都内近郊の美術館や博物館を巡り歩く週末。展覧会の感想などを書いています。
はろるど
「川瀬巴水と新版画 ―神奈川の風景を中心に―」 川崎浮世絵ギャラリー
川崎浮世絵ギャラリー
「川瀬巴水と新版画 ―神奈川の風景を中心に―」
2021/5/15〜6/6

公益社団法人川崎・砂子の里資料館には川崎ゆかりの作品を含めて4000点もの浮世絵が蒐集され、斎藤文夫コレクションと冠して一般にも公開されてきました。
その川崎・砂子の里資料館のコレクションを引き継いだのが川崎浮世絵ギャラリーで、2019年12月に川崎駅に隣接する川崎駅前タワー・リバークに開館しました。

ちょうどJR線川崎駅の北口東から直結した高層ビルの3階にある「アートガーデンかわさき」に位置していて、反対側の京急線川崎駅からも歩いて2〜3分ほどでした。

現在、開催中の展示は「川瀬巴水と新版画 ―神奈川の風景を中心に―」で、川瀬巴水を中心に吉田博、石渡江逸、笠松紫浪、小原古邨といった新版画の作品、計76点が公開されていました。
巴水で中心となっていたのは当地の神奈川を舞台とした版画で、「鎌倉大佛」や「鎌倉建長寺」、それに「元箱根見南山荘風景」のシリーズなどに目を引かれました。このうち「元箱根見南山荘風景」はかつて元箱根にあった三菱財閥の岩崎家の別荘で、巴水は同家より依頼を受けて作品を制作しました。特に名所とされたつつじが咲く光景を色鮮やかに描いていて、後景には富士山がそびえる姿を見ることもできました。
この他では「大森海岸」や「矢口」といった、神奈川に近い場所の作品が展示された「東京二十景」も見どころだったのではないでしょうか。またおそらくは江戸川越しの浦安の光景を牧歌的に描いた「初秋の浦安」にも魅せられました。
全国8カ所の桜の名所をモチーフとした吉田博の「桜八題」も目立っていたかもしれません。中でも「弘前城」は石垣の上の天守を背に咲き誇こる桜を描いていて、花はこぼれ落ちそうなほどに画面へ満ち溢れていました。
巴水の門人で子安に住んでいた石渡江逸も神奈川を描いた版画家の一人でした。そのうち「横浜長嶋橋所見(洛陽)」は摺違いの2点の作品が並んでいて、1点は夕陽が水辺の街並みを朱色に染めていてドラマテックな情景を表していました。

撮影可能の複製作品。展示室内の撮影はできません。
美人画で知られる橋口五葉の比較的珍しい花鳥主題の「鴨」や、明治期の新たな美人風俗画として制作された高橋松亭の「いますかた 花のさと」、さらにはエリザベス・キースの「鎌倉 夏の思い出」なども力作と言えるかもしれません。また巴水を含めて保存状態が良いのか、総じてコレクションの発色が良いのも印象に残りました。

「アートガーデンかわさき」。この奥に「川崎浮世絵ギャラリー」の展示室がありました。
手狭なスペースながらも新版画ファンには嬉しい展示でした。会期中に作品の入れ替えはありません。

川崎駅前タワー・リバーク
会場内は作品保護の観点からかなり暗めでした。6月6日まで開催されています。
「川瀬巴水と新版画 ―神奈川の風景を中心に―」 川崎浮世絵ギャラリー(@Kawasaki_ukiyoe
)
会期:2021年5月15日(土)〜6月6日(日)
休館:月曜日。(休日の場合は翌平日)
時間:11:00~18:30
*入館は閉館の15分前まで。
料金:一般500円。高校生以下無料。
住所:川崎市川崎区駅前本町12-1 川崎駅前タワー・リバーク3階
交通:JR線川崎駅北口東より直結徒歩2分。京急線川崎駅より徒歩2分。
「川瀬巴水と新版画 ―神奈川の風景を中心に―」
2021/5/15〜6/6

