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巴波川に沿って常盤橋まで来たが、このあたりで川から離れて、町の中心部に向かう。
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道の途中に古めかしい建物があり、看板を読むと『寺内万年筆病院』。後でネットで調べると先代が東京千駄木で開業、戦争の疎開のために栃木市に移転され、いまに至るそうである。ただ、ネットの記事も8年前なのでご主人がご健在かもわからないが。とにかく、この街にはよく合った風情である。
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そのまままっすぐ、蔵の街大通りまで行く。向かいには山本有三ふるさと館、その隣には古めかしいがモダンな『銀巴里』という理髪店、この建物もなかなかいい。もちろん、現役のようだ。
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この通り沿いには古い建物が並んでいる。右に曲がるが、すぐのところに『とちぎ山車会館』がある。ここには2年に1回の栃木市秋祭り(ちなみに今年の秋には開催される)の際に街を練り歩く10台の山車のうち必ず3台が設置されている。中に入り、料金を払うとすぐに奥にあるステージに案内される。
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観客は小生しかいないため、すぐにスタート。目の前には関羽雲長と日本武尊の山車が左右に飾られ、真ん中がスクリーンとなっている。あれ?2つしか山車がない。するとスイッチが入り、暗転となる。スクリーンには秋祭りの風景が映しだされ、賑やかな祭囃子が始まる。すると、しばらくするとスクリーンが2つに割れて真ん中から天照大御神が乗った山車が登場。目の裏にランプが仕込まれキラキラと光る。お囃子が大きくなる中、左右の山車が回り始め、さらにライトを浴びて夜の雰囲気も味わえる。なるほど、平成にできた展示場だけあり、ハイテク技術を駆使しているとはこのことなのだ。そのあと、2階のスペースから山車を見るが、明治初期に造られたその細工の見事さにかつての繁栄とこれを維持してきた町内の人の努力を思う。
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外に出て、次は向かい側にある蔵の街美術館に入る。外から見ると蔵が3つ並んでいるようだが、中は続いている。今回は安藤広重の東海道五十三次の浮世絵展。時代の異なる2枚ずつの絵が55枚飾られており、じっくり楽しむ。
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外に出て、裏を散策すると古い蔵を工房にしている店や洋館をカフェにしている店など魅力的な街並みがある。
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蔵の街大通りに戻り、向かい側の蔵の街観光館を覗くが、地元の鄙びたお土産が売られており、その中には蔵をモデルにした『とち介』のぬいぐるみもある。その表情はなんとなく出雲のしまねっこに似ている気がした。
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さらに栃木駅に向かうが、人形店や荒物屋など現役で頑張る古い商家が軒を連ね、生活に根ざした古い町並みに感動。造られた町並みではなく、我々は昔も今もそのままなんだと言っているかのよう。もっとじっくり見れば楽しいだろうが、帰りの時間もあり、駅に急いだ。
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最後にその途中のお宅で見つけた背の高いスモークツリー、これもまた見事でした。