新たに再解釈して表現したすがたに見入りました。



現在、上野の国立西洋美術館の『ピカソとその時代』(2023年1月22日まで)でもピカソの絵画が多数公開されていますが、あわせて見るのも楽しいかもしれません。



常設展示、およびフォトスポットを含め、私的利用に限り作品の撮影もできました。



なお美術館はヨックモック青山本店と同じ南青山に位置しますが、店舗と同じ場所ではありません。



表参道駅より骨董通りを経由、あるいは青山学院大学側から六本木通り方面の住宅街へ進むと建物が見えてきます。初めてお出かけの際は公式サイトの地図をご確認ください。



私も初めて出向きましたが、暗い地下と2階の明るい開放的な空間の対比、ないし邸宅にお邪魔したような落ち着いた雰囲気が印象に残りました。



また鑑賞したのちは、中庭に面したカフェでミニャルディーズをいただきながら、のんびりと時間を過ごすことができました。

2023年9月24日まで開催されています。*写真は『ピカソのセラミック-モダンに触れる』展示作品、および館内風景。

『ピカソのセラミック-モダンに触れる』 ヨックモックミュージアム
会期:2022年10月25日(火)~2023年9月24日(日)
休館:月曜日・年末年始。
 *ただし月曜日が祝日の場合は開館。
料金:一般1200円、大学・高校・中学生800円、小学生以下無料。
時間:10:00~17:00
 *入館は閉館の30分前まで。
住所:港区南青山6-15-1
交通:東京メトロ銀座線・半蔵門線・千代田線表参道駅B1出口から徒歩9分。
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