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『改めて日本語を考える』その13。比喩とか故事成語とか、まあ日本語にはいろいろな表現があるが、言葉が古くてその語源がわからないものや間違えて使ってしまうものも多い。
例えば相撲や野球の解説などでよく使う言葉に『さあ、9回裏2アウトランナーなし、この土壇場で頑張ることができるのか●●(選手名)』と使うが、この『土壇場』の意味を知ると怖くなる。土壇場とは最後の最後、進退窮まる状態を指す言葉であるが、これは江戸時代に斬首の刑を執行する際に罪人を土を盛って築いた壇に横たわらせ、首を刎ねたことからきたものである。まあ、何方かと言えば『最期の最期』の方が適切なのだろう。
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同じような言葉に『切迫つまる』というのがある。切迫とは刀の鍔の両面に添える薄い楕円形の金物のことで、これが詰まると刀が抜けなくなる。
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そのため、窮地に追い込まれた際に刀が抜けないというシュチュエーションを意味するのである。相手側の武士に襲われた際に手入れを怠っていたことから刀が抜けず焦る武士を想像するとまさに切迫詰まった状況なのだろう。
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次に『たたらを踏む』という言葉がある。これは目標が外れ、勢いあまってから足を踏み出す、踏み越すことを言う。
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『たたら』とは製鉄する場所のことで、また、たたら吹きとは鞴(ふいご)つまり、足で踏んで空気を送る送風機を意味している。そのため、たたらを勢いよく踏む様が空ら足を踏むのとよく似ていることからできた言葉である。
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最後に間違いやすい言葉。『焼け木杭(ぼっくい)に火が着く』を『焼けボックリ』と間違えて使われていることが多い。男女の仲を指し、一旦疎遠になったカップルがふとしたことから出会い、また、熱く愛し合うようになる様の時に使うのだが、なぜ、松ぼっくりが焼けるのかと思う人もいるだろう。実は山焼きなどをした際に燃えさしの切り株や焼けた杭は消えているように見えても風が当たるなどしてまたすぐ燃え上がる様から来た言葉である。
日本語は難しい。