父の日、元気でいてくれたら今年の誕生日で92才
ちいさな木工所を営み、子供好きな父は6人の子宝に恵まれた。
サラリーマン家庭と違って年末のボーナス等はなく
商売上不景気のときも多いし、一家8人の生活を支えるのは並大抵のことではなかったようだ。
年末になると材料代の支払い、職人さんへの
給料や、子供たちに晴れ着の一枚でもと、除夜の鐘の鳴りはじめる頃まで
父がそろばんと にらめっこしていた姿を思い出す。
それでも一夜あけて元旦には 私たちよりも早く起きて、
とっておきの着物に羽織の紐も きりッと結んで
みんなが食膳に揃うのを にこにこしてちゃんと待っていて
「おめでとう」
父は着物の袖にゆっくりと手をいれ、真っ白い封筒のお年玉を一人ひとりに手渡してくれた。
子煩悩だった父は 長女のわたしが嫁ぐと母以上に寂しがり、初孫誕生の知らせに、
雪の中を自転車で病院まで駆けつけた。
孫は目にいれても痛くないというが 父もまたそのとうりであった。
逢うたびに可愛く成長する初孫に目を細めながら、好きなお酒をちびりちびりと
楽しんでいたのに・・・
2人目の孫を抱くこともなく 51才の若さであっけなくこの世を去ってしまった。
いつも元気だった父は寝つくこともなく そばにいた母に
「頭が痛い・・・」とたったひとこといって・・・
その前日、ひさしぶりに実家に遊びにきたわたしと初孫のK子に
「今日は 泊まっていかんね」
夜勤の夫を送りださねばいけなかったので
「今日は帰るね、こんどね・・・」
思い出すたびに悔やまれてならない
6月
みちのくの旅 山形へ "風雅の里"で
父は甘党でもあったので
父を思い浮かべていただいた 茶店の生菓子は美味しかった
亡き父にただひとり抱っこされた孫、 わたしの長女
K子ちゃんからは父の日に うれしいプレゼントを
「しあわせだなぁ~」と 夫の笑顔
「いつまでも 元気でね」の 添え書きがうれしかった・・・
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