2012.12.1(土)雨
寺院数が最も多い都道府県はというと統計のとり方によって差はあるのだが、一応愛知県というものが多い。ところが人口比となると圧倒的に滋賀県が一位となるそうだ。もちろん絶対数も上位に入っている。これは近江の歴史が奥深いことと関連するのだろう。
近江には大津京、紫香楽京と二つの都が置かれた。短命とは言え古代近江の地が重要な位置であったことをうかがわせる。
「古代を考える 近江」水野正好編、吉川弘文館 平成4年5月第一刷 定価1922円 古書で購入
近江の古代といえば、和邇氏、息永氏、大津宮、紫香楽宮、天智天皇、マキノ製鉄遺跡、継体天皇、水上交通など思い浮かぶのだが実はこれらの実体はというとよく理解できないというのが本音である。これら近江の古代のファクターを系統立てて知りたいというのが読書の動機なのだが、残念ながら本書の編集はそういう方向で編集はされていなかった。
編者のあとがきの中で書かれているとおりであって、総合して「近江」を考える前史として、各論的に専門分野について最新の研究成果を述べてもらった、ということである。各論を相互に対比して一層の検討が始まる機縁になればという想いが本書を編んだ目的である、と端的に記してある。
近江歴史散歩などとガイドブック的な項もあり、一般向けに書かれた書物ではあるが内容は専門的で難しいところもある。
古代近江の重要性は朝鮮半島からの物資、文化の通路であったことと全域が金属の産出地であると言うことだろう。和邇氏、息永氏、安氏、小野氏、真野氏など近江に所以の豪族は水上交通、産鉄に関係していると思われるし、それらの遺跡も全域に散らばっている。
茶臼山古墳、後円部
天智天皇の大津京というのは新羅、唐の侵攻に対する防御と考えているのだが、聖武天皇の恭仁京、紫香楽宮というのは謎が多い。ある本に金属産地を押さえるためではないかという説があったが、本書の「石山寺縁起」に関する者など読んでいるとあり得るのかなと言う気になる。
特に聖武天皇が金に対して悲痛なまでの願望があることは理解できる。大仏の造営は進んでも、塗るための金は絶対的に不足していたという。石山寺は産金の祈祷をするために作られたという。祈祷のかいあって陸奥国で金が発見されたのだが、琵琶湖の南の山でなにがしかの金が出るか、探鉱の試みがなされたのではないかと勘ぐっている。
お堅い本もこんな風に読めば面白いかなというところだ。
【晴徨雨読】123日目(2006.12.1)御前崎~浜名湖
今日も一日太平洋自転車道を走る。従って面白い風物詩はない。海の景色だけは豪快だ。もの凄い西風で自転車は堪らない。また、海からの砂が道に埋まり砂漠を歩いてるようなところもいくつかあった。
自転車道では昼食も取れないので、掛川で街中に入る。といっても海寄りで東海道とはかなり離れていた。磐田も同様である。浜名湖に着いたら夕方になって、名物の鰻を食する。
福田の川岸(磐田市)
【今日のじょん】:連日の雨でレインコート着るのも可哀想、この芝生の赤石のところは夜な夜ななんか小動物が来ているみたい。かならず糞が落ちている。