フランスでの騒ぎはエリートとグローバリズムへの怒りである。フローラン・ダバディは、ニューズウィーク日本版の「フローランの日本文化論」というコラムで「『黄色いベスト』が求めるフランス第2の『革命』」を執筆した。昨年12月18日にはネットにもアップされた▼興味深いのは、フランスの黄色いベスト運動の参加者について、トランプ支持者との共通点に触れていることだ。エリートの特権に憤り、体制転換を求めているというのだ。それは昔流のリベラルや左翼のカテゴリーでは理解できない。彼らの生活レベルは中流である。外国人が入ってきて、自分たちの生活が脅かされることに危機感を抱いており、環境保護やグローバリズムのイデオロギーの信奉者ではない▼フローランの「黄色いベストたちは自分の居場所のことが心配なのです」との見方は的を射ている。ヨーロッパは過去の栄光を取り戻すのが難しくなっている。フランスとてその例外ではない。多民族国家が進んだフランスの未来は絶望的なのである▼同じ問題に直面している日本での解決策として、フローランは、多様な民族が日本でまとまる共通の目標を掲げるべきことを説き、日本人の美徳である「礼儀、連帯、謙虚さ、忠誠、勤勉」を挙げている。まさしく日本の保守が主張していることではないか。それを目の敵にしているのが、日本のリベラルや左翼なのである。
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