三無主義

 ~ディスパレートな日々~   耶馬英彦

ジャパンカップ~牝馬3頭の争い

2014年11月29日 | 競馬

ジャパンカップG1です。
東京は土曜日に雨が降って馬場状態が心配ではありますが、重にはならず稍重までだったことと、日曜日の天気予報が晴れなので、ジャパンカップは何とか良馬場でやれそうです。少し力の要る馬場になりそうなので、エピファネイアにはやや有利、ハープスターにはやや不利な感じがします。

◎ジェンティルドンナ
〇デニムアンドルビー
▲ハープスター
△イスラボニータ
△エピファネイア

本命はジェンティルドンナ。実績からして何も言うことはありません。天皇賞も並みの馬なら馬群に沈んでしまうところをこじ開けて2着に来たのはこの馬の底力というしかありません。器用な先行力があるので、3番は絶好枠。サトノシュレンタマモベストプレイが逃げてこの馬が内の3番手、その外にイスラボニータという展開になれば、直線での瞬発力は一枚上だと思います。ジャパンカップ三連覇もあるのではないでしょうか。
強敵は昨年2着のデニムアンドルビー。必ず伸びてくる末脚は結構な脅威です。天皇賞もエピファネイアが壁にならなければ勝ち負けまであったかもしれません。そしてもう1頭の強敵がハープスター。凱旋門賞は大外を回ってかなりいい脚を使いましたが、最近の凱旋門賞の傾向で、後ろから行った馬は届きません。実は同じことがジャパンカップにも言えるので、今回は川田騎手がある程度前目につけると思います。デニムアンドルビーも同様です。 勝つのは牝馬3頭のいずれかだと思います。あとは2番手争い。
おそらく先行するであろうイスラボニータが直線でもかなり粘りそうです。 そして重馬場の菊花賞を勝っているエピファネイアが絡んでくるでしょう。
昨年と今年の天皇賞馬2頭ですが、いずれも距離が不安。ジャスタウェイは去年の天皇賞でジェンティルドンナを4馬身千切って勝ったのを見てマイラーだと思いました。安田記念を勝ったことからもジャパンカップの距離は苦しいと思います。スピルバーグも2000m超の距離経験は14着のダービーだけなのでやはり苦しいかなと。枠順も不利だと思います。フェノーメノは秋の天皇賞がやっぱり負けすぎですね。外国馬では相手関係から唯一買えそうだったトレーディングレザーが大外枠になってしまったのでこちらも買いづらい。その他の人気薄の出番はなさそうです。

馬券は◎〇▲-◎〇▲△△の3連単フォーメーション36点勝負。


映画「日本と原発」

2014年11月29日 | 政治・社会・会社

六本木シネマートで映画「日本と原発」を観ました。マスコミは決して宣伝しない、テレビにも新聞にもeiga.comにも出ていない映画です。シネマート六本木のホームページにも載っていません。シネマートの上映作品の一覧はありますが、「日本と原発」の文字はありません。自主上映というのはそういう扱いなのでしょうか。
しかし知っている人はたくさんいるみたいで、上映開始19時の1時間前に受付開始ですが、18時10分に行ったら9割がた席が埋まっていました。後で聞いたら、その後90人ほど、席がなくて帰したそうです。

3.11の原発事故で起きたこと、起きるに至った理由、東電と政府と自治体の対応と住民の被害について、事細かに表現されています。この映画を観れば、福島の原発事故の概略が理解できます。私も知らなかったことがたくさんありました。
浪江町に取り残された車が3年半経った今も、まったく同じ状態で放置されたままになっている映像を見て、原発事故というものは取り返しがつかないものなのだということをあらためて実感しました。放射能があるから近づけないということはわかっていましたが、それが何を意味するのかは想像の外にありました。放射能汚染の現実は、草ぼうぼうの野原に車が何百台も取り残された光景であり、2011年3月11日で時間が止まってしまっているということだったのです。避難した僧侶が「復興なんて言葉はとても当てはまらない。放射能が拡散した地域は消滅したのと同じだ、復興などあり得ない」と話していました。まさにそのとおりです。
原子炉で生み出される核分裂生成物の中で最も危険とされるセシウム137の半減期は30年。60年で25%、90年で12.5%までしか減りません。10分の1になるのに100年かかります。そしてメルトダウンした原子炉内のウランはどこまで沈んでいくのか見当もつきませんし、何千年、何万年、何億年経ったら落ち着くのかもわかりません。原子力は人間に制御できるものではないのです。

それでも原子力ムラというものが厳然として存在し、産業界の7割が関係している以上、日本政府が原発を中止することはあり得ないし、経団連が原発推進を継続していくのも当然のことです。御用学者が原発は安全ですと繰り返すのも同様です。日本の権力構造に働きかけても原発をやめることはできません。

しかし市民運動としてなら原発を阻止できるかもしれません。あるいは裁判としてなら阻止できるかもしれません。そこに僅かな光明があり、この映画の目的があります。原発推進の立場の人たちの理屈にひとつひとつ対抗できるように、絨毯爆撃のように論破していった映画だと、上映後の挨拶で監督の河合弘之弁護士は言っていました。その小柄な体格と年齢からは考えられない物凄いバイタリティを発散する人でした。この執念深い映画を作っただけのことはあります。

河合弁護士の言うとおり、この映画をひとりでも多くの人が観て、不十分だった原発についての理解を深めることがとても重要だと思います。六本木シネマートでは連日満席でせっかくの来場客を帰している状態が続いていることから、追加上映が決まりました。12月4日、5日、6日(木金土)と12日、13日(金土)です。東京の人はこの機会を逃すべきではありません。

この映画は大震災の映画ではありません。大震災をきっかけに明らかになった原発の実態を暴く映画です。日本国民だけでなく、アベくんから原発を買おうとしているアジアの政府要人も含め、世界中の全員が観るべき映画です。原発について議論するなら、この映画を観てからにしたほうが効率的です。それほどわかりやすい映画でした。