総理大臣に一番近いと思われていた自民党総裁の谷垣禎一の再選がおぼつかないようだ。私も指導力のなさを何度か指摘してきたが、ここにきて引きずりおろされるのは、ちょっと可哀想な気がする。民主や公明との三党合意をせずに、消費税増税法案を阻止しておれば、こんなことにはならなかったのではないか。野田佳彦首相の懇願に、ついホロリとなったのが、運のつきなのである。さらに、マスコミにもしてやられたのではないか。朝日から産経まで、こぞって消費税増税に賛成であり、それを意識せざるを得なかったのだろう。谷垣のこととなると、前尾繁三郎の悲劇を思い出してならない。前尾の死去を受けて、昭和58年の補欠選挙に旧京都二区から立候補して、谷垣は初陣を飾ったのだった。前尾の場合は、派閥内のクーデターで、宏池会のリーダーの座を大平正芳に奪われた。文人政治家は生臭い権力闘争には向かなかったのだ。谷垣が最終的にどうなるかは分からない。しかし、闘争心のない者は去るしかないのである。政治家は権力闘争で勝たなければならないし、パワフルでなければならないのだ。今の自民党にそれを求めるとすれば、一体誰なのだろう。何人かの名前は挙がっているが、私には元首相の安倍晋三くらいしか思い浮かばない。政権奪還を確実にするためにも、女性初の首相ということで、小池百合子でも悪くはないと思うが。
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