黒松内ぶなの森自然学校の事業の最大の特徴でありメインイベントは、7月から8月にかけての長期3週間の自然体験キャンプにあります。2018年夏で20回目、いや21回目の開催になります。 長期の体験活動は子どもの「生きるチカラ」を育むのに効果があるという文科省調査もあり、2週間以上の開催が推奨され補助金や助成制度があったので、一時期は全国で50箇所以上で開催されていましたが、それもなくなり、また、長期キャンプは運営ノウハウや人材の確保もたいへんなので、今や夏の期間に2週間以上の連続活動を実施する団体は全国でも限られています。私たちは未だに3週間キャンプにこだわり継続しています。
送り出す親御さんの世代も変わってきたので、3週間キャンプは集まりにくくなりました。子どもの背中を押して送り出す親が少なくなって来たことが一番の要因だと思うのですが、10年ほど前までは、6月1日に30名で3週間、ある年は4週間キャンプの募集を開始したところ、1週間ほどでキャンセル待ち出ることが相次ぎましたが、ここ数年は、3週間コースは10名ほどしか集まりません。 1週間単位でも参加ができるようにしているので、今でも各週ごとでは20名位の参加者がいますが。
しかし、なんと言っても3週間~4週間コースは、これぞ体験活動という醍醐味があります。 3週間は大きな運営コンセプトが3期に分かれてあります。 大きな目標は3週間目に子どもたち自身が自分たちで2泊3日の活動を企画し実施するということにあります。
1週目 どんな参加者がいるか、どんなスタッフがいるか、その体験がメーンです。全員で同じ場所へ行きます。海、川、山など。もちろん年齢差がありますから、行った先で学年や体力で活動班を分けることもあれば、全員で40Kmのロングウォークやちょっと高めの山の登山をすることもあります。
2週目は、自然学校の周辺にはどんな自然フィールドがあるか、自然学校にはどんな野外道具があるか、そして、その使い方や料理の仕方、火のおこし方などを体験的に小グループに分けて、毎日、あるいは1泊2日で別々のフィールドにでかけて学びます。ここまでは、準備や片付けなど自分のことは自分でできるようになることが個別目標でもあります。 2週間目ともなると、疲れも出てきて、自分の思い通りにならないことも出たりで、喧嘩もあったり、スタッフ間でもそれぞれの個性、体力、野外行動力がわかってきて、チームワークがぎくしゃくもすることがあり、コミュニケーションづくりが重要な乗り越えるべき課題となります。
そして3週間目はチャレンジ週間、自分たちで2泊3日のキャンプを企画し準備し実施します。 まずは自分がやりたいことをひとりで考えます。それを皆に発表しながら、仲間を募りグループ化してゆきます。これだけで2日間、時には3日間を費やした年もありました。そして、計画書づくり(行動計画、食糧計画、装備計画)を立てます。途中でスタッフチェック(関所)があり、そこで計画実行許可をもらわねばなりません。そのうえで、準備と必要なトレーニングに2日間、で、本番の3日間に突入します。
付添うスタッフは助言はすれどもできるかぎり直接は手をださないようにします。子どもだけではできないようなことには、子どもから依頼要請があれば、必要に応じて対処します。ですから、計画した出発時刻が過ぎてもなかなか出発できないグループも出てきますが、それは安全管理をする運営側のこらえどきでもあります。 そして、出発・実施となります。 意見の衝突や動けるひと動けないひともでてくるので、チームワークも大切です。ともかくも実行へ進めなければなりませんから、Donika-Suru-Ryoku(チカラ)、DSRが鍛えらる、 まさにアクティブラーニングそのものです。
4週ある年は、最終週は「旅」をテーマに自然学校周辺より遠くへでかけます。かつては、奥尻島一週などを実施しました。
スタッフは、自然学校のコアスタッフ以外に、この期間だけ臨時スタッフとなる専門性の高い人材、海外からのボランティアも多数で、英語が基本共通言語にもなっています。ですから、スタッフ運営側にとっても、毎年DSRが鍛えられています。本年も7月27日から8月14日までの3週間を予定しており、6月1日より募集予定です。
どうぞ、よろしくお願い致します。
2018