小沢遼子がどこかで、石破茂を持ち上げたことがあった。弁が達者だからだろうが、小沢一郎をそれなりに彼女も評価しているから、その子分であった石破に目が向いたのだろう。田中角栄から一喝されて、それで政治家になったようだから、小沢一郎に頭が上がらなかったのだろう。政治改革騒動で一緒に自民党を離れたのも、そうした過去があったからに違いない。1991年の湾岸戦争をきっかけに、防衛問題にのめり込むようになったそうだが、石破の頭のなかにあるのは、兵器に対するマニアックな関心であり、本質的な議論が抜け落ちている。守るべき日本について、まったく考慮されていない。その上クリスチャンでは、日本人の天皇陛下に対する感情も、理解できるわけがない。国のために死ぬということを、戦後の日本人は否定してきたが、国軍として自衛隊が生まれ変わるのならば、元首としての天皇陛下から、栄誉の大権が与えらえるべきだろう。民主党とか自民党とかのレベルを超えて、もっと奥深い悠久の大義を守るために、自衛隊は命を捨てることができるのではないか。石破の著書である『国防』では、そのことにまったく触れていない。法律上のことが中心で、血の通った人間の言葉が聞こえてはこない。大東亜戦争についても、已むに已まれぬ戦争であったことを理解していない。国のために散華した者たちの思いを、自らの思いとする安倍晋三こそが、自民党総裁にふさわしいのである。
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