晴徨雨読

晴れた日は自転車で彷徨い、雨の日は本を読む。こんな旅をしたときに始めたブログです。

雨読 続・山の女 4/9 

2013-04-10 | 雨読

2013.4.9(火)晴れ、曇り

 山の女の生き様は本書を読んでいただければ解ることだが、秋山郷特有の方言や習慣などを読み取りたいと考えた。
 いくつかを紹介してみよう。
メンツ(木の曲輪の弁当箱)
 よく輪っぱ飯とか言って駅弁になっている例の容器である。学生時代山岳部ではいろいろの隠語のようなものがあったが、その中の一つがこのメンツである。ご飯を盛るアルミの容器をそう呼んでいた。山用品の店でもスーパーでもボールと書いてあるので不思議だなあと思っていた。おそらくマタギ言葉では無いかと思う。方言辞典にも語源辞典にも載っていない。P1040277



これをメンツという、今ではプラスチック。


リュー(洞窟)
 夜中にリューの前を通るのが怖いという話が出てくるのだが、リューが洞窟というのは聞いたことが無い。方言辞典等にも出てこない。鍾乳洞には龍河洞とか龍泉洞とか龍のつく名が多くある。リューが洞窟を表すからそういう名がつくのかなと思ったが、何を調べてもそのようなことは書いていない。
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龍泉洞(岩手県岩泉町)の内部


 鈴木牧之の「秋山紀行」の苗場山紀行の中に竜厳窟に関する文章がある。
 


 竜厳窟ハ御華畠ヨリ別途ヲ下リ往ト云トモ未ダ其道開ケズ。

 この後文は続き、竜厳窟に関する言い伝えなどが述べられる。
つまり山田ハルエさんが言ったリューとはこの竜厳窟のことを言っているのでは無いだろうか。そうするとリューは普通名詞ではなくて固有名詞となる。リューが洞窟一般を指すのではなく、竜厳窟のことを言っているのだと思うのだが、どうだろう。

ツネ(峰、尾根)
 これは見当がつかない。マタギ言葉にでもあるのだろうか。

ツブラ(わらで作った乳児の籠)
 本書の中でも詳しく説明がしてある。イズメ、ユグリ、ツグラ、スッコ、エンツコなどもっともっと多くの呼ばれ方をしている。同じ物がかくも様々な方言で呼ばれるのも珍しい。これは自転車旅行で各地の資料館などを巡って感じたことである。
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山形県新庄市ではえんつこという。元々はご飯の保温用。


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秋田県由利本荘市ではえじめ、えじみ、えっこなどと呼んだ。つづく


【晴徨雨読】195日目(2007.4.9)小倉~下関
小倉は松本清張の出身地である。作家の記念館などおもしろくもないのだが、この記念館はよかった。この日のブログに「黒地の絵」を読みたいと書いているが、未だに読んでいない。その代わり後日亀嵩を訪れている。もっともそこが「砂の器」の舞台であることを知らずにである。
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関門人道にも松本清張が、、、。


【今日のじょん】今日はおとーもおかーも四條畷の病院に行ったので一日お留守番。よいこちゃんでお留守番していたので、夜はスキヤキのお肉をチコットもらったみたい。中尾さんがお土産くれたので明日が楽しみだワン。

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ジョンの入ってるのもツグラの一種である。 

コメント
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