映画「奥様は取り扱い注意」を観た。
2017年に放送された日テレのドラマは見ていた。とってもとっても大スキ♫と歌っていた広末涼子が、それから20年経って不倫する奥様役で出ていたのを複雑な思いで見ていたことを思い出す。ドラマは戦闘力の高い夫婦の物語に、地域の人々のDVやパワハラ、不倫や反社組織などの問題が絡められていたが、本作品でも環境問題、資源問題、政治利権に国際的犯罪組織と悪質警官と悪質警察署、悪質公安組織が絡んで、ややこしくも面白いストーリーになっている。
警察の逮捕訓練と公安警察の訓練はどれほど違いがあるのか知らないが、軍隊のクロスコンバットは敵を無力化する(つまり殺す)ことが目的だから、一般的に言えば近接戦闘で警官が軍人に勝てることはない。自衛官が一人で交番を襲って数人の警察官を殺してしまう事件は何度か起きた。どれほど個人の能力差があっても、書類仕事や巡回でほとんどの時間を過ごしている警官が、毎日人殺しの訓練をしている自衛官に勝てる筈がないのだ。
というわけで終盤の展開が不自然な本作品だが、綾瀬はるかと西島秀俊の夫婦関係がとてもスリリングで、どこまで本当でどこまで嘘や演技なのかという一点だけで興味を繋ぎ止め、環境問題のサイドストーリーが物語を進める。檀れいの能面のような表情を芝居上手な鈴木浩介が補っていた。
大して深みのある作品ではないが、綾瀬はるかの演技で最後まで持たせる。アンジェリーナ・ジョリーとジョニー・デップが主演した映画「ツーリスト」を思い出した。綾瀬はるかの作る料理が美味しそうなのが意外によかった。