今年も暑くなってきた。特に夏の初めは汗の掻き方がわかっていないのか、どうも顔ばかり汗を掻く。そんな具合だからどうしても『冷やし〇〇』というメニューに目がいってしまう。
『浹(あまね)』は京鴨そばの専門店、普段はもちろん鴨南蛮を頂くのだが、暑い中やってきたこともあり、ついつい『冷やし鴨南蛮』に目を止めてしまった。
周りを見ても皆これを頼んでいる。私もついつい『冷やし鴨南蛮』(1200円)に『かやくご飯・一口』(200円)をお願いした。
待つこと7分、大きな鉢に入った冷やし鴨南蛮が到着。真ん中にそば、周りには油炒めした九条ネギ、大根おろし、カイワレ、鴨肉。鴨肉の上にはジュレがかかっている。
小さめの猪口は蕎麦湯を飲むためあるとのこと。まずは鴨肉にワサビをつけてジュレと共に一口、冷たいからかもしれないが、普段の鴨南蛮に比べて弾力が強い。油で炒めた九条ネギと合わせるとボリュームが増す気がする。
一方で大根おろしをツユに溶かし、蕎麦を啜るとまさにおろしそば、海苔もかかり、さっぱりとしていて幾らでも食べられそうである。
この店のもう一つのお楽しみは一口サイズのかやくご飯。ニンジンやごぼう、こんにゃくが炊き込まれ、わずかに加えた油が美味さの秘訣。添えてある柴漬もいい仕事をしている。
蕎麦を食べ終えるといいタイミングで蕎麦湯が到着。残りの蕎麦つゆを全て鉢に入れ、少しずつ白濁したとろとろの蕎麦湯を注いでいく。元々関西風のまったりしたツユのため、蕎麦湯はそれほど多くは注がない。まるでポタージュのようになった蕎麦ツユの蕎麦湯割りをまったりと頂きました。
なるほどさっぱりしていて暑い夏にはもってこいだが、鴨南蛮(温)の蕎麦を食べた後の山椒の香りのする出汁を啜ることも捨てがたい。冷やし体験をした次回は再び温かい鴨南蛮をいただくことにしたい。ご馳走さまでした。
浹(あまね)
中央区日本橋小舟町4ー10
05058728065