日本の安全保障が重大な危機に直面しているにもかかわらず、安倍内閣にしても、危以前ほど危機感がなくなってきている。その典型が岩屋毅防衛相である。「ハト派」と呼ばれることが嬉しいようで、安全保障を担っている重要なポストにありながら、軽率なことばか口にしている▼昨日の記者会見でも、陸上自衛隊の宮古島駐屯地の迫撃砲や中距離多目的ミサイルの弾薬について、島外に搬出するように命じたことを明らかにした。産経新聞が伝えたもので、とんでもないことである。丸腰のままで侵略者と戦えというのだろうか。地元への説明がなかったからというが、自衛隊が来れば、武器や弾薬をともなうのが普通で、そこまで説明する必要があるのだろうか。そうした弱腰が我が国の防衛の力を削ぐのである▼今年度末にも配備される地対空・地対艦ミサイル部隊の弾薬庫が島内に完成するまでは、そうした異常な状態が続くのである。安倍首相もどうかしている。不甲斐ない防衛相を首にできないのは、それを容認しているからだろう。自民党には自称「ハト派」の政治家を、防衛相に就かせるという決まりがあった。加藤紘一などはその典型であった。理想を語ることよりも、現実の厳しさを理解させようとしたのである。しかし、そうであっても、人は選ぶべきであって、岩屋防衛相では務まらないのである。
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