仏間の戸をいれかえることになり、なじみの建具屋さんにきてもらった。
「コンチワ~ッ!」と威勢のいい声でガラリと玄関をあけた H山建具屋さん
大工道具をちょいと肩にのせた姿は、なんともいなせで恰好よくて、大好きだ。
手ぎわよく仕事に取り掛かる姿をみたらじ~んと
きてしまった。耳もとにはさんであるチビた鉛筆を見て・・・
わたしが小学生のころ、父の声が仕事場からよく聞こえてきた。
「お~い 短くなった鉛筆はなかか?」
寸法計り、材料の段取り、切込みなどにこのチビた鉛筆を耳にはさんで
テキパキと仕事をしていた父の姿がかさなった。
子煩悩だった父は、指物大工さん
51才の若過ぎる旅立ち・・・
今日 11月24日は亡き父の祥月命日。
もし元気でいたなら 父は今102才・・・
そして11月26日は 亡き母も5回目の祥月命日を迎える。
せめて同じ月の命日で、あの世で夫婦寄り添って眠っていると思うことで
すこし安堵する。