『ぶらっと橋めぐり』その17。久々に隅田川に架かる橋を渡ってみる。まずは『駒形橋』、都営浅草線浅草駅からすぐのところにある。
橋自体は1927年に竣工した比較的新しい橋であり、名前は西詰にある駒形堂に因むもの。橋ができるまでは駒形の渡しという船が運行されていた。
駒形橋は昭和2年に作られた三連ヒンジアーチ橋で長さが149m、幅が22mあり、浅草通りが上を走る。橋の袂にはモニュメントがあるが、橋の位置は厩橋と吾妻橋に挟まれている。
橋からはすぐ前に東京スカイツリー、アサヒビール本社など有名な建物が並ぶ。橋の途中にはバルコニーのようにせり出した部分があり、川や船などをゆっくりみることができる。
駒形堂は最近立て直したものが西詰にある。ここは浅草寺本尊聖観音像の示現の地とされ、江戸時代は船でくる参拝者はここで下船し、まずは駒形堂の馬頭観音に参詣し、それから観音堂に向かったとされている。そのため、当時は大変賑やかな場所であり、料理屋や茶屋が軒を連ねていたようである。
その名残か、橋の近所には『駒形どぜう』(川魚料理)、『浅草むぎとろ』(とろろ料理)、前川(鰻料理)など老舗の料理屋が残されている。こうした店で江戸の粋を味わい、橋から夜の街を眺めるのも一興であろう。