都内近郊の美術館や博物館を巡り歩く週末。展覧会の感想などを書いています。
はろるど
『ヴィンテージライターの世界 炎と魅せるメタルワーク』 たばこと塩の博物館
たばこと塩の博物館
『ヴィンテージライターの世界 炎と魅せるメタルワーク』
2022/9/10~12/25
たばこと塩の博物館で開催中の『ヴィンテージライターの世界 炎と魅せるメタルワーク』を見てきました。
ヨーロッパで誕生し、主に喫煙に使われた着火具のライターは、時に意匠を凝らした銘品も作られ、愛好家の目を楽しませてきました。
そうしたライターの魅力を紹介するのが『ヴィンテージライターの世界』で、会場ではライターの前身である着火具をはじめ、ダンヒルやエバンスなどのメーカー品、またはユニークなテーブルライターなど約200点が公開されていました。
左:「マッチレス・シガーライター」 1890年代 右:「セミオート式ヒューズライター」
最初は1920年代にオイルタイターが普及するまでの歩みを紹介していて、オイルライター以前の着火具やさまざまな仕組みのライターを見ることができました。
右:「ルミナスライター」 フランス 19世紀後半
ここで面白いのは実に多様な着火方法で、紙火薬を用いた「マジック・ポケットランプ」や電解液を使った「ルミナスライター」、さらにはコイルに電気を流して電熱で着火させるライターなどに目を引かれました。
「アクアリウム」シリーズ ダンヒル 1940年代
1920年代の欧米においてオイルライターが普及しはじめると、単に着火具としてだけでなく、装身具や調度品としての外観も重要視されるようになりました。また工作機械の導入などによる技術の進展により、金工品の量産化が可能となると、金工品や服飾品のメーカーが次々とライターの製造に乗り出しました。
「オート式ポケットライター」 エバンス アメリカ合衆国 1930〜50年代
そして1950年代にかけてはアール・デコの影響も強く受けるようになり、幾何学的なデザインを取り入れたライターも作られるようになりました。
「デキャンタ」、「クイーン・アン」、「メルローズ」ほか ロンソン アメリカ合衆国 1930〜50年代
アメリカの金工品メーカーのロンソンは、当初ブックエンドや置き時計などを手がけていたものの、のちにオイルライターの事業に参画し、「バンジョー」などのヒット作を生み出しました。
「インペリアル・イースターエッグ風テーブルライター」 エバンス アメリカ合衆国 1940〜50年代
またレンブラントの「夜警」の図入りのテーブルライターや、ロシアのインペリアル・イースターエッグを模したテーブルライターといったにユニークな造形を用いるものも少なくありませんでした。
「ビュー・ライター」 スクリプト 1950年代
第二次世界大戦下においてアメリカ軍の「ジッポー」など、兵士の携帯品としてライターが定着する一方、金属は重要な物資でもあったため、製造に制約がかかることがありました。また1960年以降はガスライターが普及し、簡便な着火方式も開発されると、ライターはより多くの人々に使われるようになりました。
「電話機造形ライター」 日本
ラストの「ライター珍品奇品」の展示も面白いのではないでしょうか。それらは一体どこから火がつくのか見当もつかないものや、そもそもライターに見えないような造形など、驚くほどバラエティに富んでいました。
左:「ろうそく造形ライター」 カシーエ 右:「飛行機造形ライター」
まるで宝飾品やミニチュア、それにフィギュアを思わせるものなど、実に多種多様なライターに見入りました。
撮影も可能でした。12月25日まで開催されています。
『ヴィンテージライターの世界 炎と魅せるメタルワーク』 たばこと塩の博物館(@tabashio_museum)
会期:2022年9月10日(土)~12月25日(日)
休館:月曜日。但し9/19、10/10は開館。9月20日(火)、10月11日(火)。
時間:10:00~17:00。*入館は16時半まで。
料金:一般・大人100円、小・中・高校生50円。
住所:墨田区横川1-16-3
交通:東武スカイツリーラインとうきょうスカイツリー駅より徒歩8分。都営浅草線本所吾妻橋駅より徒歩10分。東京メトロ半蔵門線・都営浅草線・京成線・東武スカイツリーライン押上駅より徒歩12分。
『ヴィンテージライターの世界 炎と魅せるメタルワーク』
2022/9/10~12/25
たばこと塩の博物館で開催中の『ヴィンテージライターの世界 炎と魅せるメタルワーク』を見てきました。
