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『東京23区よもやま話』その2。東京に『区』というものが置かれたのは1878年に遡る。その頃は中心部(千代田、中央、港、文京、台東の各区の全部と新宿・江東・墨田区の各一部)を15区としたのである。その周りは荏原郡、南豊島郡、東多摩郡、北豊島郡、南足立郡、南葛飾郡の6郡が置かれ、これが現在の23区にほぼ合致する。その後1896年に南豊島郡と東多摩郡が合併して豊多摩郡となり、5郡体制になった。
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しかし、20世紀に入り急速に都市化が進み進んだため、1932年に5郡2町村を東京市に編入、これを20区に分け、従来の15区と共に35区体制になった。そして1943年7月に東京市と東京府を廃止して東京都とした。(ただし、東京都の首長は公選制ではなく、現在とは異なる。)
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戦後になり、1947年に各区の人口と面積を揃えるため、35区を22区に統合、その後、板橋区から練馬区を分割、現在の23区となった。
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この時に旧15区を中心に区の合併を推進した。そのあらましが、千代田区(麹町、神田)、中央区(日本橋、京橋)、港区(芝、麻布、赤坂)、新宿(淀橋、牛込、四谷)、文京区(小石川、本郷)、台東区(下谷、浅草)、墨田区(本所、向島)、江東区(深川、城東)、品川区(品川、荏原)、北区(滝野川、王子)、大田区(大森、蒲田)となる。しかし、合併したのはいいが、その名前を決めるのに紆余曲折があるが、そのあたりは次回。