草莽隊日記

混濁の世を憂いて一言

「散華の精神」を嘲笑した進歩派を皮肉った高橋和巳!

2019年04月15日 | 思想家

日本人の情念を理解しなければ、革命など出来るわけがないのである。それを教えてくれたのが高橋和巳の『散華』である。林房雄も『文藝時評』で「高橋和巳氏『散華』の強烈な感動」と絶賛した▼高橋の執筆の動機の動機について、『文芸』に「一人の兵がタコツボの中で、むなしく死んでいく情景すら、その背後にその行為を正当化した理念とその歴史というものを、文学者の目でもっと見すえていなければならない」と書いたことに注目したのである▼大東亜戦争が政治指導者に日本国民が騙されたのではなく、死を甘受する何かが日本人にあったのである。高橋はそのことを直視したのだった。「本土上陸を少しでもおくらせようとする青年たちにとって、神風特攻、震洋特攻、伏竜特攻、さらには対空人間ロケット砲すら、みな一つの必然であり、自発的な志願で希願だった。各地で何の連絡もなく、同時にそれは、企画され、そして他ならぬそれに搭乗すべき青年たちの手によって、それらの兵器は改造され、建造され、試運転されたのだ」▼高橋は特攻精神を嘲笑した戦後の進歩派を痛烈に皮肉った。「ニヒリストの運動を媒介せねばならぬ革命」から目を背けているからだ。戦後民主主義はそれを否定してしまったのである。その抑圧された情念を解き放つことが、変革のエネルギーを爆発させることなのである。

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