日本の大新聞は情報の囲い込みをしている。ネットで発信する記事を有料化して、新聞の購読者が減った分を取り戻そうと必死である。その点では朝日、読売、毎日、産経も横並びである。ネット社会では、情報を手にするのも、情報を発信するのも、限りなく経費がゼロに近づくはずであった。時代に逆行しているのである▼本来であれば、現実に起きている様々な事件を、無料で提供すれば、そこに人びとは集まってくるわけで、バナー広告だけで、十分に採算が取れるのである。インターネット広告費は、2017年の段階で1兆5094億円。新聞、雑誌、ラジオ、テレビの広告費が頭打ちであるのに対して、前年比で115・2%となった。しかも、制作トレンドは、独自のウェイブサイトによる宣伝よりも、ソーシャルメディアとの連携型にシフトしてきている。ツィッターやフェイスブックへの広告を出す企業が増えているのだ▼大新聞が多くの人材を抱え、大手通信社とタイアップし、いくら全世界的な規模で情報網をめぐらしても、ソーシャルメディアのネットワークにはかなわない。大事件が起きれば、そこに居合わせた人が、携帯で動画を撮影し、それがあっという間に世界中に拡散されるのだ。下手な解説が入り込む余地などまったくない。それに気付かない大新聞は、図体だけ大きくなって滅びた恐竜と同じ運命を辿るしかないのである。
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