hokutoのきまぐれ散歩

ブログも12年目、4000日に到達。ネタ探しはきついけどまだまだ毎日更新を続けるつもりです。

あぶさん

2020-10-13 10:30:00 | 日記

あぶさんといっても酒の種類ではなく、景浦安武というのんべの選手が活躍する野球漫画の方。その『あぶさん』が2月に41年の歴史を閉じる。連載はあと2回らしい。こち亀やゴルゴなど長期連載の漫画は他にもあるが、実在の選手と主人公が一緒に年を重ねて行く漫画でこれだけ続いたのは例がない。
実は小生はこの漫画を高校生の時から愛読し、阪神ファンのくせに当時の南海の選手はよく知っていた。しかも実物は知らなくても漫画の顔はよく覚えている。

連載している ビックコミックオリジナルは1972年創刊でこの漫画がはじまったのが、1973年だから、ほぼ同じ長さである。小生が読み始めた頃は他にバロン吉元『ドン亀野郎』、古谷三敏『寄席芸人伝』、今も連載されているジョージ秋山の『浮浪雲』、黒鉄ヒロシの『赤兵衛』などが載っていた。

あぶさんこと景浦安武は新潟県北明高校出身、野花食品を首になり北大阪電機に拾われる。しかし、酒のトラブルでまた首になったところを南海のスカウト岩田鉄五郎に大虎という大阪の居酒屋で再会し、南海にドラフト外で入団するというのがスタート。

当時、打者では藤原や桜井、青野、定岡、島野、広瀬、投手では江本、佐藤道、西岡などが実名ででていた。藤原は『チャイ』というあだ名で呼ばれ、佐藤道は当時の奥さんだったアンジェラ浅丘の名前がよく出てきたのを思い出した。違う球団の選手も良く出てきて、例えば数少ない新潟県出身の阪急の今井雄太郎なども印象深い。

まだ、始めの頃は一流選手ではなく、代打屋としての存在感を出すまでの下積みの苦闘とそのギラギラとした目。野球だけでなく、いつも飲みに行く大虎の常連や看板娘のサッちゃん、景浦と同じアパートに住んでいてサッちゃんに嫉妬する女の子カコちゃんなどとの人間臭い絡みが楽しみであった。正直、一番好きだったのはこの時代。
その後南海球団も身売りされて杉浦監督が苦節の時代を戦うが、当時偶然に博多にいてその頃も熱心によんだ。ただ、三冠王の頃からは一流選手になりすぎ、やや神格化されてきたこともあり、また、あまりにまともな男と書かれ始めたことから、読んではいたもののあまり好きではなかった。

それでも連載41年、単行本107冊の歴史がある漫画がなくなるのは少し寂しい。やはり、小生には永遠の90番とは長嶋茂雄ではなく、景浦安武である。

色のつく表現を考える

2020-10-13 05:00:00 | 日記
『改めて日本語を考える』その23。日本語の慣用句・強調表現ではよく色を使う。まずは『赤』、例えば『赤の他人』『真っ赤な嘘』『赤っ恥』『赤裸々』などと使われる。

赤の他人は『阿伽(あか)』を由来とするという説もある(阿伽は仏前に供える水のことで他人には冷たいことが由来)が、この他の表現に色の『赤』とすると強調する際に使われたようである。

『白』は『白々しい』『しらばっくれる』という表現は『知る』と『白』を掛けたものと思われるが、『白ら(しら)』は明け透け、『ばくれる』は化けるという意味であり、化けているのが明け透け、見え見えのことを知らないフリをしているということのようである。

他にも『白日の下に晒す』『白紙に戻す』『白黒を付ける』などがある。

『黒』は『白』の対義、白が正義なら黒は悪と言った言い方に使われるものが多く、『腹黒い』『黒幕』『黒い霧』などは皆そうである。

面白いのは『這っても黒豆』という表現。黒い小さなものを指して黒豆と言ったが、これが這っても黒豆と主張する、つまり間違ってもこれを認めない者に言う言葉である。

『青』は色々な意味がある。『青(蒼)くなる』は恐怖のために血の気が引いて顔が青白くなる、『青筋を立てる』はこめかみに青く血管が浮くほど興奮する、『青二才』は未熟で経験の乏しい男。青い空を使った表現は『青雲の志』『晴天の霹靂』などがある。

私が好きな言葉として『人間至る所青山あり』、これは四字熟語で『人間青山』とも言う。青山とは墳墓のことで幕末の僧『月性』の言葉。世の中のどこで死んだとしても骨を埋める場所はある、ひいては大望を達するために故郷から出て活躍せよ、という言葉である。

実はこれ以外の色を使う慣用句(四字熟語を除く)はあまりない。相撲の土俵の周りの総ではないが、やはり日本語は青赤白黒が昔から使われた色なのかもしれない。