ヨーロッパで誕生し、主に喫煙に使われた着火具のライターは、時に意匠を凝らした銘品も作られ、愛好家の目を楽しませてきました。
そうしたライターの魅力を紹介するのが『ヴィンテージライターの世界』で、会場ではライターの前身である着火具をはじめ、ダンヒルやエバンスなどのメーカー品、またはユニークなテーブルライターなど約200点が公開されていました。
左:「マッチレス・シガーライター」 1890年代 右:「セミオート式ヒューズライター」
最初は1920年代にオイルタイターが普及するまでの歩みを紹介していて、オイルライター以前の着火具やさまざまな仕組みのライターを見ることができました。
右:「ルミナスライター」 フランス 19世紀後半
ここで面白いのは実に多様な着火方法で、紙火薬を用いた「マジック・ポケットランプ」や電解液を使った「ルミナスライター」、さらにはコイルに電気を流して電熱で着火させるライターなどに目を引かれました。
「アクアリウム」シリーズ ダンヒル 1940年代
1920年代の欧米においてオイルライターが普及しはじめると、単に着火具としてだけでなく、装身具や調度品としての外観も重要視されるようになりました。また工作機械の導入などによる技術の進展により、金工品の量産化が可能となると、金工品や服飾品のメーカーが次々とライターの製造に乗り出しました。
「オート式ポケットライター」 エバンス アメリカ合衆国 1930〜50年代
そして1950年代にかけてはアール・デコの影響も強く受けるようになり、幾何学的なデザインを取り入れたライターも作られるようになりました。
「デキャンタ」、「クイーン・アン」、「メルローズ」ほか ロンソン アメリカ合衆国 1930〜50年代
アメリカの金工品メーカーのロンソンは、当初ブックエンドや置き時計などを手がけていたものの、のちにオイルライターの事業に参画し、「バンジョー」などのヒット作を生み出しました。
「インペリアル・イースターエッグ風テーブルライター」 エバンス アメリカ合衆国 1940〜50年代
またレンブラントの「夜警」の図入りのテーブルライターや、ロシアのインペリアル・イースターエッグを模したテーブルライターといったにユニークな造形を用いるものも少なくありませんでした。
「ビュー・ライター」 スクリプト 1950年代
第二次世界大戦下においてアメリカ軍の「ジッポー」など、兵士の携帯品としてライターが定着する一方、金属は重要な物資でもあったため、製造に制約がかかることがありました。また1960年以降はガスライターが普及し、簡便な着火方式も開発されると、ライターはより多くの人々に使われるようになりました。
「電話機造形ライター」 日本
ラストの「ライター珍品奇品」の展示も面白いのではないでしょうか。それらは一体どこから火がつくのか見当もつかないものや、そもそもライターに見えないような造形など、驚くほどバラエティに富んでいました。
左:「ろうそく造形ライター」 カシーエ 右:「飛行機造形ライター」
まるで宝飾品やミニチュア、それにフィギュアを思わせるものなど、実に多種多様なライターに見入りました。
終戦直後の日本製ライター第二次世界大戦後、日本は日用品製造の輸出で復興をはかりました。なかでもライターは、軍需用に保有された金属を転用でき、復興期に好適な製品でした。輸出されたライターは、海外の観光地でお土産として売られるなど、手軽な廉価品として人気を伸ばしていきました。 pic.twitter.com/E9WYpTHzqj
— たばこと塩の博物館公式 (@tabashio_museum) November 8, 2022
撮影も可能でした。12月25日まで開催されています。
『ヴィンテージライターの世界 炎と魅せるメタルワーク』 たばこと塩の博物館(@tabashio_museum)
会期:2022年9月10日(土)~12月25日(日)
休館:月曜日。但し9/19、10/10は開館。9月20日(火)、10月11日(火)。
時間:10:00~17:00。*入館は16時半まで。
料金:一般・大人100円、小・中・高校生50円。
住所:墨田区横川1-16-3
交通:東武スカイツリーラインとうきょうスカイツリー駅より徒歩8分。都営浅草線本所吾妻橋駅より徒歩10分。東京メトロ半蔵門線・都営浅草線・京成線・東武スカイツリーライン押上駅より徒歩12分。
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