昨日の衆議員補選で自民党は大阪12区と沖縄3区の両方とも敗れた。敗因はいずれも候補者が悪かったからである▼大阪12区は日本維新の会が強い所である。今回の選挙は北川知克元環境相が死去したことにともなうもので、自民党新人の北川晋平氏は甥ということで「弔い選挙」になるはずだったが、そうは問屋が卸さなかった。大阪は世襲をすんなり認める土地柄ではないのである。沖縄3区は沖縄県知事に転出した玉木デニー氏の衆議院議員失職にともなうもので、いくら元沖縄北方担当大臣の塩尻安伊子氏であっても、個人的な人気がもう一つだった▼どちらの選挙区にも共通しているのは、投票率の悪さである。大阪12区では47・00%で、沖縄3区は43・99%であった。50%を切っているのである。とくに沖縄の場合は前回よりも10・06ポイントも減少している。魅力ある候補者がいないということが背景にある。選挙そのものに不信感がもたれているのである▼ここで自民党は考え方を改めるべきだろう。世襲議員が中心の党の体質を否定することになるが、世襲ではない能力のある人材を発掘しなければ、先細りは避けられない。沖縄については、国防安全保障の専門家を擁立すべきだ。その分野でのエキスパートでなければ、迫りつつある危機を説くことは難しいからだ。誰でもいいというわけではないのである。今回の自民党の敗北を安倍首相は真摯に受けとめるべきであり、候補者選定に気を遣うべきなのである。
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