公益社団法人川崎・砂子の里資料館には川崎ゆかりの作品を含めて4000点もの浮世絵が蒐集され、斎藤文夫コレクションと冠して一般にも公開されてきました。
その川崎・砂子の里資料館のコレクションを引き継いだのが川崎浮世絵ギャラリーで、2019年12月に川崎駅に隣接する川崎駅前タワー・リバークに開館しました。

ちょうどJR線川崎駅の北口東から直結した高層ビルの3階にある「アートガーデンかわさき」に位置していて、反対側の京急線川崎駅からも歩いて2〜3分ほどでした。

現在、開催中の展示は「川瀬巴水と新版画 ―神奈川の風景を中心に―」で、川瀬巴水を中心に吉田博、石渡江逸、笠松紫浪、小原古邨といった新版画の作品、計76点が公開されていました。
【川瀬巴水と新版画】本日は川瀬巴水「元箱根見南山荘風景」をご紹介いたします。見南山荘(現:山のホテル)は、三菱の創業者岩崎彌太郎の甥、岩崎小彌太男爵の別邸でした。山荘は芦ノ湖と富士山、庭園の約3000株のツツジの美しい景観で知られました。巴水は岩崎家の依頼で6図を制作しています。 pic.twitter.com/cDLRud9c2q
— 川崎浮世絵ギャラリー kawasaki_ukiyo-e (@Kawasaki_ukiyoe) May 19, 2021
巴水で中心となっていたのは当地の神奈川を舞台とした版画で、「鎌倉大佛」や「鎌倉建長寺」、それに「元箱根見南山荘風景」のシリーズなどに目を引かれました。このうち「元箱根見南山荘風景」はかつて元箱根にあった三菱財閥の岩崎家の別荘で、巴水は同家より依頼を受けて作品を制作しました。特に名所とされたつつじが咲く光景を色鮮やかに描いていて、後景には富士山がそびえる姿を見ることもできました。
この他では「大森海岸」や「矢口」といった、神奈川に近い場所の作品が展示された「東京二十景」も見どころだったのではないでしょうか。またおそらくは江戸川越しの浦安の光景を牧歌的に描いた「初秋の浦安」にも魅せられました。
全国8カ所の桜の名所をモチーフとした吉田博の「桜八題」も目立っていたかもしれません。中でも「弘前城」は石垣の上の天守を背に咲き誇こる桜を描いていて、花はこぼれ落ちそうなほどに画面へ満ち溢れていました。
巴水の門人で子安に住んでいた石渡江逸も神奈川を描いた版画家の一人でした。そのうち「横浜長嶋橋所見(洛陽)」は摺違いの2点の作品が並んでいて、1点は夕陽が水辺の街並みを朱色に染めていてドラマテックな情景を表していました。

撮影可能の複製作品。展示室内の撮影はできません。
美人画で知られる橋口五葉の比較的珍しい花鳥主題の「鴨」や、明治期の新たな美人風俗画として制作された高橋松亭の「いますかた 花のさと」、さらにはエリザベス・キースの「鎌倉 夏の思い出」なども力作と言えるかもしれません。また巴水を含めて保存状態が良いのか、総じてコレクションの発色が良いのも印象に残りました。

「アートガーデンかわさき」。この奥に「川崎浮世絵ギャラリー」の展示室がありました。
手狭なスペースながらも新版画ファンには嬉しい展示でした。会期中に作品の入れ替えはありません。

川崎駅前タワー・リバーク
会場内は作品保護の観点からかなり暗めでした。6月6日まで開催されています。
「川瀬巴水と新版画 ―神奈川の風景を中心に―」 川崎浮世絵ギャラリー(@Kawasaki_ukiyoe
)
会期:2021年5月15日(土)〜6月6日(日)
休館:月曜日。(休日の場合は翌平日)
時間:11:00~18:30
*入館は閉館の15分前まで。
料金:一般500円。高校生以下無料。
住所:川崎市川崎区駅前本町12-1 川崎駅前タワー・リバーク3階
交通:JR線川崎駅北口東より直結徒歩2分。京急線川崎駅より徒歩2分。
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