新しい元号は「令和」と決まった。これまでは中国の古典から選ばれたが、今回だけは万葉集の言葉が参考にされた。グローバリズムに一矢報いる点では、一定の評価をしたい▼日本が独自の国柄を世界に示すことは、何よりも優先されなくてはならない。どれだけ我が民族が平和な暮らしを重んじて「和」を尊んできたかを、世界の人々に知ってもらわなければならない。天皇陛下を中心にして、国民が結束してきたのが日本なのである▼葦津珍彦は「天皇と云う民族の伝統的な地位が、神聖であると云う思想」(『日本の君主制』)の大切さを説いた。「一時代一時代の変化し易い民衆の多数意思よりも、遥かに高い貴いものと信じているのである(『同』)と主張したのである。葦津にとっては、天皇の意思イコール民族の意思でなくてはならないのだ▼国論が分裂して争いが生じかねないときには、歴史や伝統に根差した権威が必要なのである。日本人はそれを民族の知恵として編み出したのだった。「令和」という元号が決定した今だからこそ、私たちは肇国の精神に立ち返って、国柄の意味を噛み締めるべきでなのである。
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